2002年以来の円安が到来しています。
消費者として身近な食料品やモノの価格の上昇は感じますが、
会社や個人の会計や税金にも影響があります。

この【外貨建取引】について簡単にご紹介します。

・円安について
・結論ー会計と税金にどう関係するか
・より具体的に外貨建取引を見てみる
・影響を抑えるにはどうしたらいいか

円安について

まずはこの「円安」という状況がどういうものかを確認しましょう。
円安=ドル高とは、文字通り「円が安い」つまり「円が沢山ないとモノ(ドル)が買えない状態」
です。
1ドルを購入(一般的な両替)するときに、たくさん円を用意しないといけない状態です。
逆に言えば、1ドルを円に両替するときにはたくさん円が手に入ります。

なぜこの状況が問題になるか、というのは様々な視点がありますので一概には言えませんが、
会社などの立場からすれば、
「必要なモノを海外から買うのに用意する円が増える」つまりコスト高になってしまいます。

 

結論ー会計と税金にどう関係するか

本題です。

会計や税金の計算で特有の、円安の影響といえば、
【外貨建取引による為替差損益】があげられます。

※大企業の場合にはさらに見込みの損失や原価高騰が会計に反映されて株価に反映される、
などの影響もあります。

極端な例をご紹介します。
会社が1ドルを持っていたとします。
この1ドルは100円で買いました。
期末には1ドル130円になっていました。

この場合、期末にはこの1ドルは130円の価値があるので、30円の為替差益が生じます。
つまり「実際に円が増えているわけではないのに30円利益が出たとして計算される」
もっといえば「お金がないのに税金がかかる」という状態になります。
※あくまでも説明のための例示です※

より具体的に外貨建取引を見てみる

会計や税金において、外国とドルやユーロといった外国通貨で取引を行う場合には、
「外貨建取引」といわれます。

会計や税金は、日本円で記録したり、計算したり、納税したりするので、
この外国通貨は日本円に換算されます。

基本的には、外国通貨が帳簿で初めに記録される金額(上記の例だと100円)と、
期末や実際に円に換えたときの金額(上記の例だと130円)は、為替差益とされて、収入か費用とされます。

特殊なのはこの期末に換算しないといけないものがある、という点です。

この換算方法は、税金のほうは下記の図のように定められています。

これに加えて、会計上の処理はまた別に詳細が定められています。

 

影響を抑えるにはどうしたらいいか

影響を抑えるために、「ヘッジ(回避)」という手段があります。
また、影響を抑えるためというよりは、「予測可能にする」ために「為替予約」という手もあります。

税務上は、上記の換算方法を選定しておくことも、予測可能なものにする手段として挙げられます。