”副業”といえば、
・本業が別にある人のちょっとした収入
・20万円/年を超えなければ確定申告の必要がない
・確定申告するとしても利益を載せるだけ
といったことを思い浮かべる方も多くいると思います。
近年はシェアリングエコノミーや副業のしやすさなどから、
本業や勤め先以外での収入がある(多い)方も増えてきています。
国税もこの点を看過せず、厳しい改正を加えてきています。
今回はこの副業=雑所得について、令和4年(2022年)からの要注意改正点をご紹介します。
・そもそも副業はどう取り扱うか
・雑所得の確定申告
・改正点
そもそも副業はどう取り扱うか
そもそも副業による収入や所得は、所得税の確定申告においては、雑所得に区分されます。
雑所得の判断は単純明快とはいきませんが、基本的には、
他にお勤めがある方や収入が圧倒的に多い本業がある方が行う、
それ以外の収入は雑所得だと考えてもいいと思います。
雑所得の確定申告
雑所得がある場合で確定申告する場合には、これまで基本的には雑所得の金額(利益)を記載するだけでした。
雑所得の金額は他の給与や事業の所得と合算されて、累進課税方式によって税がかかります。
なお、給与所得があって、副業収入(雑所得)などが20万円以下の方は確定申告をしなくていい
事になっています。
但し、医療費控除などで確定申告を行う場合には、その金額の多寡にかかわらず雑所得を申告します。
※厳密な判定が必要になりますので、実際には税理士や税務署にご確認ください。
また、確定申告等に際しては、その根拠となる書類の保存などは特に定められていませんでした。
改正点
この雑所得について、厳しくなる方向で改正が行われています。
①現金基準での計算
基本的には発生主義といわれる基準で計算するのが原則ですが、
雑所得については、実際に入出金があった日をもって計算してもいいことになっています。
この点について、「前々年の収入が300万円以下の人」に限られることになりました。
②収支内訳書
雑所得については上記の通り簡単な内容での確定申告ができましたが、
「前々年の収入が1,000万円超の人」は、収支内訳書を添付しないといけなくなりました。
③書類の保存義務
これまで特に義務がなかった書類の保存も義務化されました。
具体的には「前々年の収入が300万円を超える人」は、
「現金預金取引等関係書類」を5年間保存しないといけなくなりました。
※現金預金取引等関係書類とは、
居住者等が上記の業務に関して作成し、または受領した請求書、
領収書その他これらに類する書類(自己の作成したこれらの書類でその写しのあるものは、その写しを含みます。)
のうち、現金の収受もしくは払出しまたは預貯金の預入もしくは引出しに際して作成されたものをいいます。
→つまり、「入出金の根拠になる書類」です。