税制改正で還付申告の期限はどうなった?

不思議なことに確定申告の結果、還付になる場合でも、
①確定申告をしなければならない(義務)
②したいならしていい
の二種類が存在していました。

この点、2021年度税制改正により、①の義務の一部がなくなりました。
その結果、現行の所得税の申告義務がないものの還付申告書の提出期間(翌年1/1から5年間)と同様となりました。

税制改正はいつから適用される?

この改正は、2023年1月1日以後に確定申告書の提出期限が到来する所得税から適用されます。
つまり、通常は、2022年分の所得税の申告から適用されることになります。

元々の法律ではどうなっていたか?

改正前の法律では、

”雑損控除等の控除後のその年分の総所得金額に係る税額が配当控除の額を超えるときは、
第3期(その年の翌年2月16日から3月15日までの期間)に、
一定の事項を記載した申告書を提出しなければならない”と定めております。

要するに、所得税の計算をした結果でた税額から、配当控除を控除した金額がプラスの場合(納税)
には、確定申告書を提出しなければならいということです。

しかし、このように計算された所得税の額の合計額が配当控除の額を超える場合であっても、
他にも源泉所得税額を控除したりすると還付になることがあります。
そのような時にも、確定申告をしなければ”ならない”となっていた、ということです。

還付になる場合

具体的には、
・控除しきれなかった外国税額控除の額があるとき
・控除しきれなかった源泉徴収税額があるとき
・控除しきれなかった予納税額があるときは

これらがある場合には、確定申告書の提出を要しないことになります。
かわりに、その年の翌年1月1日から5年間に提出することができることになりました。

更正等による源泉徴収税額等の還付は?

還付加算金を計算する場合の基礎となる期間については、
更正等の日の翌日以後1ヵ月を経過するまでの期間に改められます。
しかし、その更正等が更正の請求に基づく場合は、
その請求の日の翌日以後3月を経過する日とその請求に基づく更正の日の翌日以後1月を経過する日とのいずれか早い日、
また、決定に係る更正の場合はその決定の日となるように改められますので、ご注意ください。

(注意)
 上記の記載内容は、令和3年7月1日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、
記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

申告書