2020年度の税制改正大綱では、事業譲渡にかかる税負担を猶予する「M&A版・事業承継税制」が見送られました。
通常の事業譲渡と事業承継の区別がしにくく、優遇を適用するための要件について制度設計を詰められませんでした。

同制度では後継者のいない中小企業がM&A(企業売買)で事業を他業者に引き継いだ際に、
自社株の譲渡や事業譲渡の際に買い手側に課される税負担を猶予する方針でしたが、承継目的でない通常のM&Aとの区別が困難というハードルがありました。

またファンドなど後継者のいない企業が買収後に転売した時に事業存続を判断しづらいなどの問題点を解消できなかったことが見送りの要因になっています。

近年の税制改正で、承継に当たっての自社株引き継ぎにかかる税負担を実質免除する事業承継税制の特例、
個人事業者の事業用資産の引き継ぎにかかる税を猶予する特例などを創設してきました。

しかし後継者を見つけられない中小企業も多く、M&Aによる事業引き継ぎにも税制面での後押しが必要との声は多くあります。
今回は見送られることになりましたが、今後も検討は続けられることになりそうです。

<情報提供:エヌピー通信社>