過少申告や無申告があった場合には、延滞税の他に各種加算税が課されます。
加算税は義務違反に対する行政上の制裁として課される行政罰の一種です。加算税には下記のものがあります

◆過少申告加算税

期限内申告が行われた後に修正申告又は増額更正がなされた場合に課されます。
原則として増差税額の10%(期限内申告税額相当額又は50万円のいずれか多い金額を超える部分は15%)の金額です。

ただし、正当な理由がある場合や調査通知「前」に更正がされることを予知しないで修正申告をした場合は課されません。

調査通知「後」であっても更正がされることを予知しないで修正申告をした場合は5%(期限内申告税額相当額又は50万円のいずれか多い金額を超える部分は10%)となります

◆無申告加算税

期限内申告が行われず期限後申告又は決定がなされた場合等に課されます。

原則として増差税額の15%(50万円を超える部分は20%)の金額です。過去5年内に無申告加算税又は重加算税が課されたことがある場合には更に10%加算されます。

ただし、正当な理由がある場合等は課されません。
調査通知「前」に決定又は更正を予知しないで期限後申告等をした場合は5%となり、調査通知「後」に決定等を予知しないで期限後申告等をした場合は10%(50万円を超える部分は15%)となります

◆不納付加算税

源泉徴収等による国税が法定納期限までに完納されなかった場合に課されます。

原則として完納されなかった額の10%です。正当な理由がある場合等は課されません。納税の告知を予知しないで納付をした場合は5%となります。

◆重加算税

上記加算税が課される場合において、
国税の計算の基礎となる事実を「隠蔽又は仮装」したところに基づき納税申告書を提出したときに、上記加算税に代えて課されます
過少申告・不納付加算税に代える場合は35%、無申告加算税に代える場合は40%です。
過去5年内に無申告加算税又は重加算税が課されたことがある場合には更に10%加算されます。

2018年度版査察白書によりますと、2018年度中に一審判決が言い渡された122件の100%に有罪判決が出され、
そのうち7人に対して執行猶予がつかない実刑判決が言い渡されました。

また、すでに着手した査察事案について、同年度中に告発の可否を最終的に判断(処理)した件数は182件で、
このうち検察庁に告発した件数は66.5%(告発率)にあたる121件となりました。

査察(いわゆるマルサ)とは、

大口・悪質な脱税をしている疑いのある者に対し、犯罪捜査に準じた方法で行われる特別な調査をいい、
調査にあたる国税査察官には、裁判官の発する許可状を受けて事務所などの捜査をしたり、帳簿などの証拠物件を差し押さえたりする強制捜査を行う権限が与えられます。

この査察調査は、

単に免れた税金や重加算税などを納めさせるだけでなく、検察への告発を通じて刑罰を科すことを目的としております。
刑罰とは懲役や罰金をいいますが、これまで実刑判決はなく、執行猶予と罰金刑で済んでいましたが、
懲りない面々に対し、1980年に初めて実刑判決が出されて以降は、毎年実刑判決が言い渡されております

実刑判決で最も重いものとして、

査察事件単独に係るものが懲役4年6ヵ月、他の犯罪と併合されたものが懲役7年でした。

A社は、美容関連製品の輸出販売を行い、架空の国内仕入(課税取引)及び架空の輸出売上(免税取引)を計上する方法により、
不正に多額の消費税の還付を受けており、同社の代表者Bは、消費税法及び地方税法違反の罪で、懲役4年6ヵ月の実刑判決を受けました。

1件あたりの犯則税額は6,100万円でしたが、平均の懲役月数は14.3ヵ月、罰金額は1,400万円となりました。

査察の対象選定は、

脱税額1億円が目安とされ、脱税額や悪質度合いの大きさが実刑判決につながるといわれております。

そして査察で告発されますと、社会的信用を失うだけでなく巨額な罰金刑や実刑判決もありえますので、ご注意ください。

なお、刑罰は10年以下の懲役に、罰金は1,000万円(脱税額が1,000万円を超える場合は、脱税相当額)以下となっております。

(注意)
 上記の記載内容は、令和元年11月8日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

 

 

 

会計検査院が廃業した個人事業主の確定申告をサンプル調査した結果、4割弱で消費税の課税漏れがあった可能性があることが発覚しました。

消費税は、広く国民全体から徴収できる仕組みであることから、「社会保障制度を安定させて財政再建を進めるには適切な増税対象」とされてきました。
しかし正しい徴収ができていない実態が浮上し、財務省幹部は「税率を10%に引き上げたばかりのタイミングでの判明は、間が悪すぎる」と頭を抱えています。

個人事業主向けの制度では、

業務で使う自動車や不動産の購入、商品の仕入れなどの際に支払った消費税について、事業を続ける限りは控除されることになっています。
ただし廃業すれば、こうした資産が私用に転用されたと位置づけられ、資産価値などに応じて改めて申告することが義務付けられています。

検査院が2015~17年に廃業した約800事業主を抽出し、廃業後の確定申告書などを調べたところ、
約300の事業主について廃業時に保有していた計100万円以上の資産を申告しなかった形跡が見つかり、
その総額は計11億8千万円に上りました。

約2千万円相当の自宅兼事務所のマンションを廃業後の申告で保有資産として記載していなかったケースなどがありましたが、
未申告の品目は車や不動産といった高額なものだけでなく、冷蔵庫やエアコンのような家電も含まれていたそうです。

会計検査院は「チェック作業が緩い」と分析し、確定申告で提出された書類の確認を徹底するよう国税庁に要求。
国税庁はホームページや書類などで、廃業する個人事業主に対して制度を再度周知する取り組みを始めました。
別の財務省幹部は「いずれ10%超に引き上げる議論が出てくる。

国民の反発が高まる要素は少しでも排除し、地ならしを進めていきたい」と話します。

<情報提供:エヌピー通信社>

◆パワハラ防止法とは?

いわゆるパワハラ防止法、「労働施策総合推進法」が2019年5月29日に成立し、大企業には2020年春にも施行される見込み(中小企業は2022年)となりました。
「雇用管理上の措置」として、事業主にパワハラ防止措置が義務づけられます。
罰則はありませんが、企業名が公表されるリスクがあり、対応が求められます。

◆「パワハラ」の定義

パワハラとは「職場において行われる優越的な関係を背景とした言動であって、
業務上必要かつ相当な範囲を超えたものによりその雇用する労働者の就業環境が害されること」と、はじめて法的に定義されました(労働施策総合推進法第30条の2)。

なお、優越的な関係とは、上司部下の関係だけでなく、例えば、業務経験が長い部下の新しい上司に対する悪質な言動なども、パワハラに該当する可能性があります。

◆事業主や労働者に求められること

パワハラに対する事業主と労働者の責務が明確化され、事業主には「研修の実施その他の必要な配慮」、
労働者には「パワハラへの理解を深め、他の労働者への言動に注意する努力義務」が課されることになりました(同法第30条の3)。

つまり、事業主はパワハラに関する研修を実施し、雇用する労働者にパワハラ防止教育を行うことが必要となります。
その他、相談窓口の設置や周知、就業規則の変更なども必要になります。

◆準備はお早目に

今回、パワハラ事案も都道府県労働局による調停の対象に加わりました。

労働者の申告を恐れて、業務上必要な指導ができなくなれば、企業活動に影響を与えます。
指導をパワハラと誤解されないためにも、日頃から指導記録を残すなどの対策が望まれます。 

パワハラ防止法への対応について、早めに準備に着手されることをお勧めします。

中小企業が消費増税分を価格に転嫁できるかどうかが懸念されています。

公正取引委員会は9月18日、消費税が10月以降に適正に転嫁されているか確かめるため、630万の中小事業者などを対象に書面調査を行う方針を示しました。

消費増税が実施されると、原材料費も仕入れ価格も上がることになり、最終的には店頭価格も値上げされます。
店頭価格が上がると客離れを招くおそれがあるため、店頭価格を据え置きにし、
納入業者との取引にも増税分の上乗せを認めないという動きが起きります。

中小業者は立場が弱いため、買いたたき要請を飲まざるを得ないケースが多くなると見られています。
買い手側が納入業者に対して、消費税分を転嫁した価格で契約していたのに消費税分を支払わなかったり、
値下げを強要したりするケースが発生するおそれもあります。

8%への増税直前の2013年10月から今年5月末までに公取委や中小企業庁が着手した転嫁拒否に対する調査件数は1万1397件で、
そのうち何らかの違反があったとして指導・勧告・措置を受けた企業は4815社ありました。
今回の増税によってさらなる転嫁拒否が発生することが予想されます。

公取委は調査を通じて把握した転嫁拒否行為に対しては、消費税転嫁対策特別措置法に基づいて迅速かつ厳正に対処する方針です。

<情報提供:エヌピー通信社>

◆東京・神奈川は時給1,000円超に

毎年10月は、地域(都道府県)別最低賃金の改定月です。
今回は、令和初の改定となりますが、東京都(1,013円)と神奈川県(1,011円)の最低賃金は、はじめて時給1,000円台に突入します。

一方、前回単独最下位だった鹿児島県は今回他県より改定幅を大きくしたため、佐賀県や長崎県などと同額の790円となり、単独最下位(今回15県)を脱出します。

◆全国平均も時給900円超に

以前から、地域別最低賃金は全国平均(47都道府県の加重平均)1,000円を目指すと言われていましたが、
今回の改定で全国平均は901円と、はじめて900円を超えました。

近年の上昇ペースが今後も続けば、あと4~5年で全国平均も1,000円台に突入することになりそうです

◆採用時以外でも最低賃金の確認を

パートやアルバイトを募集する際、最低賃金を確認して求人を出していると思いますが、
既に雇用しているパートやアルバイトの時給が最低賃金スレスレだった場合の昇給モレや、
月給制の場合に所定労働時間から換算した時給が最低賃金を下回っていることなどを見逃すケースがあります。

◆最低賃金法違反の罰則は重い

最低賃金法違反の罰則は、最低賃金を下回った場合は50万円以下の罰金
事業場での周知が行われていない場合は30万円以下の罰金、最低賃金違反を申告した労働者に対して解雇などの不利益な取り扱いをした場合は
6か月以下の懲役または30万円以下の罰金など、軽いものではありません。

◆産業別の特定最低賃金

地域別最低賃金の他、産業別の特定最低賃金も都道府県ごとに定められており、
適用業種の特定最低賃金が地域別最低賃金を上回る場合、特定最低賃金が適用されるので、適用業種に該当する会社は注意が必要です。

海外の銀行口座に保有する資産を「国外財産調書」で届け出なかったとして、
京都市で家具輸入販売会社を営む社長が大阪国税局に告発されたことが分かりました。
国外財産調書制度が導入された2014年以来、調書の不提出による摘発は全国で初となります

告発された社長は、

15年1月~17年12月の間に、タイ在住の知人の口座に売上を入金したり、知人名義で家具業者と業務契約を結んだりして、
約2億1500万円の所得を申告していませんでした

さらに売上の一部を入金していた香港の自身名義の口座に約7300万円をプールしていたにもかかわらず、義務付けられている国外財産調書を提出しませんでした
大阪国税局は社長が故意に調書を提出しなかったとして、所得税法違反および国外送金等調書法違反罪で京都地検に告発しました。
重加算税などを含む追徴税額は約1億1千万円に上る見通しで、すでに大半を納付したそうです。

国外財産調書は、

富裕層の持つ海外資産の把握と適正な課税を目的として、合計5千万円超の資産を海外に有している人に提出が義務付けられています。
国税庁がまとめた17年分の提出状況によると、調書の提出件数は9551件で前年より4.9%増加し、総財産額は3兆6662億円でした。

制度がスタートしたのは13年ですが、

提出数は伸び悩んだことから15年1月に正当な理由のない未提出、虚偽記載に対する罰則規定を導入し、それ以降は微増傾向を続けています。
17年のデータでは、国外財産調書を提出していなかったことで加重されたケースは194件あり、51億1095万円の加算税が上乗せされました。
同制度では、逆に調書提出後に記載財産について申告漏れがあった時には加算税が軽減される措置もあり、これまでに加算税が軽減されたケースは168件、金額にして45億7467万円ありました。

国税当局は近年になり、富裕層が海外に持つ資産に対する監視を強めていて、今回の調書未提出による初摘発もその流れをくんだものと言えるでしょう。
調書の提出件数は年々増えてはいるものの、未提出者はまだ相当数いるとみられています。


<情報提供:エヌピー通信社>
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品川区五反田で、中小企業のパートナーとして、未来を共に描くことを使命としている税理士。
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※一般的な内容を記載しております。実際の申告に際しては税理士にお尋ねください。

この事件の報道を聞いて私が驚くのは、

決算書の正確性をなにより大切にすべき銀行員が、決算書の数値は自分が望むように操作できると思っているという決算書に対する認識の甘さです。

この不正に関わっていた個々の職員がどのような心の葛藤があったのかは分かりません。
周りがやっているからということで何の迷いもなく決算書の改竄に手を染めたのか、
あるいは上司に言われ、不本意ながら本当にやむを得ず、断腸の思いで不正に加担してしまったのか。
もし前者だとしたら、銀行員の決算書に対する意識の低さに唖然としますし、彼らに対して改めて会計の倫理教育の徹底が必要となります。
もし後者だとしたら、個人の正義感をも押し殺してしまう、組織と個人のあり方を問い直さなければなりません。

現在、AI(人工知能)が取って代わることのできる職務は何かということが雑誌などで盛んに特集されています。

銀行の融資業務もAIで代替できる業務の一つとして取り上げられていますが、
銀行のメイン業務である融資がAIに代わることの抵抗感は銀行及び銀行員の間では根強いはずです。

融資がAIには代替できない理由の一つは、

AIでは機械的な冷たい融資判断となるが、人間であれば、決算書の数値の行間を読んだ、柔軟な融資判断ができるという点にあります。
しかし、柔軟な融資判断に、粉飾による不正な融資までも含まれてしまうとすれば、AIに冷徹に融資判断してもらった方がいいと言われても反論はできないでしょう。

今回の不正事件は銀行員のレーゾンデートル(存在意義)を揺るがす重大事件であるとの認識を銀行員は持たなければならないと思います。(了)


(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)

スルガ銀行における書類の改竄による不正融資事件が大きな社会問題になっています。

銀行員の書類改竄といえば、少し前には商工中金による決算書の改竄事件が話題になりました。
私は決算書の正確性を何よりも重んじるべき銀行員が決算書の改竄に手を染めたことに驚くと同時に、
これはこれからの銀行融資に思ったより打撃を与えるのではないかという思いを持ちました。
そこで、本稿では商工中金事件を題材に銀行員と決算書の関係を考えます。

銀行員が企業融資の可否を判断する最も重要な資料は決算書となります。

ですから、銀行員にとって決算書は重要であり、決算書の不正は許せないものであるはずです。
上場企業の決算書は会計監査人の監査を得て、一応の正確性の外的担保はなされていますが、
非上場企業の決算書にはそうした外的担保がないため、銀行員は経営者に適正な決算書の提出を強く求めます。
にもかかわらず、その銀行員が決算書の不正に手を染めていたのでは、経営者に適正な決算書を作成してくれとはいえなくなります

これまでの銀行における粉飾とは、

そのままではとても融資ができないような内容の悪い会社の決算書の数値を良い方向に改竄し、不正に融資を引き出すというものでした。
今回は逆に売上高や利益を悪い方向に操作して、公的な資金を引き出しています。
通常の粉飾とは逆方向だから、許されるという性質のものではありません。
どちらも決算書の数値を自分の都合のいいように恣意的に操作して不正に資金を獲得していることには変わらないのですから。(つづく)



(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)

6月に入場券不正転売禁止法が施行されました。

これはインターネットでのダフ屋行為(売り出された時より高い価格で転売)を禁止したもので、
違反した場合は1年以下の懲役や100万円以下の罰金が科されるというものです。

これまでも、路上など、公共の場でのダフ屋行為は、都道府県の迷惑防止条例で禁じられていましたが、
インターネットは公共の場とは解釈されないので、規制がありませんでした。

2020年には東京オリンピックが開催されることもあり、転売対策は喫緊の課題となっています。
というのも、2016年のリオデジャネイロオリンピックではチケットの販売率が87%だったにもかかわらず、多くの競技会場で空席が目立ちました。
これは、転売を目的とする業者がチケットを大量購入し高額で転売したためです。
値が吊り上がったことで、一般の人は手を出しづらくなり、結局、チケットを売りつくすことができませんでした。
その結果、売れ残りにより空席が生じました。


オリンピックだけではありません。

今秋、日本ではラグビーのワールドカップが開催されます。
人気の対戦、ニュージーランド対南アフリカは、定価では4万円なのに、ある転売サイトにて約11万円で販売されたこともあります。
このほかにも、人気のロックグループのコンサートや野球などのスポーツ観戦といった人気のチケットがネット上で高額で取引されています。

転売は、観戦希望者が適正価格で観戦できないばかりか、空席が目立てば、イベントに対するイメージの悪化にもつながります。
転売はイベントに参加する側だけでなく、開催者にとっても頭の痛い問題です。こうした背景から、入場券不正転売禁止法が生まれ、今後、不正な転売の撲滅が期待されます。(つづく)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)

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※一般的な内容を記載しております。実際の申告に際しては税理士にお尋ねください。