輸入品に対する関税や消費税に関する犯則事件の、
脱税額の8割が金地金の密輸で占められていることが分かりました。
昨年から罰則が強化されたことで金密輸は減少傾向にありますが、
依然として密輸による闇ビジネスの主役である状況に変わりはないようです。

財務省の調査によると、昨年7月~今年6月の1年間の処分(検察官への告発または税関長による通告処分)は、
告発9件(前年12件)、通告262件(同524件)の計271件。
全体の件数としては前年から49%減少しました。脱税額は、総額で4億5180万円でした。

特筆すべきは処分した事件のうち金地金の密輸事件が199件、
脱税額は約3億6千万円と、処分件数では約7割、脱税額では約8割を占めている点です。

金を国内に持ち込む際には消費税分を納めなければいけませんが、
密輸すれば税関を通らないため、持ち込んだ金を国内で売却すれば消費税分がまるまる儲けになります。
近年、金密輸を利用した脱税は著しい増加傾向にありましたが、
コロナ禍による旅客の急減に加えて、昨年から罰金が引き上げられるなど厳罰化されたことなどで件数は減少に転じています。
それでも全体の8割を占める現状からは、金密輸による脱税の旨味がどれほど大きいものかを物語っていると言えそうです。

<情報提供:エヌピー通信社>

 

2019年度査察白書によりますと、

2019年度中に一審判決が言い渡された124件の100%に有罪判決が出され、
うち5人に対し執行猶予がつかない実刑判決が言い渡されました。
実刑判決で最も重いものは、査察事件単独に係るものが懲役10ヵ月、他の犯罪と併合されたものが懲役9年でした。

事例では

A社はプロセッサ開発・製造・販売等を行うもの会社ですが、
架空の外注費を計上するなどの方法により所得を隠し、多額の法人税及び消費税を免れておりました。
同社の元代表者Bは、詐欺罪との併合事件として、法人税法、消費税法及び地方税法違反の罪で、懲役5年の実刑判決を受けております。
一審判決があった124件の1件当たり平均の犯則税額は4,700万円、懲役月数は15.5ヵ月、罰金額は1,200万円となりました。

査察の対象選定は、

脱税額1億円が目安といわれ、また、脱税額や悪質度合いの大きさが実刑判決につながります。
査察で告発されますと、社会的信用を失うだけでなく、巨額な罰金刑や実刑判決の可能性も十分にあります

ちなみに、

刑罰は10年以下の懲役に、罰金は1,000万円(脱税額が1,000万円を超える場合は、脱税相当額)以下となっております。

いわゆるマルサといわれる査察は、大口・悪質な脱税をしている疑いのある者に対し、犯罪捜査に準じた方法で行われる特別な調査をいいます。

そして、調査にあたる国税査察官には、
裁判官の発する許可状を受けて事務所などの捜査や帳簿などの証拠物件を差し押さえたりする強制捜査を行う権限が与えられます。

この査察調査は

単に免れた税金や重加算税などを納めさせるだけでなく、検察への告発を通じて刑罰を科すことを目的としております。
1980年に初めて実刑判決が出されて以降は、毎年実刑判決が言い渡されております。

すでに着手した査察事案について、同年度中に告発の可否を最終的に判断(処理)した件数は165件で、
このうち検察庁に告発した件数は70.3%(告発率)にあたる116件あったことからも、
査察の対象になると、約7割程度が実刑判決を含む刑事罰の対象となりました。

(注意)
 上記の記載内容は、令和2年9月7日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、
記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

がん免疫治療薬「オプジーボ」の開発につながる研究で

ノーベル医学生理学賞を受けた本庶佑京都大特別教授が、
2018年までの4年間で、特許料の使用対価である22億円の申告漏れがあったことを
大阪国税局から指摘されていたことが分かりました。
追徴税額は過少申告加算税を含め約7億円で、重加算税は課されなかったとみられています。

本庶氏は

小野薬品と特許に関する契約を過去に締結。
オプジーボの販売額の一部を特許の使用対価として受け取る予定でした。
しかし本庶氏が望む対価を受け取れないなど契約に納得できない点があるとして、対価を受け取りませんでした。
そこで小野薬品は、対価を法務局に供託していました。

国税当局はこの供託金について、

実際に受け取っていなくても本庶氏の所得に当たると判断し、未申告だったため追徴課税の処分を下しました。
ただ、税金のペナルティーとして重い「重加算税」の対象とはしませんでした。
重加算税は隠蔽や仮装によって故意に税逃れをした納税者に課されるもので、
本庶氏は見解の違いで申告しなかっただけで、重加算税の対象となる意図的な所得隠しには当たらないと判断されました。

<情報提供:エヌピー通信社>

国税庁は、2019年度査察白書を公表しました。

それによりますと、同年度に査察で摘発した脱税総額は前年度を4.4%下回る約120億円で、
全国の国税局が査察に着手した件数は150件となり、前年度(166件)を下回りました。
継続事案を含む165件(前年度182件)を処理(検察庁への告発の可否を最終的に判断)し、
そのうち70.3%(同66.5%)に当たる116件(同121件)を検察庁に告発しました。

2019年度は、

消費税の輸出免税制度を利用した消費税受還付事案(11件告発)や
自己の所得を秘匿し申告を行わない無申告ほ脱事案(27件告発)などに積極的に取り組み、
無申告ほ脱事案は過去5年間で最多となりました。

近年、査察における大型事案は減少傾向にあり、2019年度の脱税総額119億8,500万円は、
ピークの1988年度(約714億円)の約17%にまで減少し、1件当たり平均の脱税額は7,300万円となりました。
告発分の脱税総額は前年度を17.0%下回る92億7,600万円となり、
統計が残る1972年度以降、過去最少となり、1件当たり平均の脱税額は8,000万円となりました。

告発分を税目別にみてみますと、

「法人税」が前年度から9件増の64件で全体の約55%を、脱税総額でも約56億円で約61%をそれぞれ占めました。
「所得税」は同3件増の17件(脱税総額約16億円)、「消費税」は同9件減の32件(同約20億円)、
「源泉所得税」は同7件減の3件(同約0.6億円)、「相続税」は0件(前年度1件)となりました。

告発件数の多かった業種は、

「建設業」(前年度28件)と「不動産業」(同14件)がともに19件で最多となり、
次いで「人材派遣」が10件(同5件)となりました。
 なお、2019年度の査察では、国際事案を25件告発したほか、近年、
投資用不動産販売やインターネット広告関連など、
市場が拡大する分野や時流に即した脱税事案等、社会的波及効果が高いと見込まれる事案に対しても積極的に取り組んでおります。

いわゆるマルサと呼ばれる査察は、脱税でも特に大口・悪質なものが強制調査され、検察当局に告発されて刑事罰の対象となります。

(注意)
 上記の記載内容は、令和2年9月1日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、
記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

2019年度末の国税の滞納残高は前年度から6.9%減の7554億円で、
年度末残高が最も多かった1998年度と比べると2兆円以上の減少となっていることが国税庁の発表で分かりました。
99年度以降、21年連続で減少していることになります。

2019年度に新規で発生した滞納額は5528億円で、過去最悪だった1992年の1兆8903億円から70.8%減っています。
また、新規発生額を上回るペースで滞納額の徴収が行われていることも残高を減らす要因となりました。
新規発生額5528億円に対し、国税に滞納額を徴収された総額は6091億円でした。
国税庁によると、集中電話催告センター室が集中的に電話で催告したことが効率的な滞納整理につながったとみています。

19年度に発生した滞納を税目別にみると、消費税が3202億円で全体の6割を占めます。
続いて所得税が1249億円(源泉所得税310億円、申告所得税939億円)、法人税765億円、相続税275億円でした。

また、申告納税額と新規滞納額を比べた滞納割合は過去最少の0.9%でした。10 年前の09年度(1.8%)と比べると半減しています。

<情報提供:エヌピー通信社>

国税不服審判所は、

同所HP上にある「公表裁決事例要旨」及び「公表裁決事例」に2019年7月から9月分の裁決事例を公表しました。
それによりますと、今回公表された裁決事例は、
12事例(国税通則法関係1件、所得税法関係4件、相続税関係3件、消費税法関係1件、国税徴収法関係3件)で、
そのうち8事例において納税者の主張が認められ、全部又は一部が取り消されました。

所得税法関係では、

請求人らが賃貸の用に供していた土地の上に存する当該土地の賃借人所有の建物収去のための請求人らの支出は、
客観的にみて、請求人らの不動産所得を生ずべき業務と直接関係し、かつ、業務の遂行上必要なものであったといえるから、
不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することができるとして、
所得税等の更正処分並びに過少申告加算税の賦課決定処分を全部取消した事例があります。

まず、原処分庁は、請求人らが賃貸していた土地は、

賃貸借契約により請求人らの事業の用に供されていない資産であると主張しました。
そのため、本件土地の上に存する本件土地賃借人所有の各建物を収去するため請求人らが支出した費用は、
所得税法第45条(家事関連費等の必要経費不算入等)第1項の家事上の経費に該当し、
不動産所得の金額の計算上必要経費に算入できない旨主張しました。

しかし、裁決は、

請求人らは、一連の法的手続きを執ることにより賃料を支払わない賃借人から本件土地の明渡しを受け、
それと並行して新たな賃借人への貸付けに取り掛かり、
本件土地を賃貸業務以外の用途に転用したことをうかがわせる事情も認められないことから、
本件土地の貸付けに係る業務は、賃貸借契約終了後、本件各建物の収去に至るまで継続していたと指摘しました。

さらに、賃借人は無資力であり、建物撤去費用を支出の時点で、請求又は事後的に求償しても、
およそ回収が見込めない状況にあり、客観的にみても、建物収去費用は、
請求人らが自ら負担するほかなかったとし、本件建物収去費用の支出は、
請求人らの不動産所得を生ずべき業務と直接関係し、かつ、業務の遂行上必要なものといえることから、
不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することができるとしました。

(注意)
上記の記載内容は、令和2年8月3日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、
記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

大阪市に土地を所有する個人11人と法人2社が、
市の計算ミスによって20年間にわたり固定資産税を過大に徴収されたとして、
総額約1億円の損害賠償を求めて大阪地裁に訴えました。

土地の上に建物を建てる際の制限となる「容積率」
を巡る減額補正が正確に適用されていなかったことが過大徴収の理由だそうです。

大阪市は6月にも、過去の固定資産税の過大徴収を巡り総額70億円超の還付を決定したばかりで、
ずさんな計算による課税の実態がここにきて次々と露呈しています。

容積率とは、

土地の面積に対して建てられる建物の延べ床面積の割合のこと。
都市計画によって地域ごとに上限が定められ、例えば住宅街などでは大きすぎるビルは建てられないようになっています。

一つの土地に異なる容積率が混在する場合、

原則として固定資産税では上限が高いほうの容積率に即した路線価を基に税額を計算しますが、
実際に建物を建てる場合には低いほうの上限も考慮しなければならないため、利用価値と評価額がかい離する恐れがあります。
そのため大阪市では、土地の実態に応じて固定資産税の評価額を最大で3割超減額できる特例を定めていました。

しかし「新御堂筋」や「長居公園通」といった幹線道路沿いにある原告らの土地では、

過去少なくとも20年にわたって特例が適用されず、過大な固定資産税や都市計画税を徴収されていたそうです。
土地所有者の顧問である税理士法人の調査によって明らかになりました。

所有者らが2018年以降に市に申し出たところ、市は地方税法に定める還付の時効である5年に従い、
過去5年の過大徴収分を返還したそうですが、所有者らは、市が調査を怠っていたことが原因であるとして、
国家賠償法の時効である20年分、約1億円の返還を求めて今回の訴訟に踏み切りました。

<情報提供:エヌピー通信社>

 

熊本国税局は

7月、主査級の50代男性職員が相続財産や贈与財産の一部を申告せずに税負担を免れたとして、
同職員を懲戒免職にしたと発表しました。
国家公務員法で定める信用失墜行為に当たると判断したものです。

同局によれば、

男性は2017年に相続税の申告をした際に、預貯金や株式の一部を相続財産として申告せず
自身と親族にかかる相続税計約2380万円の負担を免れていました
また15年には親族から現金の贈与を受けていたにもかかわらず申告せず、贈与税406万円を免れていたそうです。
18年7月に税務調査を受けることになり、職場の上司に報告して発覚。その後、追徴税額を含めて納付したとのことです。

男性は「認識不足で適正な申告に至らず、申し訳ない」と話しています。
これに対して同局は「意図的な脱税だったかはいえない」とコメントしています。
重加算税が課されたかどうかは明らかにしていません。
同局は「税務行政に関わる公務員としてあるまじき行為。国民の皆様方の信頼を損なうこととなり、深くお詫びします」と謝罪しました。

<情報提供:エヌピー通信社>

国税局査察部(マルサ)が1年間に告発した脱税の総額は

93億円で、集計を始めた1972年度以降で最少となったことが分かりました。
経済取引の国際化やICT化に伴って脱税の手法が複雑化し、
不正を捕捉しにくくなっていることが一因と見られています。

2019年度にマルサが処理した案件は165件で、そのうち116件が告発の対象となりました。
告発率は70.3%で、10年度以来9年ぶりに7割を超えました。
告発件数116件は直近5年間の平均118.6件をわずかに下回る程度でしたが、
脱税額(告発分)92億7600万円は、5年間の平均114億8400万円を大きく下回っています。
年間100億円を下回ったのは72年度(94億7100万円)以来47年ぶりで、2度目の記録となりました。
告発1件当たりの脱税額は約8千万円。72年度(7200万円)に続き低い数字となりました

また、マルサに告発されると基本的に有罪判決を受けると考えてよいようです。
2019年度に一審判決が言い渡された124件全てが有罪判決で、そのうち5人には実刑判決が言い渡されています。
最も重い処分を受けたのは査察事件単独で懲役10カ月、他の犯罪との併合で懲役9年でした。

なお、19年度の査察では初めて国外財産調書の不提出犯を告発しています。

<情報提供:エヌピー通信社>

消費税率の引き上げ分を仕入れ価格などに反映しないまま
商品の納入先と取引を続けた業者に対し、公正取引委員会は2019年の1年間で、
消費税転嫁対策特別措置法に基づき749件の指導・勧告を実施したことが分かりました。
10月に税率が10%へ引き上げられた影響が大きく、特措法が施行された13年度以降で最多でした。

消費税転嫁対策特別措置法は、

立場の強い小売業者などが中小業者から商品を仕入れる際、増税分の価格転嫁の拒否を禁止しています。
公取委には19年度、増税分の転嫁拒否などに関する相談が、前年度の4倍に上る2102件も寄せられていました。

公取委によると、

指導・勧告のうち121件は、10%への引き上げに絡んでいました。
411件は引き上げ前の調査で、増税分を織り込まずに取引価格を据え置く「買いたたき」などの恐れがありました。
残りの217件は14年4月の8%への引き上げ関連。指導や勧告を受けた業種は、
製造業が107件で最も多く、建設業が86件、小売業は85件でした。
違反行為では買いたたきが72.0%を占め、税込みの対価から増税分を差し引く減額が23.5%でした。

公取委は具体例も公表しました。

フィットネス施設の運営企業は、インストラクター業務の委託先に増税分を上乗せせず委託代金を据え置き。
機械製造業の企業は、自社システムの保守運用業務について、旧税率の8%を適用した代金を委託先に支払っていました。
カルチャー教室の運営会社は消費税率10%を受け、
約8千人の外部講師に支払う委託料を引き下げることを決定したものの、公取委の調査をきっかけに撤回しました。

<情報提供:エヌピー通信社>