消費税のかかる取引の要件の一つとして、「国内」があります。
では、宇宙空間での取引は「国内」にあたるのでしょうか?

 

◆民間宇宙ビジネスは急成長分野

米イーロン・マスク氏が設立したスペースX社は、
民間企業の製造・所有する宇宙船を用いて、
初めて国際宇宙ステーション(ISS)への有人飛行に成功。

堀江貴文氏も「世界一低価格で便利なロケット」の開発を目指すと、
宇宙ビジネスに参入していますが、
人工衛星の打上げ費用は2億ドルはかかると言われていた時代もありました。
近年では6,000万ドルまで削減することに成功したそうです

◆20年前に人工衛星の消費税の取扱いがでてた?!

判例データベースTAINSには、行政文書も掲載されています。
「人工衛星の輸入、打上げ、宇宙空間における譲渡」
内容は、外国法人A社が保有する人工衛星を、日本法人B社を輸入者として日本に輸入
その人工衛星の打上げを委託された日本法人C社が日本から衛星を打上げ
その後、衛星が宇宙の軌道に乗ったことを確認後、
A社からD社に人工衛星を譲渡したというシチュエーション。
これら①輸入・②打上げ・③宇宙空間における譲渡の消費税の取扱いが記されています。

◆宇宙空間にある人工衛星を譲渡したら?


①人工衛星の輸入取引
輸入名義人のB社の仕入税額控除
②人工衛星の打上げを受託した場合
非居住者(外国法人A社)の依頼により行う人工衛星の打上げは、
非居住者に対する役務の提供に該当=輸出免税
③宇宙空間にある人工衛星の譲渡
消費税法上、国内とは「この法律の施行地」をいい、宇宙空間はどの国の主権も及ばない区域。
衛星が宇宙の軌道に乗ったことを確認した後に行われる人工衛星の譲渡は、
資産の譲渡が行われた時に資産が国外に所在するため、
国内取引に該当しない=日本の消費税の対象とならない
宇宙