VCからの信頼が得られない…税理士がネックだった創業4年目、シリーズAの資金調達を目前に控えたIT系スタートアップ。プロダクトは好調で、メディア露出も増えてきた中、想定外の壁にぶつかっていました。それは「VC対応に不慣れな税理士が資金調達の妨げになっていた」という事実でした。月次の数字に遅れが出る、報告書が曖昧、KPIが共有できない…。VC担当者からも「財務面の整理が不十分」と指摘され、経営陣は顧問税理士の限界を実感。会社の将来に関わる問題として、税理士変更を検討することになります。ベンチャーキャピタルに強い税理士とは?VCの投資判断には、スピードと信頼性が重要です。つまり、以下のような税理士であることが求められます。・クラウド会計に強く、データのリアルタイム管理ができる・KPIや資金繰り表、損益管理レポートが標準化されている・月次決算が早く、タイムリーに数値が出せる・資本政策や株主構成にも理解がある・投資家対応の経験が豊富で、経営者と一緒に前に出られるこの会社が選んだのは、スタートアップ専門を掲げる若手税理士法人。VC出身のスタッフも在籍し、まさに「投資家目線」を持つプロフェッショナルでした。税理士を変えて変化した3つのポイント1. VCへのレポーティング体制が強化された新しい税理士は、月次レポートをテンプレート化し、KPIやキャッシュフロー、将来予測まで含めた資料を短期間で作成。VCへの定例報告がスムーズになり、信頼度が大幅にアップ。「この会社は管理体制が整っている」とポジティブな印象を与えられるようになりました。2. 資本政策に具体的なアドバイスがもらえるように創業メンバーの持株比率、ストックオプションの配分、希薄化の影響など、経営陣が曖昧にしていた部分に対して、明確な助言がありました。税理士が「ファイナンスに強い」ことは、ベンチャー企業にとって非常に重要です。3. 税理士がVCとの面談にも同席VCとのミーティングに、税理士が同席してくれるケースも増えました。経営者の説明を補完し、資金使途や税務処理の合理性を第三者として説明してくれる存在は、投資判断にも安心感を与える大きな要素となります。成功のカギは「会社の成長段階に合った税理士」税理士との関係性は、創業期の信頼から始まることが多いですが、シリーズA以降のように「他人のお金」を扱うフェーズでは、「経営者の味方」だけでなく「投資家にも信頼される存在」であることが求められます。税理士を変えることは、経営管理体制のアップグレード。資金調達の場に臨む前に、ぜひ一度見直しておきたいパートナーシップです。まとめ|投資家から信頼される体制づくりの第一歩資金調達は、プロダクトやビジョンだけでは成り立ちません。財務の整備と説明能力も重要な評価ポイントです。「VCに強い税理士」を選ぶことは、会社の信用力を高め、未来の成長を引き寄せる力になります。税理士変更を“攻めの経営判断”として、前向きに捉えてみてはいかがでしょうか。