「このままじゃ上場できない」社内に走った緊張感あるIT企業が、上場準備(IPO)フェーズに入った際、思わぬ足かせとなったのが「税理士との関係」でした。これまで問題なくやっていたつもりだったが、証券会社や監査法人とのやり取りが始まると、税理士の対応力の差が浮き彫りに。・質問への回答が遅い・資料のフォーマットがバラバラ・監査法人の要求に的確に対応できない・上場に向けた体制づくりに非協力的このままではスケジュールに遅れが出る——。経営陣は、緊急で顧問税理士の変更を検討し始めました。IPO準備に必要な“税理士の機能”とは?上場を目指す企業にとって、税理士に求められる役割は明確です。・監査法人や主幹事証券の求める基準を理解している・資本政策、株価評価、組織再編などの知識がある・内部統制や決算早期化に協力できる・膨大な資料作成における実務対応力がある・社内外の調整役として動ける柔軟性があるこの企業が出会った新たな税理士法人は、まさに“IPO対応専門”を謳っており、複数社の上場支援実績があるプロフェッショナルチームでした。顧問税理士を変えたことで起きた3つの変化1. 監査法人・証券会社との連携がスムーズに変更後は、監査法人からの資料依頼や質問対応を税理士が一元管理。経理部門の負担も軽減され、対応スピードと精度が格段にアップ。コミュニケーションの齟齬もなくなり、信頼関係の構築が進みました。2. IPOスケジュールの遅延が回避できた遅れていた内部統制の整備や月次決算の早期化が一気に加速。「このタイミングで税理士を変えるのはリスク」と思っていたが、結果的には“変えたからこそ”スケジュール通りに進んだといいます。3. 経営陣との連携が密になった税務の話だけでなく、資本政策や組織設計、上場後のガバナンス体制まで踏み込んだ支援があり、経営陣からの信頼も厚くなりました。「これまでの税理士とは別次元の支援」と感じたそうです。上場準備における“専門性”の重要性IPO準備は、企業のあらゆる面に“上場基準”が求められるフェーズ。会計・税務も例外ではなく、「一般的な税理士」では対応しきれない領域が多数存在します。そのため、「上場を経験している税理士」との連携は、準備を成功させる大きなカギとなります。まとめ|「変える勇気」が未来の可能性を広げる長年付き合ってきた税理士でも、上場という特殊なフェーズに対応できないのであれば、冷静に見直すことが必要です。顧問変更は、関係を切るのではなく、企業の未来のための選択。変化を恐れず、専門性の高いパートナーと手を組むことが、上場というゴールへの最短ルートになるかもしれません。