遺贈による寄附や寄付による税金の優遇は、制度としては昔から存在していますが、
あまり多く認知されていなかったような気がします。
また、寄附を受け入れてもらえるハードルも高く、なかなか実行することが難しい一面もあります。

しかし、情報化社会の中でこれまで以上に認知が増し、社会貢献・寄附文化も強くなってきている昨今、
遺贈による寄附はより身近なものとなっています。

今回はPision合同会計事務所でも取り扱いの多い相続税の分野のうち、この遺贈寄附について、
以下のポイントを解説します。

・遺贈寄附とは何か?
・遺贈寄附はどのように行えばいいのか?
・遺贈寄附の税務-注意点
・遺贈寄附の税務-優遇制度
・遺留分に注意!

 

遺贈寄附とは何か?

遺贈寄附とは、国や地方公共団体、公益法人等に、財産を遺言で贈与すること
及び被相続人の生前の意思を引継いだ相続人が、相続財産を贈与することをいいます。

遺贈寄附はどのように行えばいいのか?

①まずは遺贈先の選定をします

当たり前のような気もしますが、これが一番重要といっても過言ではありません。
自分の意思を反映し、しかも自分が寄付しようとしている財産を受け入れてくれる先を見つけることが重要です。
(基本的には現金預金の寄附のみを受け付ける団体が多いので要注意です)

探し方は、例えば新聞やweb情報などから支援する法人を探します。

遺言執行者を選定して遺言書を作成

ここからは特に税理士をはじめ、弁護士、司法書士、行政書士など専門家に相談しましょう。
せっかくの寄付先が見つかっても、遺言でその寄付について触れていなかったら実行されません。
また、遺言で書いていてもその通り実行されるかも未確定です。

遺言執行者はどなたでも構いませんが、司法書士などの法律の専門家や、
確実に執行してくれるご家族でも大丈夫です。

なお、遺言は自筆証書遺言も選択できますが、
確実性を確保するため念のため公正証書遺言のほうが望ましいといえます。

遺贈寄附の税務-注意点

社会貢献にもなる遺贈寄附ですが、そのような想いにもかかわらず税金が掛かってしまうことがあります。

というのも、通常は、土地や建物、株式など譲渡所得の基因となる財産を法人に遺贈した人には、
通常はその財産の取得から遺贈時までの値上り益に譲渡による所得税が課されます

また、寄附先の法人においては、人間ではない法人は相続税などはかからないのが原則ですが、
遺贈した人やその親族などの税負担を不当に減少させる場合には、
下記の非課税承認は取り消され、遺贈した人又は遺贈先の法人に
税金が課されることになります。

この制度を使った安易な租税回避はしてはいけません。

遺贈寄附の税務-優遇制度

一方で、公益法人等への遺贈(譲渡)で、国税庁長官に申請して承認を受けた場合は非課税となります。
したがって、寄付先への寄付が、その承認を受けられるものなのかの確認が必要です。

また、相続人が被相続人の意思を引継ぎ、相続財産を国や地方公共団体、
公益法人等に贈与する場合にも相続税を非課税とする制度があります。
この場合も不動産等の贈与について譲渡所得税を非課税とするには、国税庁長官の承認が必要です。

遺留分に注意!

高齢化が進み、遺贈寄附の希望者も増えていくかもしれません。
ただし、相続財産には遺留分があります。
遺贈寄附を決めるときは、相続人の遺留分にも配慮し、後で
トラブルが生じないようにしましょう。