2020年10月1日に中小企業成長促進法が施行されました。

この法律は、中小企業の廃業を防ぐとともに、中小企業が積極的に事業展開を行い、
成長できる環境を整備するために必要な措置を講ずるものです。以下で同法の特徴についてみていきましょう。

1点目の特徴として

経営者保証解除スキームの拡充による事業承継の促進があげられます。
具体的には、経営承継円滑化法の認定企業が事業承継する際に、
経営者保証を不要とする新たな信用保証制度(経営承継借換関連保証)が新設されました。
事業承継時における経営者保証が大きな課題となるなか、
2020年4月よりスタートした事業承継特別保証においては、
一般枠の範囲内で事業承継時に経営者保証を不要とする信用保証制度が措置されました。

今回の中小企業成長促進法の施行を受けて、上記に加え、一般枠ではカバーできない融資に対して、
経営者保証を不要とする信用保証の特別枠(最大2.8億円)が法律上措置されています。

2点目の特徴として、

中堅企業への成長環境の整備があげられます。
これは、中小企業が、増資や従業員増加により中小企業要件から外れても、
地域経済牽引事業計画の実施期間(5年以内)は、中小企業とみなす措置を講じることで、中小企業向け支援を継続するものです。

3点目の特徴として、

海外展開支援の強化があげられます。
これは、海外拠点の分散化の促進など、中小企業の海外展開にかかる取組みを一層支援するため、
日本公庫によるクロスボーダーローンを措置し、資金調達手段の多様化を図るものです。

このように中小企業成長促進法の下では、上記のような支援を通して、新型コロナ危機下での事業継続と雇用維持を後押ししているのです。

2020年10月1日に中小企業成長促進法が施行されたことに伴い、中小企業目線での政策体系の整理が行われています。
以下でその概要についてみていきましょう。

中小企業の計画支援のスキームは、

成長段階に応じた体系に簡素化されました。
まず、基礎体力をつける段階の計画としては、中小企業等経営強化法に基づく「経営力向上計画」が位置づけられています。
これは経営資源の有効活用により、経営の向上を図るものです。

次に新分野進出を目指す段階の計画としては、

中小企業等経営強化法に基づく「経営革新計画」が位置づけられています。
これは新事業活動により経営の相当程度の向上を図るものです。
新事業活動の定義に研究開発等が明示されるなど経営革新計画の定義見直しが行われたことを受けて、
特定ものづくり基盤技術に関する研究開発等を行う特定研究開発等計画や、
事業分野が異なる事業者の連携により新事業分野の開拓を行う異分野連携新事業分野開拓計画は廃止となり、
経営革新計画への支援措置に包含されることとなりました。

さらに地域全体の活力向上を目指す段階の計画としては、

地域未来投資促進法に基づく「地域経済牽引事業計画」が位置づけられています。
これは産業集積、観光資源、特産物など「地域の特性」を活かして、地域に対して相当の経済的効果を及ぼすものです。
今回の政策体系の整理を受けて、地域の特産物など「地域資源」を活かして、
新商品やサービスの開発・生産を行う地域産業資源活用事業計画は廃止となり、「地域経済牽引事業計画」による支援措置に包含されることとなりました。

 このように、類似の計画制度を統合し、中小企業の成長段階に応じた体系に簡素化されたのです。(了)