「ChatGPTって、経理の仕事にも使えるの?」「AIに仕訳を聞いたら教えてくれるって本当?」生成AIの登場以来、このような質問をいただく機会が激増しました。結論から申し上げますと、ChatGPTは経理実務において「最強のアシスタント」になり得ますが、使い方を間違えると「危険なトラブルメーカー」にもなります。今回は、Pision合同会計事務所が実際に活用している事例を交えながら、経理担当者が知っておくべき「ChatGPTの守備範囲」と、絶対にやってはいけない「NG行動」について解説します。1. ChatGPTが「神」レベルに役立つ経理業務3選まずは、積極的に任せるべき業務です。ChatGPTが得意なのは「言語化」「要約」「プログラミング的思考」です。① Excel関数・マクロの生成と解説これが最も実用的で、即効性があります。経理担当者なら「このセルの文字を抽出して、こっちの表と突合させたいけど、関数がわからない…」と悩むことがあるはずです。そんな時、ChatGPTにこう投げてみてください。「A列に日付、B列に金額が入っています。月ごとの合計金額を算出し、別のシートに集計するマクロを書いてください」数秒で完璧なVBAコードや、複雑な関数式を提示してくれます。エラーが出た場合も、エラーメッセージをコピペすれば修正案を出してくれるため、Google検索で解決策を探し回る時間はゼロになります。② 督促メールや社内文書の作成「取引先からの入金が遅れているので督促したいが、角が立たないように伝えたい」。このような、心理的な配慮が必要なメール作成は、意外と時間がかかるものです。ChatGPTに「取引先への入金督促メールを作って。丁寧かつ毅然とした態度で」と指示すれば、非常にクオリティの高い文面を作成してくれます。あとは微調整するだけなので、作成時間は10分の1に短縮されます。③ 複雑な資料の要約と整理国税庁のタックスアンサーや、新しい制度の解説文は難解です。その文章をコピペして「これを経理初心者にもわかるように、3つのポイントで要約して」と指示すれば、瞬時にポイントを整理してくれます。情報のインプット速度を上げるために使うのは非常に有効です。2. 絶対にNG!ChatGPTに任せてはいけない業務一方で、ChatGPTには致命的な弱点があります。ここを理解せずに使うと、誤った申告や情報漏洩につながります。① 正確な「税額計算」や「仕訳」の判断ChatGPTは「言葉を繋げる」のは得意ですが、「計算」は意外と苦手です。単純な足し算すら間違えることがあります。また、ネット上の古い情報を基に回答することがあるため、「最新の税法」に対応していないケースが多々あります。「この取引の仕訳は?」と聞いて、もっともらしい回答が返ってきても、それが現在の税法で正しいとは限りません(ハルシネーション)。税務判断や最終的な計算は、必ず人間(または専用の会計ソフト)が行う必要があります。② 個人情報・機密情報の入力これが最大のリスクです。ChatGPT(特に無料版や学習機能をOFFにしていない場合)に入力した情報は、AIの学習データとして利用される可能性があります。「株式会社〇〇の売上データ:4月 500万円…」「社員Aさんのマイナンバー:1234…」これらをプロンプトに入力することは、ネット上に情報をばら撒いているのと同じです。実務で使う際は、固有名詞を「A社」「X氏」などに置き換えるか、データ学習を行わない設定(オプトアウト)を確実に行う必要があります。3. プロが教える「賢い使い分け」の極意経理実務におけるAI活用の正解は、以下の役割分担です。ChatGPT(生成AI): 下書き、アイデア出し、Excelの補助、文章作成クラウド会計(特化型AI): 仕訳の自動化、計算、集計人間(税理士・担当者): 真偽のチェック、最終判断、責任ChatGPTに「答え」を求めると火傷します。あくまで「優秀な新人アシスタント」だと思い、彼が作った成果物を上司であるあなたがチェックする。このスタンスが重要です。4. Pision合同会計事務所のAI活用支援私たちPision合同会計事務所では、単に「税金の計算」をするだけでなく、「どうすれば経理業務を楽にできるか」という業務改善のコンサルティングも行っています。「ChatGPTを使ってみたいけど、情報漏洩が怖い」「Excel作業を自動化したいがやり方がわからない」。そんなお悩みがあれば、ぜひご相談ください。最新ツールを安全に使いこなし、経理部門を「コストセンター」から「価値を生む部門」へと変えていきましょう。