この事件の報道を聞いて私が驚くのは、

決算書の正確性をなにより大切にすべき銀行員が、決算書の数値は自分が望むように操作できると思っているという決算書に対する認識の甘さです。

この不正に関わっていた個々の職員がどのような心の葛藤があったのかは分かりません。
周りがやっているからということで何の迷いもなく決算書の改竄に手を染めたのか、
あるいは上司に言われ、不本意ながら本当にやむを得ず、断腸の思いで不正に加担してしまったのか。
もし前者だとしたら、銀行員の決算書に対する意識の低さに唖然としますし、彼らに対して改めて会計の倫理教育の徹底が必要となります。
もし後者だとしたら、個人の正義感をも押し殺してしまう、組織と個人のあり方を問い直さなければなりません。

現在、AI(人工知能)が取って代わることのできる職務は何かということが雑誌などで盛んに特集されています。

銀行の融資業務もAIで代替できる業務の一つとして取り上げられていますが、
銀行のメイン業務である融資がAIに代わることの抵抗感は銀行及び銀行員の間では根強いはずです。

融資がAIには代替できない理由の一つは、

AIでは機械的な冷たい融資判断となるが、人間であれば、決算書の数値の行間を読んだ、柔軟な融資判断ができるという点にあります。
しかし、柔軟な融資判断に、粉飾による不正な融資までも含まれてしまうとすれば、AIに冷徹に融資判断してもらった方がいいと言われても反論はできないでしょう。

今回の不正事件は銀行員のレーゾンデートル(存在意義)を揺るがす重大事件であるとの認識を銀行員は持たなければならないと思います。(了)


(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)



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