お客様からの質問やお問い合わせの多い事柄について、なるべくわかりやすく回答していきます。

ポイント

会計事務所、担当者による。また、宣伝の時の話と違うことも。事前に判断するのは至難の業。
”どういう税理士になりたいですか。どういう事務所にしていくのですか”と聞いてみてください。

  1. Q.会計事務所って、会計帳簿を作って申告するだけですか?それにしては報酬高くないですか?
  2. A.会計事務所や担当者によりますが、それだけではないことが多いです。
  3. また、会計帳簿を作るだけ、申告するだけといっても裏には専門性をもって作っています。

解説

最多といってもいいほどの質問がこちらです。一番イメージしやすい考え方として、

”あなたのお仕事はただ●●しているだけなのに高くない?”と聞かれたとき”そんなわけないでしょ!”

とお思いになると思います。それです。

やってくれる業務

会計事務所がやる業務は、正直「多すぎて、お客様によってばらばらすぎて、いちいち定義してられない」のが現実です。
また会計事務所によって変わります。ここでは弊社が法人のお客様に対して行うサービスについて、含めて列挙してみます。
このうちほとんどが見えないものなのが悲しいところです。

・会計帳簿作成、申告
→そのままの意味です。しかし、会計帳簿を作るにあたっても、
「この経費の割合が多いな。なにかに切り替えて安くならないかな。今度これを提案してみよう」
「あの経費がないけど入れなくていいのかな?聞いてみよう」
「売上先が偏っているな。リスクヘッジの観点からお話ししよう」
「この契約の形態よりこっちのほうが得するはずだな。相談してみよう」
「この商品は粗利率悪いな。理由があればいいが、なければ辞めるように話してみよう」
などなど、お客様にとっていい提案ができないかを常に考えながら処理しています。
こういったことをまったくしなくていいならもっと安く済みますが、
それってもはや税理士要らない状態ですし、私達としてもやる意義がないです。

・税務相談
→税金に関するお客様からの相談があった場合にお答えすることです。
この時も、お客様がAについてご質問してAについて答えるだけではありません。
例えば「業務委託と給与って何が違うの?」と聞かれた場合には、定義の違いや税務上の違い、
税務調査の観点や労働問題の観点などまで広くお答えしたうえで、
「従業員さんを新たに雇うのですか?」
「どういう目的ですか?」
「どういう人ですか?」などをお聞きして、本当にお客様が悩んでいる点を掘って、
「ではこういう形態にしませんか」とご提案をしたりします。

・税務以外の相談
→上記にある通り、直接税金に関わることだけでなく、会社の業績や人、モノ、に関する事、
会社の将来の形や若い起業家であればEXITなどの相談、提案など多岐にわたります。

・節税の提案
→そのままの意味です。

・節税以外の提案
→税務以外の相談に似た意味です。

・会計、法人税以外の税法の見地からの検討、提案、リスク回避
→税務相談に書いてあるような意味です。例えば相続や贈与の問題の検討や、節税の提案をします。

等々。いかがでしょうか。これでも一部といえます。

これでも「一時間で帳簿つけ終わるでしょ」と思いますか?

 

会計帳簿を作るだけ、申告するだけでも…

また、たとえ会計帳簿を作るだけ、申告するだけといっても、業務フローやかかるコストがそれなりにあります。

フロー
資料のご提出の依頼→回収→過不足の確認→帳簿作成→質問→回答→修正→帳簿完成

コスト
人件費、会計ソフト使用料、備品や賃料など

 

会計事務所や担当者によってしまう

しかし、これらは会計事務所や担当者によってしまいます。
これは育ってきた環境や取得資格、事務所の考え方、担当者の考え方、事務所のメインの顧客層などなどにもよってしまします。
それはまた別の機会にお話しするとして。

また、一度会計事務所を選ぶと変えるのが大変です。さらに、いまの事務所がいいのか悪いのかもわかりませんし、会計帳簿を作って申告するという最低ラインを
クリアしている場合、お客様のニーズが埋もれていてしまっていることもあります。

良い事務所

良い事務所とは言うまでもなく、安くていいサービスのところです。
しかし、安くていいというのは受ける側の感覚ですので難しいです。
適正な対価で思ったよりいいサービスだな、というくらいでいるといいと思います。
ここで対価をケチりすぎると、どうしても感情面、現実的な損益という観点から、良いサービスを提供することは不可能になるでしょう。
万が一、いっときそれでもいいサービスがあったとしても、それは会計事務所や他のお客様の首を絞める行為ですので、
長くは続きません。せっかくいい事務所でも、悪いサービスになりかねません。

 

どうやって見分けるか

とにかくお客様にとって重要なのはいい事務所を見分けるにはどうしたらいいか、です。
これはもう人を見る目を養う、か、超信頼できる人の紹介、あるいは割り切って依頼する、です。
比較しようとしても、宣伝がめちゃくちゃうまい最低な人もいれば、その逆もしかり。

そのうえで、一つポイントです。

「なぜ税理士になったのか」
「どういう税理士になっていきたいか」
「事務所をどうしていきたいか」

と聞いてみてください。そのときに間髪入れず、嘘のない目で、お客様が納得される答えを言えるかどうか、
担当者が言えるかどうかを見てみて下さい。
よく「あなた方にした場合、うちにとってなにがメリットなんですか」とプレゼンするような質問をいただくこともありますが、
これはプレゼンのうまさによります。プレゼン内容から違うサービスだったとしても訴えるなんてことはほとんどできません。
それよりは、担当者がいいやつなのかを見たほうがいいと思うのです。