経営者の高齢化及び後継者不在の中小企業の増加を受けて、

2015年3月に中小企業向け事業引継ぎ検討会が「事業引継ぎガイドライン」を策定し、
2020年3月に中小企業庁によって「事業引継ぎガイドライン」を「中小M&Aガイドライン」として全面改訂されました。
ここでは「中小M&Aガイドライン」策定の背景についてみていきましょう。

「事業引継ぎガイドライン」は、

中小企業経営者のM&Aに対する理解促進のため、
M&Aに関する基礎知識等を紹介するとともにM&Aの「手引き」として活用されました。
「事業引継ぎガイドライン」の公表から約5年が経過する中で、
中小企業のM&Aが着実に進展しつつあるものの、
未だに第三者に「売る」ことを躊躇している中小企業経営者が数多く存在することも事実です。

中小企業がM&Aを躊躇する要因としては、

①M&Aに関する知見がなく、進め方が分からない
②M&A業務の手数料等の目安が見極めにくい
③M&A支援に対する不信感などに大別されます。

また、近年、事業引継ぎ支援センター等の公的機関の充実や、
中小企業を対象としたM&Aの仲介等を務める民間M&A専門業者の増加により、
中小企業のM&Aに関する環境整備も図られつつあります。

今後更なる増加が見込まれる中小企業のM&Aが円滑に促進されるためには、
より一層、公的機関、民間のM&A専門業者、金融機関、商工団体、士業等専門家等の関係者による適切な対応が重要となります。

以上のような背景から、M&Aに関する意識、知識、
経験がない後継者不在の中小企業の経営者の背中を押し、
M&Aを適切な形で進めるための手引きを示すとともに、支援機関が、
それぞれの特色・能力に応じて中小企業のM&Aを適切にサポートするための基本的な事項を併せて示すため、
「中小M&Aガイドライン」として全面改訂されたのです。

 

では、2020年3月に中小企業庁によって策定された「中小M&Aガイドライン」ではどのようなことが書かれているのでしょうか。

そこでM&Aガイドラインの骨子についてみていきましょう。

まず、第1章「後継者不在の中小企業向けの手引き」の骨子をみると、

第1節「後継者不在の中小企業にとっての本ガイドラインの意義等」においては、
中小M&Aの20の事例を紹介しています。

また、後継者不在企業におけるM&A検討にあたっての基本姿勢や留意点などについて示しています。

第2節「中小M&Aの進め方」においては、

中小M&Aの基本的なプロセスを図解するとともに、仲介者等を選定する場合における注意事項や、
契約締結時のセカンド・オピニオンの重要性など、実践的な進め方を提示しています。

第3節以降は

「M&Aプラットフォーム」、「事業引継ぎ支援センター」の特徴などを紹介するとともに、手数料の種類などについて解説しています。

つぎに第2章「支援機関向けの基本事項」の骨子をみると

第1節「支援機関としての基本姿勢」においては、中小M&A支援機関に対し、
事業者の利益の最大化の基本姿勢を提示するとともに、支援機関同士による積極的な連携の必要性について述べています。

第2節以降は、支援機関を
①M&A専門業者、
②金融機関、
③商工団体、
④士業等専門家(公認会計士、税理士、中小企業診断士、弁護士等)、
⑤M&Aプラットフォーマーに大別し、
各支援機関の中小M&A支援の特色や、求められる具体的な支援内容や留意点について示しています。

このように「中小M&Aガイドライン」は中小企業経営者と支援機関の双方に対し、中小M&Aの適切な進め方を提示しているのです。