手続きミスなどで税金を過剰に支払ったとして、税理士が顧客から訴えられる事例が増えていることが日本税理士会連合会の調査で判明しました。

インターネットの普及で納税者が税に関する情報を十分に得られやすくなったほか、ビジネスの高度化や、改正の連続で複雑化する税制に税理士が対応しきれていないことが原因とみられます。
関係者からは、企業向けの優遇税制を次々と打ち出す政府・与党への恨み節も漏れてきます。

日税連が損害保険会社と共同で運用している「税理士職業賠償責任保険」は、税理士の過失により納税者が税金を必要以上に支払えば、発生した損害を補う仕組みになっています。2018年度の支払い件数は532件と5年連続で増加し、13年度実績の2倍まで膨らみました。金額も17億7600万円と5年前に比べて2.4倍に達しています。


支払金額が最も多かった対象は消費税で、258件で約8億5千万円と全体の5割近くを占めました。
消費税の課税方法は、納める税金を厳密に算出する「原則課税」と、売上高から一定分を差し引いた概算に沿った「簡易課税」に分かれており、
仕入れ時に支払った消費税分の控除も複数あります。納税者側がいったん支払った後で検証し、損をしていたことに気づくことが多いそうです。

また法人税は128件で約4億7500万円と、全体の3割弱に上りました。
賃上げをした場合に減税の対象となる「所得拡大促進税制」を適用されなかったケースが54件もありました。
日税連は、税理士が制度の変更や実際に起きたミスについて学べるよう、年36時間の研修を受けることを求めています。
しかし平均年齢が60歳を超えている税理士業界が税制改正に対応しきれていないのが実態で、あるベテラン税理士は「毎年ころころ変えて、あえてミスを誘っているようなものだ」と憤っています。

<情報提供:エヌピー通信社>