ふるさと納税制度を巡り、

高知県奈半利町で同制度を担当する課長が、返礼品を扱う業者から金銭を受け取っていたことが分かりました。
高知県警は3月上旬に、課長や業者ら3人を電磁的公正証書原本不実記録・同供用の罪などで逮捕。
県警によれば、ふるさと納税を巡る不正が刑事事件となるのは2008年の制度スタート以来初めてとのことです。

逮捕されたのは、

同町の地方創生課課長(45)と同課長補佐(41)、返礼品を扱う水産品加工会社社長(30)の3人。
調べによれば、返礼品の大半を加工会社社長の会社が担当する一方で、社長が金銭を振り込んだり、
課長の息子を雇い入れたりするなどの便益の供与があったそうです。

さらに返礼品の加工や梱包を課長補佐の親族が請け負い、法外な報酬を受け取っていたとも見られています。

同町は

ふるさと納税制度に参加した当初、約35万円の寄付しか集められなかったことから、水産加工会社に協力を依頼。
取引のあった築地の仕入れルートなどを利用して返礼品を充実させた結果、17年度には全国9位となる約39億円の寄付金を集めるに至りました。

<情報提供:エヌピー通信社>

会計検査院は、

2018年度決算検査報告のなかで、住宅ローン控除の特例等3つの特例の適用ミスを税務当局が見過ごしていため、
455税務署で3,140人、計5億5千万円余りの税金の徴収不足があったと公表しております。
検査対象となったのは2013年分から2017年分までの申告で、
住宅ローン控除の特例、居住用財産の譲渡特例、直系尊属からの住宅取得資金の贈与特例の適用が適正に行われたのかを検査しました。

住宅ローン控除の特例は、

居住用家屋を新築、取得、増改築した場合に、その住宅の取得等に係る住宅借入金等があり、適用要件を満たしているときに適用できます。

また、譲渡の特例は、

居住用の家屋やその敷地を譲渡した場合、譲渡所得から3,000万円を上限に控除できる一方で、
住宅ローン控除の適用要件の一つには、居住した年とその前後の2年間の計5年間に譲渡特例等の適用を受けていないことがあります。

会計検査院が調査した結果、

①贈与特例の適用を受けていたのに、適用を受けた住宅取得資金の額を住宅の取得価額から控除せずに住宅ローン控除の特例の適用を受けていた

②居住日の属する年とその前後2年間の計5年間に譲渡特例の適用を受けていたのに、重複して住宅ローン控除の特例の適用を受けていた

③受贈者の年間所得2千万円以下との適用要件を満たさずに贈与特例の適用を受けていた

上記の3特例の適用状況を検査したところ、

全524税務署のうち455署において、納税者3,398人から租税を徴収するに当たり、適用額の計算の誤りや適用要件を満たしていなかったりしたのに、
これを見過ごしていたため、申告所得税又は贈与税等の徴収額が納税者3,140人について5億5,843万円不足していたり、
納税者258人については2,065万円過大になっていた事態が見受けられました。

会計検査院は、

これらの特例の適用誤りを2018年6月に国税庁に対して指摘しており、国税庁は、特例適用者の申告内容の見直しをするとともに、
納税者向けの手引きで特例の適用要件の周知や税務署内での特例審査マニュアルの見直しなどの改善策を実施し、
2018年12月には「住宅借入金等特別控除等の適用誤りに関するお知らせ」を同庁ホームページ上に掲載しておりました。

今後の動向に注目です。

(注意)
上記の記載内容は、令和2年1月20日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

国税不服審判所は、

消費税の課税を免れるための売上金額の調整行為が事実の隠ぺい又は仮装に当たるか否かの判断が争われた事件で、
丸印や下線を付すなどして売上金額が1,000万円以下になるように調整したと認定した上、
そうした調整は調整後の金額のみ申告すれば足りるのかのように装い、
消費税の納税義務がないかのように装うという隠ぺい又は仮装と評価すべき行為に当たると判断し、審査請求を棄却しました。

これは

電気配線工事業を営む者が、税務調査を受けて所得税等の修正申告書及び消費税等の期限後申告書を提出した後
納付税額が過大であったとして更正の請求をし、これを受けて原処分庁が、事実を証明する書類が提出されず、
更正すべき事実が確認できなかったとして、更正すべき理由がない旨の通知処分をしてきたため、その全部取消しを求めるとともに、
原処分庁が隠ぺい又は仮装の事実があると認定して修正申告書及び期限後申告書に係る重加算税の賦課決定処分をしてきたため、
その全部又は過少申告加算税相当額若しくは無申告加算税相当額を超える部分の取消しを求めて審査請求した事案です

請求人側は、

各取引先に対する各月の売上金額等を集計した年次集計表は決算時のメモであり、これに基づく申告等を行っていないので、
年次集計表の作成は税額計算の基礎となる事実に対する隠ぺい又は仮装には当たらない旨主張し、原処分の取消しを求めました。

裁決は、

消費税の課税事業者にならないようにする目的で、売上を減額して所得税等の申告をし、
年次集計表に丸印や下線を付すなどして売上金額が1,000万円以下になるよう調整したと認定し、
調整後の金額のみ申告すれば足りるかのように装い、消費税等の納税義務がないかのように装うという隠ぺい又は仮装と評価すべき行為であり、
調整後の金額を収支内訳書に転記して所得税等の申告をしたもので、事実の隠ぺい又は仮装に当たると認定し、主張を斥けました。

ただ、1年分については、偽りその他不正の行為により売上に加算されなかった金額を上回る必要経費を認容して、
所得金額は零円になると指摘し、不正により所得税を免れたとはいえず、
重加算税の賦課決定処分については5年を超えて行うことができないことから、その全部が取り消されるものであるという判断も示しました。

(注意)
 上記の記載内容は、令和2年2月10日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、
記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

国税庁は、

2018事務年度(2018年7月~2019年6月までの1年間)における相続税調査の状況を公表しました。

それによりますと、2018事務年度は2016年中に発生した相続を中心に、
申告額が過少で、申告義務がありながら無申告と思われるものなど1万2,463件(前事務年度比0.9%減)を実地調査した結果、
うち85.7%に当たる1万684件(同1.5%増)から3,538億円(同0.4%増)の申告漏れ課税価格を把握し、
加算税98億円を含む708億円(同9.6%減)を追徴課税しました。

実地調査1件当たりでは、申告漏れ課税価格2,838万円(前事務年度比1.3%増)、追徴税額568万円(同8.8%減)となります。

また、申告漏れ額が多額だったことや故意に相続財産を隠ぺいしたことなどにより重加算税を賦課した件数は1,762件(同17.2%増)で、
その重加算税賦課対象額は589億円(同2.4%増)となり、重加算税賦課割合(重加算税賦課件数1,762件/申告漏れ等の非違件数1万684件)は16.5%(同2.2ポイント増)となりました。

申告漏れ相続財産の内訳をみてみますと、

「現金・預貯金等」が1,268億円(前事務年度1,183億円)で全体の36.5%を占めて最多となり、以下、
「土地」が422億円(同410億円、構成比12.2%)、
「有価証券」が388億円(同527億円、同11.2%)、
「家屋」が69億円(同62億円、同2.0%)のほか、
「その他(不動産、有価証券、現金・預貯金等以外)」が1,327億円(同1289億円、同38.1%)となりました。

無申告事案については、

前事務年度より13.5%増加の1,380件の実地調査を行い、そのうち
89.3%に当たる1,232件(前事務年度比20.2%増)から1,148億円(同16.3%増)の申告漏れ課税価格を把握して、101億円(同15.0%増)を追徴課税しました。

1件当たりの申告漏れ課税価格は8,320万円となり、相続税調査全体の1件当たり申告漏れ2,838万円の約2.9倍にのぼりました。

(注意)
 上記の記載内容は、令和2年2月10日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

国税庁は2021年度にも、人工知能(AI)を使って税務調査の対象企業を選定する新たなシステムを導入する方針を決めました。
公表されている財務資料や、業績を説明する経営者の音声データを分析し、脱税などの疑いがある企業を絞り込みます。
AIの活用で調査を効率化し、不正事案の早期摘発や監視強化につなげる狙いです。

新システムが対象として想定しているのは、有価証券報告書など財務資料が公開されている大企業です。
まずAIが実際にあった脱税、申告漏れ事案の手口を学習。
公開されている財務資料を分析し、業績に絡む記述の中で過去の脱税事案で多用された文言などがないかチェックします。

さらに決算説明会に出席した経営陣の音声データや、
アニュアルリポート(年次事業報告書)に掲載された経営トップの写真、メッセージも分析。

過去の事例では、

リスクを好んだり自己陶酔型の説明をしたりする経営者ほど、
監査法人に高い報酬を支払って癒着し、不正に手を染めているケースが多いそうです。
こうしたAIの分析結果に、過去の税務調査で得た内部情報を加味して、実際に税務調査を行う企業を選定する流れとなります。

従来の調査対象企業の選定は、担当者の手作業や勘で膨大な財務資料を分析しており、効率性に課題がありました。
国税庁はAIの導入により、選定作業にかかる時間を大幅に短縮し、不正を発見する精度を向上させたい意向です。

<情報提供:エヌピー通信社>

傘下組織から集めた上納金をめぐり約3億円を脱税した

として所得税法違反の罪に問われている特定危険指定暴力団トップに対する控訴審判決が福岡高裁であり、
裁判長は懲役3年、罰金8千万円とした一審判決を支持し、被告の控訴を棄却しました。

争点となったのは、

暴力団の「上納金」が個人の所得に当たるか否かです。
被告は、地元の企業や飲食店から得たみかじめ料や違法薬物の密売で得た収入を、
傘下組織の幹部らを通して運営費名目で納めさせ、そのうち約500万円を親族らの口座に送っていました。
2010年から14年に集められた上納金のうち、約8億9千万円を個人の収入として得ましたが、
税務署に申告せず、約3億1900万円を脱税していました。
これに対し被告は、「口座の金は全て組織のもので、個人の所得ではない」と主張しました。

裁判長は判決理由で、

建設業者から集めた上納金が被告など最高幹部に一定比率で配分されていたことなどをもって、
「明確な目的や法則に沿って継続的に管理されていた」と指摘。
その上で、現金を振り分けている姿を見たという関係者の証言も信用できるとして、
「実質的には被告に帰属する(所得)と認められる」と一審の判決を支持しました。

暴力団の上納金システムは、

覚醒剤などの違法収益や、歓楽街の飲食店の経営者から巻き上げたみかじめ料などがいったん配下組織に集められ、
それらの金が上納される仕組みとなっています。

会社や人格のない社団などであれば利益には法人税が課されますが、暴力団はそのどちらでもないため、
脱税うんぬん以前にそもそも納税義務がありません。

また個人の所得として見ても、上納金を不動産購入や飲食費として私的に使えば個人所得とみなされて所得税が課税されますが、
運営経費として使われる限りは、町内会やPTAと同様に課税されることはないため、
ここに裏社会特有の資金の流れの不透明さが重なった結果、暴力団の上納金は長年、国税にとっても簡単に手を出せない領域となっていました。

<情報提供:エヌピー通信社>

誤った節税アドバイスに従った結果、追徴課税を受けたとして地権者がゼネコンを訴えた裁判で、
名古屋地裁がこのほど、地権者の請求を棄却する判断を下しました。
建設業者は税の専門家ではないことから「法的責任は認められない」としています。

訴状によると原告の地権者24人は2011年、開発を進めていた土地につき、
地元のゼネコンの委託業者から、「土地の交換には税金がかからない」との説明を受け、
ゼネコンに土地を提供し、別の土地を得るなどの契約を結びました。

しかし名古屋国税局は、等価交換ではなく売却とみなして譲渡所得を認定、
地権者らに計約2億1千万円を追徴課税しました。
地権者らはこれを不当して約6億円の損害賠償を求めて訴えを起こしていました。

原告側は「ゼネコンとの仲介を行った業者が税金はかからないと説明した。同社に調査や説明の義務があった」と主張。
しかし裁判長は、「仲介業者は税の専門家でなく、結果的に誤っていたとしても説明の法的義務はない」と訴えを退けました。
また地権者との土地取引の契約書に「課税される可能性がある」旨の文言が入っていることなどから、
「課税については、本来、地権者本人が調査すべきだ」と結論付けました

<情報提供:エヌピー通信社>

 

国税庁は、2018事務年度(2018年7月から2019年6月までの1年間)に海外投資者等を対象とした実地調査状況を公表しました。

それによりますと、2018事務年度において4,375件(前事務年度4,616件)の実地調査を実施し、
総額約849億円(同977億円)の申告漏れ所得を把握、1件平均で1,941万円(同2,166万円)となりました。

上記4,375件を取引区分別にみてみますと、
「海外投資」(預貯金等の海外での蓄財を含む海外の不動産や証券などに対する投資)が全体の約37.0%の1,618件、
「輸出入」(事業での売上や原価に係る取引で、海外の輸出(入)業者との契約による取引)が同10.2%の447件、
「役務提供」(工事請負やプログラム設計など海外において行う、労力・技術等の第三者に対するサービスの提供)が同7.9%の344件、
海外で支払いを受ける給与や贈与(親族に対する海外送金等)など海外取引に係るもので上記の取引に該当しない「その他」が1,966件となりました。

 

調査事例では、タックスヘイブン対策税制上、適用除外要件のうち事業基準を満たさず、雑所得課税を行った事例が挙がっております

調査対象者Aは、軽課税国において外国関係会社X社を主宰しているところ、部内資料等から、
X社が国内の複数の事業者から、多額の国外からの送金を受領していることが判明し、送金内容は、
著作権の使用料と想定されたことから、タックスヘイブン対策税制の適用の可否を確認するため、調査が行われました。

調査において取引の内容を確認したところ、X社の主たる事業は著作権の提供であり、タックスヘイブン税制の適用除外基準のうち、
事業基準を満たしていないと認められたことから、X社の課税対象金額をAの雑所得に係る収入金額とみなして課税を行いました。

Aに対しては、所得税4年分に係る申告漏れ所得金額約2億2,100万円について、追徴税額(加算税含む)約1億1,800万円が課税されました。

国税庁では、経済社会の国際化への適切な対応のため、海外投資を行っている個人や海外資産を保有する個人などに対し、積極的に調査を実施しております。

(注意)
 上記の記載内容は、令和2年1月13日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません

マイナンバー制度はプライバシー権を侵害し違憲だとして納税者20人がマイナンバーの利用差し止めなどを求めた裁判で、
名古屋地裁はこのほど、原告の訴えを棄却しました。

訴えたのは岐阜、愛知、三重の納税者らで、
「本人の同意を得ない個人情報の収集や利用は憲法13条が保障するプライバシー権を侵害する」と主張していました。

また制度開始から番号の漏えいもたびたび起き、安全対策も不十分と指摘。
それに対し国は、「漏えいは人為的ミスによるもので、制度上の欠陥が原因ではない」と反論していました。

裁判長は、制度に法制上やシステムの不備はないとした上で、
「正当な行政目的の範囲を超えて個人情報が利用される危険があるとはいえず、原告らの権利や利益を侵害するとはいえない」と述べ、
原告の訴えを退けました。

同様の訴えは全国8地裁で起こされていて、今回の判決は同じく訴えを退けた横浜地裁に続き2例目となります。

マイナンバー制度は「税・社会保障・災害対策」の3分野に限定して個人と番号を紐付けることで
行政と国民のそれぞれにメリットがあるとして、2016年に開始しました。

税務申告書への記載義務化やNISA口座との番号紐付けなどが行われる一方で、
納税者の利便性向上や災害対策に活用されているとはまだ言えないのが実情となっています。

<情報提供:エヌピー通信社>

平成30年7月からの1年間で「富裕層」に対して5313件の所得税調査が実施され、1件当たり1436万円の申告漏れ所得が発覚したことが、
国税庁がこのほど公表した報告書で分かりました。富裕層以外への調査も含めた1件当たりの平均申告漏れ所得と比べると約400万円多い金額です。
特に海外投資や海外取引をしていた者への調査で発覚した申告漏れは高額となっています。

国税当局は、有価証券・不動産などの資産の大口所有者や、経常的に所得が高額な個人を「富裕層」と位置づけて重点的に調査。
平成30年度の所得税の実地調査(特別・一般)5万130件の1割以上が富裕層をターゲットとしたものでした。

富裕層への調査で発覚した申告漏れ総額は763億円で過去最多。
1件当たりの申告漏れ所得は1436万円、追徴税額は383万円で、全体平均の申告漏れ1045万円、追徴180万円と大きな差が出ています。

富裕層の中でも海外投資や海外取引をした者に限れば、1件当たりの申告漏れ所得は3819万円、追徴税額は914万円にまで跳ね上がります。

資産運用の国際化が進んでいることから、国税当局では富裕層の海外投資への監視を強化しているそうです。

<情報提供:エヌピー通信社>