ロナ禍を受けて、企業の採用選考活動は、例年とは様変わりしています。経団連と国公私立大学の代表者により構成される「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」が2021年4月に公表した2020年度報告書では、採用選考活動のオンライン化による影響や、オンライン・インターンシップの実施などについてまとめています。

 同報告書に基づき、まず採用選考活動のオンライン化による企業への影響についてみると、プラス面としては、地方の学生などこれまで接点を持てなかった学生をはじめ多様な学生との接点が創出できる、採用担当者の業務負担や面接に来る学生への交通費負担など工数・コストの削減などの点があげられます。一方で課題としては、認知度の低い企業ではエントリーが減るなどといった「応募層」に関する課題、学生の企業理解や動機形成が進みにくいなどといった広報、情報発信、コミュニケーション上の課題、インフラや通信環境の整備・改善などといったオンライン化への対応に関する課題などがあげられます。

 次に採用選考活動のオンライン化による学生への影響についてみると、プラス面としては、遠方の企業へのアプローチがしやすい、地方大学の学生も不利にならない、オンデマンド方式の企業説明会に参加する場合、授業や学事日程が阻害されないなどの点があげられます。一方で課題としては、志望する企業の採用選考スケジュールや採用選考プロセス、進捗状況等に関する情報が不十分となる、企業の雰囲気や社風、社員の人柄などがわかりにくいなどの点があげられます。

 このように、採用活動のオンライン化によって、企業側、学生側の双方においてプラス面と課題が存在するのです。

 では、採用選考活動のオンライン化の流れをうけ、オンラインでのインターンシップ推進についてはどのような動きがあるのでしょうか。そこで「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」による2020年度の報告書に基づき、オンライン・インターンシップ推進の動きと、推進に向けた課題についてみていきましょう。

 オンライン・インターンシップについては、時間的・空間的制約等がないことから、ポスト・コロナにおいても有効なインターンシップの一つと考えられており、産学協議会では、オンライン・インターンシップを積極的に推進することで合意されています。一方で、オンライン・インターンシップ推進にあたっては学生側、運営側(企業・大学)双方に課題があります。

 まず、学生側からみた課題について整理すると、対面でのコミュニケーションの欠如による学生の企業理解やモチベーションへの影響があげられます。このため企業側は、学生の集中力が維持する時間を勘案したプログラム構築や、受入れ人数に応じて必要な人数のメンターを配置することなどが求められます。次に運営側からみた課題について整理すると、1点目として現場感の再現の難しさがあげられます。学生が現場を理解するための有効な手段が不足することに対処するため、企業側は現場感を最大限に再現するための工夫が求められます。
 2点目として情報セキュリティ面があげられます。共有できる情報の内容に制限が出るため、社員と同じ作業環境を提供することが困難となり、コンテンツの制限は不可避となります。

 上記のような課題を踏まえつつ、オンライン実施のメリットを最大限に活かしたインターンシップを推進する必要があるのです。(了)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)


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