役員給与は基本的に損金に算入されません(経費として認められません)。
しかし、一定のモノに該当する場合のみ、損金に算入されます。
では、ここでいう「役員」とはなんでしょうか?
一般常識的な役員とは違いますので、法人経営されている方、経理の方は知っておいた方がいいと思います。
今回はこの役員について、概要をご紹介します。
(※あくまで概要のため、ご留意ください)
・法人税でいう「役員」とは?
・気を付けるべき「役員」
・これは「役員」に該当するか?
・まとめ
法人税でいう「役員」とは?
役員に対する給与(役員報酬)は基本的には損金に算入されず、
一定の要件を満たしたモノのみが例外的に損金に算入される、という位置づけです。
一定の要件もさることながら、ここでは「役員」とは何か?を確認します。
法人税における「役員」とは、ざっくりいうと下記のように規定されています。
①法人の取締役、執行役、会計参与、監査役、理事、監事及び清算人
②そのほか、法人の従業員のうち、経営に従事している人
③そのほか、家族経営の法人で、一定の議決権を持っている親族である従業員
①は、一般常識的にも、法律的も役員とされる人です。
一方で、②③は特殊な考え方をします。
②は、「法律上登記された役員」ではないが、経営に関与している人、
③は、従業員ではあるが、一定の権力を持った従業員で、経営に関与している人、
といったイメージです。
気を付けるべき「役員」
上記の通り、②③の独特な役員の考え方が要注意です。
②③の方は、肩書や登記上役員でないことから、
役員報酬に関して見落としがちになりますので、要注意です。
例えば、次のような方に対する報酬、給料については、要注意です。
・オーナー社長の妻で、よく経営会議に出ている
・元社長が会長や相談役で残っている
・社長の子供が次期社長として従業員でいるが、経営会議にも出ている
・社長の娘と結婚した業務執行役員
これは「役員」に該当するか?
上記で業務執行役員について記載しました。
一般的にも聞いたことがある肩書ですが、実は、登記上も法人税上も「役員」とはされません。
ただし、上記のように
・一定の株式を持っている
・経営会議にまで出ている
・社長親族と結婚した
などの事情があると、法人税上の役員に含まれることがあります。
まとめ
今回は、法人税で気を付けるべき「役員」について、例を挙げてご紹介しました。
役員報酬は、法人税、所得税のダブルで痛手を食う論点ですので、よく注意しましょう。
また、役員の判定は、同族会社の判定などとも関係がありますので、
ご紹介したような例が当てはまる場合にはその点も確認しましょう
なお、実際の申告等に際しては顧問税理士にご相談の上、よく検討し、適用をお願いします。