「子供や孫にまとまった金銭を渡したら贈与税がかかる」

それが心配になる方もいらっしゃると思います。
でも、そもそも贈与税がかからない可能性もあることもあります。

・結論:贈与税がかからない渡し方
・贈与税がかからない理由
・贈与税の仕組みと注意点
・そのほかの贈与税がかからない制度

結論:贈与税がかからない渡し方

贈与税がかからずに経済的な支援をする方法とは、

その都度必要な金額を支援する

ことです!

贈与税がかからない理由

贈与税がなぜかからないかというと、
「近しい親族間での面倒を見るのは当然だから」
という理由に基づきます。

親が子供の生活や教育費を負担する、
年老いた親の生活費を子供が負担する、
などは当然だと考えられているので、贈与税はかからない、ということです。

贈与税の仕組みと注意点

贈与税は基本的には、親族間かどうかを問わず、
まとまった金銭や経済的な支援を行うとかかります。
それは「タダでもらったということは税金も払えるよね?」
という考え方にも基づいています。

しかし、上記の通り、このような場合には贈与税は払えませんし、
このような性質のものに対しても税金を課すことは常識的に考えてありえません。

より詳しく見ていくと、相続税法においては、

扶養義務者相互間において
生活費又は教育費に充てるためにした贈与により取得した財産のうち
通常必要と認められるもの」
は非課税だと定められています。

ここで難しい言葉が並んでいますので、分解してみてみます。

扶養義務者とは、配偶者、直系血族、兄弟姉妹、審判に基づく三親等以内の親族などと規定されています。
妻や夫、子供、父母、祖父母、孫、兄弟、姉妹がイメージしやすいと思います。

従って、赤の他人や審判に基づかない遠い親戚などは該当しません

また、国税庁の説明では、

「ここでいう生活費は、その人にとって通常の日常生活に必要な費用をいい、
治療費、養育費その他子育てに関する費用などを含みます。
また、教育費とは、学費や教材費、文具費などをいいます。」

とあり、常識的に考えて「通常生活においてまとまった資金が必要になるもの」
です。
これ以外に、例えば車の購入費用、新居の費用、旅行の費用などは該当しません。

更に、「なお、贈与税がかからない財産は、
生活費や教育費として必要な都度直接これらに充てるためのものに限られます
したがって、生活費や教育費の名目で贈与を受けた場合であっても、
それを預金したり株式や不動産などの買入資金に充てている場合には
贈与税がかかることになります」

とあります。

・必要になる見込みでまとまった金銭を渡す
・必要な時にまとまった金銭を渡しても、他の資産に変えてしまっている
場合には対象外となります。

そのほかの贈与税がかからない制度

上記でも一部触れましたが、
住宅の購入資金として渡す金銭はこの制度では非課税とはなりません。

しかし、別の制度で
直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税
という制度があります。

こちらは期限や細かい要件がありますが、非常に有効な制度ですので、
ご興味ある方はぜひご検討ください。