現金対価や課税による負担、事務負担を避け、さらにM&Aを促進するような制度ができました。

新しい制度

自社株式を使用した企業の買収について、政府は2021年度から国の事前認定を不要にした上で、
現金と組み合わせて買収した場合も税優遇を受けられるように見直しました。
M&A(合併・買収)の活用で企業の成長を促進し、
新型コロナウイルスの感染拡大による事業環境の変化に対応しやすい仕組みを整えるものです。

制度の概要-1

企業がTOB(株式公開買い付け)を実施して自社株を対価に他社を買収する際、
買収された企業の株主は保有していた株式の譲渡による利益が課税の対象にされます。
このため納税に回す資金を用意する必要がありました。
政府は18年の産業競争力強化法改正で株式を売却しない間は課税を繰り延べられるようにするとともに、
企業には買収が生産性向上につながることを証明する事業再編計画を事前に提出することを義務化。
今回の税優遇策の拡充では、この認定作業を不要にして手続きを簡素にしました。

制度の概要-2

自社株と現金を組み合わせた買収については、低金利で借り入れをしやすい環境を踏まえ、
買収額の2割まで現金を使っても税優遇を受けられるようにします。
政府は財務戦略の選択肢を増やし、企業の再編を推進したい考え。
自社の株式を使った買収は、自己資金を調達する負担がないまま事業を拡大できるため、
手元の資金は少ないものの企業価値への評価が高い新興企業がM&Aに活用する傾向があります。
また現金を組み合わせれば、新株の発行で1株あたりの利益が薄くなる恐れも減ります

自社株を使ったM&Aは海外で目立っています。

米テスラは19年に蓄電システム企業を買収する際に使用し、温存した資金を欧米工場の建設などに回しました。
日本では、武田薬品工業が株式交換と現金を組み合わせる形で、アイルランド製薬大手シャイアーを買収しています。

<情報提供:エヌピー通信社>