経済協力開発機構(OECD)は

多国籍企業への国際課税に関する報告書を10月に公表し、
年内を目指していた国際ルールの合意時期を来年半ばに先送りすると明らかにしました。
多国籍企業の利益の一部を、価値が生み出された市場国に配分するルールを巡り、
米国と欧州、途上国で意見が分かれているためで、
各国で独自のデジタル課税が相次げば、IT企業が多い米国との摩擦が激化する恐れもあります。

国際課税を巡っては

多国籍企業グループの利益全体のうち、
通常利益を超える利益の一定割合(「利益A」)を市場国に配分することや、
企業が低税率国の子会社に所得を移転した場合に親会社の本国で所得を合算して統一の最低税率を課すことなどを合意しています。

OECDは当初、利益Aの計算式や対象範囲、紛争解決手続きなど
残された論点の詳細設計について合意を目指しましたが、
新型コロナウイルスの感染拡大の影響や、米国の後ろ向きな姿勢で実質的な進展はありませんでした。

グーグルやフェイスブックなど租税回避が問題視されているIT企業を多く抱える米国は
昨年末、国際課税ルールの適用を企業側の選択制とするよう主張。
各国から「骨抜きだ」と反対されると、議論の一時中断を要請していました。

不満を強める欧州は、IT企業を対象とした独自のデジタル課税の策定を進め、米国を牽制しています。

<情報提供:エヌピー通信社>