では、起業という選択肢をとる過程で、具体的にどのような柔軟な働き方に向けた取組みが行われているのでしょうか

そこで日本政策金融公庫総合研究所編『2019年版 新規開業白書』の事例として、
育児・介護によって営業時間を短縮させた事例として紹介された、

おむすび・お茶漬け米手(所在地:山口県)の事例についてみていきましょう

「おむすび・お茶漬け米手」は、現代表者が祖母から3代にわたり受け継いできた味を復活させようと2012年に創業したおむすび店です。
現代表者の祖母と母は、おむすび屋を営んでおり、現代表者も20歳の頃から20年近く店を手伝い、おむすびの握り加減やこめの炊き方を体得しました。
しかし母が60歳のときに引退して店は閉店し、当時小学生の子供2人を育てていた現代表者も一旦専業主婦に戻りました。


しかし閉店から2年たってもおむすびを懐かしむ常連客の声が後を絶たなかったこともあり、おむすび屋の開業にこぎつけました。
開業後は50年続いた味を復活させたことなどが話題となり、新規の顧客が増え、月曜以外は昼も夜も店を開ける日々が続きました。


しかし親の介護や、孫の世話など仕事と家庭の両立の必要性に迫られたことから、家庭を優先させることとしました。
日曜日を終日定休とし、客単価が高い夜の営業も週2日に減らしました。
仕込みはベテランの従業員に任せ、親や孫の世話をしてから店に出るようになりました。
開業当初より売上は減りましたが、店は代表者にとって常連客やスタッフとの会話によって息抜きできる大切な場になっています。


このように、家庭と仕事を両立させながら仕事をする選択肢として起業という手段が取られることもあるのです。(了)


(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)

わが国が人口減少社会を迎え、働き方改革を進める中、起業という選択肢をとる人も多様化してきています。

日本政策金融公庫総合研究所が2018年7月に実施した
「2018年度新規開業実態調査(同公庫国民生活事業が2017年4月から同年9月にかけて融資した企業のうち、融資時点で開業後1年以内の企業8,332社を対象)」によると、

現在の事業からの収入が、経営者本人の定期的な収入に占める割合は、

「100%(ほかの収入はない)」と回答した割合が52.9%と過半数を占めたものの、

5年前に実施した2013年度の調査では同割合が80.5%となっており大幅に低下していることがわかります。

他方、「100%未満(ほかに収入がある)」と回答した割合は47.1%と5年前の19.5%から上昇しており、
その中でも「25%未満」の割合は22.7%と5年前の5.3%から大幅に上昇しています。このように事業以外からも収入を得ながら開業する人の割合が増えていることがわかります。

また、開業者の1週間当たりの労働時間の平均は

51.1時間となっており、5年前の63.2時間から減少しています。
内訳をみると「50時間以上」が55.7%と最も高い割合を占めるものの、
5年前の73.6%から大幅に低下しています。
一方で「40時間未満」と回答した割合は18.8%と、5年前の6.8%から大幅に上昇しています。

これらの背景としては、既述のとおり事業以外からも収入を得る開業者が増えていることや、
開業者の働き方がワークライフバランスを重視し、長時間労働を是正する方向に変化していることがあると考えられます。


このように近年では柔軟な働き方の一環として起業という働き方が選択されていることがみてとれるのです。(つづく)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)


同業種におけるライバル企業は似たような商品を作り、同じようなルートで商品を販売しているのですから、


重なり合う部分が多く、その重複する分を共同でやれば経費削減効果が大きいのは自明です。

しかし、

共通する部分は何でも一緒にやればいいというわけではありません。
共同していい分野と、してはいけない分野があります。
それを決めるのは自社の中核業務と周辺業務の見極めです。
自社の中核、つまり自社のアピールポイントをどこにおくかを明確にしておかなければなりません
食品業界で自社のアピールポイントが味であり、味では他社に負けないと考えるなら、物流で提携することは合理的です。
しかし、自社の強みは迅速な配達であるとするなら、物流で妥協することはできません。
アマゾンなどはこうした側面もあり、物流にも相応なこだわりがあるように見えます。

とにかく、

中核部門では譲らず、それ以外の周辺業務は他社との提携の対象とし、経費の圧縮を図るべき部門となります。
しかし、自社のコアとなる価値が不確定なまま提携すると、大手や商品力の強い企業にのみ込まれてしまう危険性があります。

需要の減退に直面する業界では、経営統合の前に、同業他社との提携は有力な選択肢だと思われます。
それは何も全国ブランドの大企業だけの話ではありません。地域で観光や地場産業などで同種企業が併存し、
全体の業績が低迷している地域は珍しくありません。需要が伸びている時には、ライバルとして切磋琢磨してきた企業同士でも、
需要が減退すれば、提携も考えていかなければなりません。

そうしたときのためにも、中核業務と周辺業務を峻別し、他社に負けない中核的企業価値を育成しておく必要があります。(了)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)

最近、同業者間での業務提携の発表が相次いでいます。

先日は三菱UFJ銀行と三井住友銀行がATMで相互提携を行うと発表しました。

金融だけでなく、食品業界をはじめとして物流分野を中心に、同業者間の提携が拡大しています。
昨日までライバルとして容赦のない競争をしていた企業が、これまでの因縁を乗り越え、明日からはパートナーとして一転提携する時代に入りました。

マーケットが拡大しているときには、

人を増やし、技術開発や販促費にカネを注ぎこみ、
拡大するマーケットから自社の取り分(売上)をできるだけ多く獲得することが当然の企業戦略でした。
徹底的に前向きに競争することにより、お互いが強くなれる時代だといえます。

しかし、そうした良き時代は過ぎ去り、我が国は人口減少時代に突入しました
それに加え、政府・日銀の懸命な努力にもかかわらず、将来不安からデフレマインドは止まらず、
消費者の財布のひもはゆるみません。消費者が少なくなることに加え、その消費者はネットを駆使しながら、
できるだけ安く買おうとします。国内マーケットの縮小は必至であり、国内を主戦場とする企業は何らかの対策が迫られます

マーケットの縮小が不可避で、売上は現状維持が精一杯だとすれば、利益確保のためには、経費削減しかありません
当然、単体企業でできることから始めますが、それだけでは限界があり、次に企業の枠を超えた経費削減のステージに入っていきます。
複数企業の共同による経費削減の究極の形は合併等の企業統合になりますが、
合併はすべてが一社に集約される会社組織の全面的変革であり、そこまで持って行くのは容易ではないし、
会社の数を減らすことが必ずしも正解となるわけではありません。そこで、現在の企業形態を維持したまま、
特定部門に絞った複数企業の共同化が有力な戦略として浮上するわけです。(つづく)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)


◆採用後の定着率は?

人手不足の続く中、求人募集しても「良い人からの応募がない」「そもそも応募が全然来ない」という企業も多いようです。
一方でたとえ良い人材を採用できたとしても離職率が高いとなかなか人手不足の問題は解決しません
中途採用者を採用できても定着してもらうまでには一定の時間や労力がかかります。

定着率は気になるところですが

それを高めて行くにはどのような対策があるでしょうか。
エン・ジャパンの調査による直近3年間で中途入社(正社員)がいる企業を対象にした「中途入社者の定着」についてのアンケート調査(回答693社)では、
約4割が「中途入社者の定着率が低い」と回答しているそうです。

業種別にみると「流通・小売関連」51%
企業規模では「1000名以上」(48%)が最も高い割合です。

また、中途入社者が退職に繋がりやすい期間を聞くと37%が「1か月未満~6か月」と答えているそうです。
3社に1社は入社者が早期の退職者になっていることが分かります。

◆定着率向上のための取り組み

同調査で企業が中途入社者の定着率の向上のために行っていることを聞くと「定期で行う上司との面談」(53%)、
「歓迎会での交流」(50%)との回答が多くなっています。

実際の取組による定着率に寄与した度合いが良かったものとしては

「定期で行う人事との面談」、「定期で行う上司との面談」が挙がっています。
また、実際に行っている企業は1割程度ですが「メンター制度によるフォロー」が挙がっています。
一方で「中途入社者コミュニティへの参加」「社内見学」はむしろマイナスの影響があるとしています。

◆効果のある取組を取り入れる

人手不足の中、採用後の検討もなしに採用しても離職率という観点からはリスクがあります。
また、会社側が良かれと思って取り組んでいた定着率向上のための取組も実際に効果がないことや、
むしろマイナスに働いている例もあります。給与や休みの増加だけでは不十分な時もあります。

中小企業は上司や経営者との距離が近いので、例えば社員からの意見に耳を傾け、
会社の改革を積極的に取り入れる等、ボトムアップ型で効果のある取組を検討しながら進めることが大事でしょう。

赤字企業の割合が8年連続で減少したことが国税庁の調査で分かりました。

2017年度の赤字割合は62.6%で、過去最悪だった09年度と比べて1割以上の会社が赤字から黒字に変わっていることになります。

国税庁の会社標本調査によると、

17年度の黒字申告法人は100万6857社、赤字申告法人は168万7099社でした。
赤字申告割合62.6%は前年度と比べると0.9ポイントの減少で、過去最悪だった09年度の72.8%からは10ポイント減っています。
ただ依然として企業の大半が赤字決算にある状況に変わりはありません。

赤字企業の割合を業種別に見ると、

出版印刷業が74.8%で最も高く、
繊維工業74.4%、
料理飲食旅館業73.3%がワースト3でした。

反対に赤字の割合が低いのは
建設業の57.2%で、
運輸通信公益事業57.9%、
不動産業59.1%が続きます。

国税庁は毎年、国内の企業の申告状況を資本金階級別や業種別に調査。
資本金階級や業種ごとの企業の実態を明らかにすることで、租税収入の見積もりや税制改正などの基礎資料としています


<情報提供:エヌピー通信社>

東日本大震災で悪影響を受けたことによる倒産が、

2011年3月から100カ月連続で発生していることが東京商工リサーチの調べで分かりました。

時が経つごとに1カ月当たりの倒産件数は減少しているものの、震災当初からゼロ件だった月はいまだありません。

今年上半期の倒産は20件でした。
震災が起きた2011年の544件、翌年の490件と比べると、1カ月当たりの件数は大幅に減少しています。

6月に倒産したのは青森の水産会社。
本社兼直売所が津波被害を受けた後、経営再建を図っていましたが、資金繰りが限界に達して事業を停止しました。

100カ月間で倒産した企業は1916に及びます。
このうち、取引先の被災による販路縮小や受注キャンセルが影響した間接型は1706件、
事務所や工場などの設備・施設が直接被害を受けた直接型は210件でした。
産業別では、宿泊業や飲食業などを含むサービス業が最多の507件で、製造業443件、卸売業350件と続いています。


<情報提供:エヌピー通信社>

役員給与に含まれるもの

税務上、役員給与(または賞与)には金銭で支給されるもののほかに、
実質的に役員に対して給与を支給したと同様の経済的効果をもたらすもの(経済的利益)も含まれます。
経済的利益の給与認定を受けた場合には法人税、所得税等の課税関係が生じることとなりますので会計処理をする際には留意が必要です。

◆役員の個人的費用を会社が負担した場合

(1)役員だけの慰安旅行
役員など特定の者のみを対象とした慰安旅行は、福利厚生目的の旅行でないことから福利厚生費にはなりません
また業務遂行上必要なものと認められないことから交際費にも含まれず、役員に与えた経済的利益として役員給与とされる場合があります。
(2)役員の健康診断費用
役員のみを対象とした健康診断の費用は福利厚生費として処理することはできず、役員給与の取り扱いになります。
福利厚生費として計上するには
①役員を含む全社員が診断の対象となっている(年齢による限定は可能)、
②健診内容が健康管理上必要とされる範囲内のものである、
③会社から直接費用が支払われる
といった要件を満たす必要があります。

◆役員の資産を時価より高く購入した場合

社長が所有する土地を立地条件の良さや値上がりが見込まれる等の理由で時価よりも高い価額で購入した場合には、
購入価額と時価との差額は社長への経済的利益の供与として賞与の取り扱いとなります。

また、反対に、会社所有資産を時価より低い価額で社長に譲渡した場合にも、
資産の時価と譲渡価額との差額は経済的利益として取り扱われます。
そのほか、会社が役員に物品その他の資産を贈与した場合、役員に対する債務を放棄
または免除した場合、役員に対する金銭の低利貸付け
役員に対して交際費等の名目で支出した金銭でその使途が明らかでないものなども役員給与とされる経済的利益に該当します。
後々否認されて税金を追徴されないためにも、会計処理の段階でしっかり把握することが重要です。

仮払金とは、

現金や預金などによる実際の支払いを一時的に処理するために用いられる勘定科目です。
未確定のものを一時的に計上するための仮払金が長期間精算されない場合、給与や貸付金として認定される可能性があることから処理については留意が必要です。

◆渡切交際費の給与認定

交際費として一定額の金銭を役員や従業員に支給し精算を行わない渡切交際費の仮払金は
その支給を受けた役員や従業員の給与等に該当することとなり、源泉徴収の対象となります。
また、受け取り側である役員や従業員にとっては、給与所得として所得税や住民税の課税対象となるため、税負担が増えることとなります。

支給対象者が役員の場合、渡切交際費が毎月定額であればその金額も定期同額給与の一部として取り扱われ、損金算入が可能ですが、不定期に渡切交際費を出す場合には、
臨時的な役員報酬として、事前確定届出給与の届出を提出していない限り、損金不算入となりますので注意しましょう。

◆貸付金と判断される場合

長期間にわたり精算していない役員などへの仮払金は、実質的に貸付金と判定され、受取利息相当額(認定利息)を計上するよう税務署から求められることがあります。

利息相当額の計算は、会社に金融機関等からの借入金がある場合には実際の借入金の利率とし、
その他の場合には利子税の割合の特例に規定する特例基準割合による利率によって評価することとされています。

◆金融機関からの融資にも影響が

社長などへの仮払金で常態化、長期化しているものがある場合、税務上問題となるだけではなく、金融機関から融資を受ける際にマイナスとなる可能性もあります。

社長や役員、その親族への仮払金は、会社のお金を個人で使う公私混同とみなされたり、経費計上せずに資産計上することによる赤字隠しの手口と疑われたりして、
評価を下げる要因となります。

仮払金は、税務面・信用面を考慮して早い時期に適正な勘定科目で処理することが求められます。

減損会計とは企業が保有する固定資産の収益性が低下して、その資産への投資金額の回収が見込めなくなった時に、
下落部分を固定資産の帳簿価格から落とす会計処理です。

減損会計では、土地、建物やM&Aを行ったときに発生した超過収益力として、
のれん等の固定資産が将来どれだけキャッシュフローを稼げるかを予想しなければなりません。
その算定されたキャッシュフローが固定資産の帳簿価格から大きく下回ると、減損損失を計上しなければなりません。

税効果会計における将来利益予想でも、減損会計における将来キャッシュフロー予想でも、ベースには経営計画が存在します

過去の実績をベースに将来計画を作成し、将来計画が過去の実績に影響しないのであれば話は簡単ですが、
税効果会計も減損会計も、将来計画が過去の実績表示である決算書に影響を与えるという二重構造になっていることに注意しなければなりません
(当然、過去のキャッシュフロー実績には影響を与えませんが、会計計算としての決算書表示に影響を及ぼすことになります)。

つまり、甘めの経営計画の作成は、将来だけではなく、現在の決算書も嵩上げできることになります。

そうした構造の下では、特に業況が悪くなると、楽観的な経営計画を作成したいという誘因が強く働きます
しかし、それを行うと、将来本来の実力が露呈した時、その時点の業績不振に加え、
繰延税金資産の取り崩しや固定資産の減損等の過去のツケを一気に払わなければならなくなり、将来の決算書が著しく傷つくことになります
どんなに事態が悪化しても、経営計画は希望的観測ではなく、
キャッシュフロー獲得能力をベースに精緻に作ることが会社を守ることにつながります。(了)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)