”1,000万円で消費税が変わる”といった漠然とした情報のみで、
詳しくは知らない方が多い消費税の仕組みについて、
ご紹介します。
※超入門の基礎編なので、特例などに該当する事業者様は要注意してください※
・消費税の大原則
・1,000万円とは?
・簡易課税とは?
消費税の大原則
消費税の仕組みは、
「(預かった消費税)- (払った消費税)= 余った消費税を納付(マイナスなら還付)」
です!
話を少し具体的にすると…
A:売上の時に請求してもらっている消費税
B:仕入れ、車の購入、様々な経費の支払いの時に支払っている消費税
C:A-B
のCがプラスなら納税、マイナスなら還付、という制度です。
1,000万円とは?
では、よく耳にする1,000万円という基準は何なのか。
上述の「消費税の大原則」にあるような、納付や還付をしなければならない(することができる)のは、
「消費税の課税事業者」に限られます。
この「消費税の課税事業者」は、自分から成ることを選択することもできるし、
2年前の年間売上高(課税売上高)が1,000万円を超えると、自動的に成ります。
話を少し具体的にすると…
例えば下図のように売り上げや経費などが推移していくと、5年目に消費税の課税事業者になり、
消費税を納付することになります。
年数 |
売上高 |
売上の消費税 |
経費など |
経費などの |
余りor不足 |
納税 |
1年目 |
500万円 | 50万円 | 500万円 | 50万円 | 免税事業者 | |
2年目 | 900万円 | 90万円 | 600万円 | 60万円 | 免税事業者 | |
3年目 | 1500万円 | 150万円 | 800万円 | 80万円 | 免税事業者し | |
4年目 | 1800万円 | 180万円 | 1200万円 | 120万円 | 免税事業者 | |
5年目 | 2000万円 | 200万円 | 1500万円 | 150万円 | 50万円余り | 納付! |
※自ら課税事業者を選択していない場合で、特例に該当しない前提です※
簡易課税とは?
さて、上記は大原則でしたが、中小企業者や個人事業主が知っておきたい制度に
簡易課税制度というものがあります。
簡易課税制度とは、大原則のような計算をするのは大変なので、「売上を基準にして納税額を決めてもいいぞ」
という制度です。
話を少し具体的にすると、
上図の例の5年目は、例えば
大原則:200万円-150万円=50万円
と計算するのが原則ですが、簡易課税制度の基では、
簡易課税制度:200万円-(200万円×60%)=80万円
と計算します。(この〇%は業種による)
このように算式で表すとどちらも一行なので簡単な算数のような気もしますが、
大原則で計算をするために、経費に掛かる消費税を集計することは、
現実的にはかなりの高コストです。
そのため、「どうせ大原則でも消費税納税になるし、簡易の方が良いや」という
方はぜひ簡易課税制度の選択を視野に入れましょう
最後に
日本における消費税の制度は、複雑怪奇&ハイパー高コスト&超高リスクな分野です。
今回ご紹介した大原則以外に、落とし穴が無数に存在します。
簡易課税制度も、選択した後の計算は簡単ですが、メリットデメリットを判定するのはかなりの至難の業(不可能にちかい)です。
必ず顧問税理士にご相談ください。
※相談しても、予想が外れたりすることもあります※
次回以降は、1,000万円基準の例外や、消費税がかかる取引、かからない取引、
高い買い物をした場合の注意点、インボイス制度などもご紹介しようと思います。