お金をあげたりもらったり、タダで高級なものをあげたりもらったらしたら、
贈与税がかかることをなんとなく知っている方も多いと思います。
しかし、「安く買えばセーフ」と考えてしまうのも危険なことはご存じでしょうか?
今回は、「とても安い金額でモノを売買」するときの注意点をご紹介します。
・贈与税の基本
・とても安い金額で売買すればセーフ?
・どうやって税金がかかる?
贈与税の基本
まずはじめに、贈与税について確認しましょう。
贈与税は、贈与が一定の金額以上ある場合にかかる税金で、比較的税率が高いです。
また、贈与を簡単に言うと、「一人がタダで何かをあげ、もう一人が”わかった”ともらう」という行為(契約)です。
贈与税は、この「タダで価値あるモノをもらった」=「税金負担できるよね」という考え方で、税金を課しています。
更に、贈与や贈与税というのは、一般的には親族間で行われるので、「将来相続税がかかる財産を生前に贈与する」ことに
対しての、税金の前払い的な性格もあります。
(見方によっては色々と存在意義がいえます)
とても安い金額で売買すればセーフ?
本題です。
贈与が上記のような契約であれば、
「タダじゃなければいいのでは(贈与税がかからないのでは)」と考えられます。
しかし、税金はその実態や実質に着目するため、
「実質的にタダであげているとみなせる部分」については贈与として
決めつけて、税金がかかることになります。
例えば、1,000万円の価値がある宝石を親から子供へ10万円で売ったとします。
「売買」なので「贈与」ではないように思えますが、実態は、
「990万円を贈与」していることと同視するということです。
どうやって税金がかかる?
このような贈与としてみなされて、贈与税がかかる状態は、
「時価に比べて著しく低い価額による譲渡」が行われたとき、と言われます。
そして、上記の通り、「著しく低い価額」上記の例だと990万円が贈与とみなされて、
贈与税がかかることになります。
ここでさらに2点問題があります。
①時価
まず、「時価と比べるというが、時価とは何か」という問題です。
簡単な例だと、上場株式はその贈与があった日の株価を使えばいいし、
例えばAさんが宝石を買った日にBさんにあげた場合には、その買った金額でいいでしょう。
一方で、時価がわかりにくいものは、「時価とは何か」が非常に難しくなります。
②著しく低い価額
また、「著しく低い」とはどれくらいなのか?という問題があります。
上記の例でいう「1,000万円を10万円で」については、ほとんどの人が異存なく「著しく低い」と考えます。
一方で、例えば、「1,000万円のものを600万円で」であったり、「1,000億円のものを990億円で」となるとどうでしょうか?
400万円や10億円という金額なのか、40%や99%という割合に着目するのか、という議論が始まります。