2023年のインボイス制度導入、2024年の電子帳簿保存法義務化。ここ数年、日本の経理・税務環境は激動の時代を迎えました。そして迎える2025年以降、税理士業界は本当の意味での「大転換期」に入ります。その中心にあるのは、間違いなくAI(人工知能)です。これまで「先生業」としてあぐらをかいていた旧態依然とした事務所は淘汰され、テクノロジーを武器にした新しい顧問契約のカタチが主流になっていくでしょう。今回は、Pision合同会計事務所の代表として、少し先の未来、2025年以降の税務業界の予測と、経営者が選ぶべき「次世代の顧問契約」についてお話しします。1. 「訪問」から「常時接続」へ:顧問スタイルの変化これまでの税理士の顧問契約といえば、「月に1回(あるいは数ヶ月に1回)事務所を訪問し、過去の試算表を見ながら話す」というスタイルが一般的でした。しかし、2025年以降、このスタイルは急速に陳腐化します。クラウド会計とAIの普及により、会計データは「月次」ではなく「リアルタイム」で更新されるのが当たり前になります。銀行口座が動いた瞬間にAIが仕訳を行い、その日のうちに試算表が出来上がる。そんな環境下で、わざわざ1ヶ月前の数字を見るために訪問を待つ必要はありません。これからの顧問契約は、「常時接続型(Always On)」にシフトします。税理士はクラウド上で常にクライアントの数字をモニタリングし、異常値やチャンスがあれば、SlackやChatworkなどのチャットツール、あるいはZoomで即座にアラートを鳴らす。場所と時間の制約を超えた、スピード感のある伴走支援がスタンダードになります。2. 「記帳代行」の終焉と「データ監査」への移行「領収書を郵送して、税理士が入力をする」という記帳代行業務は、2025年にはほぼ消滅に向かうか、あるいは極めて低価格な自動化サービスへと移行するでしょう。AI-OCR(読み取り技術)の精度向上により、入力作業の9割は自動化されます。そこで税理士に求められる役割は、「入力すること」から「AIが作ったデータを監査(チェック)し、補正すること」に変わります。経営者の皆様にとっては、コスト構造が変わることを意味します。これまで「入力作業賃」として払っていた顧問料は、「データの正当性を保証し、そこから経営のヒントを抽出する分析料」へと意味合いを変えていくのです。3. 顧問料は「作業量」から「成果・提案」ベースへAIの活用により、税理士側の作業時間は劇的に短縮されます。では、顧問料は安くなるのでしょうか? 答えは「二極化する」です。① 格安化する「AI自動処理プラン」ただ決算書を作るだけであれば、顧問料は月額数千円〜1万円程度まで下がる可能性があります。これは、ほとんど人間が介在せず、AIのシステム利用料に近い形になるためです。スタートアップや小規模事業者にとっては、選択肢が広がる良い変化と言えます。② 高付加価値化する「経営参謀プラン」一方で、人間による高度な判断を伴う顧問契約は、むしろ価格が維持、あるいは上昇する傾向にあります。なぜなら、AIにはできない「提案」の価値が相対的に高まるからです。「この数字の推移だと、来月の資金繰りがショートする可能性があります。今のうちにこの補助金を申請しましょう」「M&Aを見据えて、今のうちからバランスシートをこう綺麗にしておきましょう」こうした未来への提案こそが、2025年以降の税理士のメイン商品となります。4. 経営者が2025年に求めるべき税理士の条件これからの時代、経営者がパートナーとして選ぶべきは、以下のような資質を持った税理士です。デジタルツールへの適応力があるか「Zoomは苦手」「チャットは使わない」という税理士は、もはや選択肢に入りません。自社のDX(デジタルトランスフォーメーション)を進めたいなら、まず税理士がDXを体現している必要があります。「過去」ではなく「未来」の話ができるか面談の時間の8割を「過去の数字の確認」に使っているなら要注意です。AIが過去を整理してくれる時代において、人間は「未来の戦略」に時間を使うべきです。「これからどうするか」を一緒に考えてくれる税理士を選びましょう。他士業・他業種との連携ネットワークがあるかビジネスの課題は税務だけでは解決できません。AI時代には、専門領域がより細分化されます。弁護士、社労士、ITコンサルタントなど、信頼できる専門家ネットワークを持ち、必要な時に適切なチームを組成できる「ハブ」としての能力が重要になります。5. Pision合同会計事務所が目指す未来私たちPision合同会計事務所は、2025年を見据え、AIと人間が共存する新しい顧問サービスの構築に取り組んでいます。私たちは、AIを「事務作業のアシスタント」として徹底的に活用します。しかし、最終的な意思決定の支援や、経営者の心の機微に触れる相談においては、徹底的に「人間」でありたいと考えています。「AIで効率化し、人間で深める。」これがPisionのアンサーです。AIに任せられることは全て任せ、浮いた情熱と時間を全てクライアントの成功のために注ぎ込む。そんな次世代型のパートナーシップを求めている経営者の方は、ぜひ一度私たちとお話ししませんか。未来は予測するものではなく、共に創るものです。激動の時代を勝ち抜くための戦略を、Pisionと一緒に描いていきましょう。