国税庁が公表したデータによれば、2020事務年度に納税者が国税当局に起こした訴訟のうち、
裁判所で納税者の主張が一部でも認められた割合は7.8%だったそうです。

納税者が当局の課税処分に対して異議を申し立てる方法は三段階あり、
第一段階が再調査請求、第二段階が国税不服審判所への審査請求、最後が裁判所への訴訟提起です。

7.8%という勝率を、2回はじかれても1割弱は逆転できるとみるべきか、
2回はじかれた時点であきらめたほうがよいとみるべきかは考えが分かれそうですが、
どちらにせよ裁判まで持ち込んでの全面敗訴は、精神的にも金銭的にもかなりこたえることは間違いありません。

ちなみに第一段階である再調査でも納税者の主張が認められたのは10%、次の審査請求でも10%でした。
もちろん決定が覆るかどうかはそれぞれの事案によるため、
全体の確率をもって〝勝算〟を論じられるものではありませんが、
段階にかかわらず一度下された当局の決定を覆せる確率はおおよそ1割程度と覚えておいてよいでしょう。

審査請求や訴訟を行うには、時間もかかれば手間もかかります。
その上で勝率は1割程度となれば、そもそも意に沿わぬ課税処分を受けないよう、
抜け目のない申告書を作成することだけが〝必勝テクニック〟と言えるのかもしれません。

<情報提供:エヌピー通信社>

2021年の相続税路線価の全国平均が前年比0.5%減となり、
6年ぶりに下落したことが国税庁の発表で明らかになりました。
コロナ禍の感染拡大の影響を受けて都心部のビジネス街などで価額が下がり、39の都府県で前年を下回りました。

相続税路線価は、

毎年1月1日時点での一定の範囲内の道路(路線)に面した土地を評価するもので、
国税庁が1年に1度公表しています。
国土交通省が毎年3月に発表する「公示地価」の8割程度の価額が目安とされ、
今年1月1日~12月31日に相続や贈与で受け取った土地に、今回発表された路線価をもとにした税額が適用されます

都道府県別では、

前年に価額が高騰していた東京都や大阪府など13の都府県がマイナスに転じ、39都府県で前年を下回りました。
東京都では1.1%減少し、8年ぶりに前年を割り込んでいます。
下落率が最も大きかったのは静岡県の1.6%でした。

一方で前年比高騰となったのは

7道県にとどまり、昨年に全国最大の上昇率である10.5%を記録した沖縄県も伸び率は鈍化して1.6%になりました。

都道府県庁所在地別でみると、
前年比で下落したのは22都市で、14年の21都市以来の多さとなりました。
一方、高騰したのは8都市となり13年の7都市以来の少なさです。


路線価の全国1位は

36年連続で東京・銀座5丁目の文具店「鳩居堂」前にある銀座中央通りとなりましたが、
9年ぶりに価値が下がって1平方メートルあたり4272万円となりました。


路線価は1月時点の価額を示すことから、それ以降に価値が急落したことが明らかな土地は減額補正の対象となることがあります。
昨年はコロナ禍の影響により大幅に地価が下がった大阪市の一部地域で減額補正が実施されました。
今年も大幅な地価の落ち込みがみられる場合、同様の措置がとられる可能性があります。


<情報提供:エヌピー通信社>

倒産

国税庁が2019年度分の会社標本調査の結果を公表しました。

黒字企業の割合は38.4%で10年連続の増加となっています。
しかし一方で、黒字企業の所得金額は63兆2588億円で前年度から9.3%も落ち込み、10年ぶりに減少しました。
19年度末から新型コロナウイルスの流行が始まったことが影響しているとみられ、
コロナ禍の本格的な影響が反映される来年度調査での深刻な落ち込みは避けられそうもありません。

国税庁は

毎年、国内の企業の状況を資本金階級別や業種別に調査しています。
資本金階級や業種ごとの企業の実態を明らかにすることで、
租税収入の見積もりや税制改正などの基礎資料とするためです。
最新の19年度版は、19年4月1日~20年3月31日に終了した法人の事業年度が対象となっています。

調査結果によれば

19年度の日本の法人数は275万8420社で、前年度から1万9871社増加しました。
法人数は7年連続で増加しています。

全体の法人数から連結子法人の数(1万2983社)を差し引いた274万5437社のうち、
利益計上法人は105万4080社で、欠損法人が169万1357社でした。
利益より欠損のほうが多い「赤字企業」の割合は61.6%で、前年度から0.5ポイント減っています。

<情報提供:エヌピー通信社>

国税庁は、2021年度税制改正により、税務署窓口における押印の取扱いで注意を呼びかけております。

同税制改正により、国税に関する法令に基づき税務署長等に提出される申告書等(税務関係書類)については、
2021年4月1日以降、一定の税務関係書類を除いて、押印が不要となりました。

一定の税務関係書類とは、

①担保提供関係書類及び物納手続関係書類のうち、実印の押印及び印鑑証明書の添付を求めている書類
②相続税及び贈与税の特例における添付書類のうち財産の分割の協議に関する書類をいいます。

上記①では、納税の猶予の申請や相続税の物納の申請手続きにおける、
担保提供者や保証人等の真意を確認するための書類や、
物納に充てようとする財産の所有権移転登記を嘱託する際に必要となる書類が該当します。

代理人が納税証明書の交付請求等をする際に提出を求めている本人(委任者)からの委任状等についても、
押印は不要ですが、実印の押印及び印鑑登録証明書等の添付などにより委任の事実を確認している
特定個人情報の開示請求や閲覧申請手続きについては、引き続き、委任状への押印等が必要となりますので、ご注意ください。

また国税庁は、下記について、2021年4月1日以降の手続きに際しての留意点を挙げて注意を呼びかけております。

① 押印欄のある様式も、引き続き印刷して使用できますが、
引き続き押印を求める手続きを除いて、押印欄への押印は不要であること
② 税務署窓口にて備置き又は配布している様式は、当面の間、
既に刷成済みの押印欄のある様式も使用していること
③ ホームページ掲載様式や税務署で配布する様式が押印欄のないものに更新された後でも、
過去に入手又は印刷した押印欄のある様式を使用することは問題ないこと
④ 押印が不要である税務書類については、任意で押印しても差し支えないが、
押印の有無によって効力に影響が生じるものではないこと
⑤ 振替依頼書やダイレクト納付利用届出書については、金融機関からの求めに応じ、
引き続き金融機関届出印(銀行印)の押印を求めること(e-Taxを利用して提出する場合は押印が不要)
など示しておりますので、ご確認ください。

(注意)
上記の記載内容は、令和3年6月1日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、
記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

はやらない理由は何か文化的な違いがあるのでしょうか?

 

他者が関わる犯罪について供述する引き換えに罪が軽減される「司法取引」制度が、6月で開始3年を経過しました。

脱税なども対象となることから、会社ぐるみの脱税などでの司法取引が増えることも予想されましたが、
今までに取引が行われたのは、制度スタート直後の外国公務員贈賄事件、カルロス・ゴーン氏の不正疑惑、
そして2019年に適用された都内アパレル企業の業務上横領の3件のみです。
組織犯罪や大規模な汚職事件の解明に役立つと期待された同制度ですが、その実情は振るわないものとなっています。

適用3件目となった業務上横領の判決で裁判長は、

「司法取引によって得られた情報の信用性の判断に際しては、相当慎重な姿勢で臨む必要があると考えられる。
極力、争点の判断材料としては用いない」と語りました。
自己保身のための供述にはウソが含まれやすいとの見解で、制度の意義そのものに疑問を投げ掛ける言葉でもあります。
取引で得た情報が裁判の証拠にならないものなのに司法取引が成立してしまえば、
情報提供した本人が不起訴になるだけという「やり得」になることが懸念されます。
司法取引は制度が軌道に乗れば全国の検察、そして警察へと利用範囲を拡大する予定でしたが、
現状は東京地検特捜部の3件のみにとどまっています。

<情報提供:エヌピー通信社>

取る方は調査する、取るのが仕事だからいいですが、
複雑怪奇な法律と文書で取られる側の納税者にとっては納得いきにくいところもあると思います。

滋賀県湖南市は過去40年以上にわたって市内の納税者から固定資産税を過大に徴収していたことを明らかにしました。

過大額は数百万円に上るとみられますが、法令上、還付加算金を加えて返還されるのは直近10年分に限られます
こうした過大徴収は全国で発生しています。

市税務課によると、

過大徴収が行われていたのは1978年に建築された住宅。
誤って土地が住宅用地と認定されないまま、税の優遇を適用せずに42年間にわたり課税していました。
市は、住居と土地の課税担当者の間で連絡が取れていなかった可能性があるとしています。

所有者が今年3月に市に問い合わせて判明しました。
法令により、直近10年間の過大分67万円は返還されますが、それ以前の分は返還されないそうです。

自治体による過徴収は、

14年に発覚した埼玉県新座市の事例で有名になりました。
新座市では老夫婦から27年間にわたって本来の2倍超の固定資産税を徴収した結果、
税金の滞納によって自宅を差し押さえられ、全国に大きな波紋を広げました。

問題を重くみた総務省が全国の自治体に注意と再確認を呼び掛けた結果、
全国の自治体で徴収ミスが相次いで判明しました。
しかしそれ以降も、長年にわたる過大徴収が新たに見つかり続けている状況です。

<情報提供:エヌピー通信社>

◆源泉徴収は国の仕事の押し付けでないか?

所得税法では、給与の支払者が給与支払時に源泉所得税を天引きし、
翌月10日までに国に納付しなければならないと規定されています。
“これって国のやるべき仕事を給与支払者に押し付けているのでは?”と疑問に思ったことはありませんか?

源泉徴収制度は事前に税収を確保できる国にとって便利な制度です。
滞納の未然防止や納税の簡易化、納税者の捕捉などにも資するものです。
とはいえ、給与支払者にとっては手間も時間もかかる余計な仕事である上に、
申告や納税が遅れるとペナルティ(=不納付加算税など)も大きい嫌な制度です。 

◆手間の掛かる源泉徴収義務は憲法違反か?

給与支払者に源泉徴収義務を課すのは憲法違反だとする源泉徴収制度の合憲性が争われた事件がありました。
原告側の主張は、源泉徴収制度は憲法14条1項(法の下の平等)、
18条(その意に反する苦役に服させられない)、29条1項3項(財産権の侵害)に違反すると訴えたのです。

しかしながら、昭和37年2月28日の最高裁の判決で、
「給与所得者に対する所得税の源泉徴収制度は、これによって国は税収を確保し、
徴税手続を簡便にしてその費用と労力とを節約し得るのみならず、
担税者の側においても、申告、納付等に関する煩雑な事務から免がれることができる。
また徴収義務者にしても、給与の支払いをなす際所得税を天引きしその翌月10日までにこれを国に納付すればよいのであるから、
利するところは全くなしとはいえない。」として訴えは退けられました。

◆現行の源泉徴収制度は三方よしの手法

最高裁の棄却理由として、
①国の簡便手続での税収確保、
②従業員は確定申告不要となる、
③給与支払者の資金的利便の3つを理由としました。
そして、「されば源泉徴収制度は、給与所得者に対する所得税の徴収方法として能率的であり、
合理的であって、公共の福祉の要請にこたえるものといわなければならない。」として、合憲としました。

以後に争われた源泉徴収制度の合憲性事件でも、この昭和37年最高裁判決が引用されて今日に至っています。

◆日本商工会議所アンケートより

昨年8月に日本商工会議所が全国会員企業14,221件を対象に行った
「事業承継と事業再編・統合の実態に関するアンケート」(回答4,140件)により、
事業承継について次のように実態がまとまりました。

事業承継を軸にコロナ禍の影響がどう出ているのか尋ねる内容となりました。

会員企業の後継者の決定状況は「経営者年齢が60歳以上の企業」で約半数が決定済みの一方、後継者不在の企業が2割を占めています。
同族経営が8割と多数を占めるものの中小企業で親族外承継も徐々に増加しており、2000年代は約1割、2010年以降では約2割となりました。

この調査では、事業承継の時期について、
コロナ禍の影響で売上げが減少している企業ほど事業承継予定時期を後ろ倒しにする傾向があることがわかりました。
また、経営者の在任期間別の利益状況を見ると「社長就任後10年未満の企業」の6割の企業がコロナ禍においても直近期黒字の一方で、
「社長就任後30年以上の企業」はコロナ禍を受けて赤字を見込む割合が大きく、
事業承継によって経営を活性化している企業がコロナ禍においても業績を上げている傾向があることがわかります。

◆事業承継の問題点

事業承継の問題点は「後継者への株の譲渡」が最も多く3割を占めています。
課題・障害は「譲渡側は譲渡の際の相続税、贈与税が高い、後継者側は買取資金がない」
と税制面と資金面問題で6割~7割を占めています。

◆事業再編・統合(M&A)

M&Aにおいては「過去に買収を実施・検討した企業」は約15%、
それを「売上高10億円超の企業」に絞ると「買収を実施・検討した企業」は約4割を占めています。

買収先は後継者難が深刻化している小規模企業(従業員20名以下)が約7割を占めており、
M&Aが後継者不在企業の事業継続の受け皿となっていることがわかります。
買収目的は「売上・市場の拡大」7割、「事業エリアの拡大」4割が多く、目的、
期待効果の達成度も約半数が「達した」とする等、中小企業の事業拡大にM&Aが功を奏していることがうかがえます。

負債1千万円未満の企業倒産は、

2020年度は前年度比20%増の616件に上り、00年度以降で最多だったことが東京商工リサーチのまとめで明らかになりました。
コロナ禍で業績改善の遅れが目立つ中小・零細企業の厳しい実態が浮き彫りになりました。
これまで最も多かった09年度の566件を上回っています。600件を超えたのも初めてのことです。

産業別では

飲食業を含む「サービス業他」が302件(35.4%増)と最多で、全体のほぼ半数を占めました。
酒場、ビヤホール、食堂、レストランなどの倒産が目立ちます。
次いで「建設業」90件(9.8%増)、「小売業」60件(17.8%減)、「卸売業」55件(41%増)――の順でした。

形態別では、

破産が597件(19.6%増)を占めました。
原因別で最多だったのは「販売不振」の456件(26.3%増)で、全体に占める構成比は74%で前年度よりも3.7ポイント上昇しました。
「他社倒産の余波」が2番目に多く54件(6.8%減)でした。
また「事業上の失敗」が30 件(9%減)ありました。
東商リサーチは「コロナ禍で厳しい経営環境が続き、事業基盤の構築途上で業績低迷から抜け出せなかった企業が多かったようだ」とみています。

資本金別に見ると、

1千万円未満(個人企業他を含む)が572件(19.4%増)に上り、全体の92.8%を占めました。
1千万円以上5千万円未満が43件(26.4%増)、5千万円以上1億円未満が1件(前年度は0件)あり、1億円以上は2年連続で発生しませんでした。

コロナショック以降、国や自治体、金融機関による資金繰り支援は1年を経過しました。
なおも収束を見通せない中、業績回復の遅れた企業は過剰債務を抱え、体力を消耗しています。
過剰債務を解消する施策とともに、企業に寄り添った支援が求められています。

<情報提供:エヌピー通信社>

倒産

写真付きの本人確認書類として使えるマイナンバーカードの3月の申請件数が、過去最高となったことが分かりました。
菅義偉首相が明らかにしたものです。
保険証として使える仕組みの試験運用が始まったことなど徐々に利用範囲が広がっていることに加え、
取得者に最大5千円分のポイントを還元する「マイナポイント」制度が取得を後押ししているとみられます。

経済財政諮問会議で菅首相は、
「基本的なインフラであるマイナンバーカードは、3月に過去最高の約700万人の交付申請があった」と満足気に報告しました。

2016年にスタートしたマイナンバー制度ですが、申請に基づくカードの取得率は長くにわたり低迷し、
普及率は2割未満にとどまってきました。
そこで行政手続きのデジタル化を主要課題に挙げる菅政権は、カードの2年以内のほぼ全国民への普及を目標に掲げると、
未取得者に対する申請書を郵送するなど、普及への手を打ち続けています。

そのなかでも効果を奏したとみられるのが、
カード所有者がキャッシュレス決済を行うと最大5千円分のポイントが還元される「マイナポイント」事業です。
昨年9月にスタートしましたが、申請期限の3月(最終的に期限は1カ月延長)が近づくにつれ、
カードの申請数が急増しました。3月の交付枚数は過去最高の254万枚で、普及率は28.3%まで増加。
さらに菅首相のいうとおり申請ベースの700万人分がすべて交付されると、普及率は36%まで上がります。

<情報提供:エヌピー通信社>