菅首相は臨時国会の所信表明演説で、

2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロ(森林吸収分などを差引き後の値)とし、
脱炭素社会を目指すことを宣言、再生可能エネルギーなどグリーン化投資推進を成長戦略に位置付ける方針を示しました。
対応策の一つと検討されるのが、グリーン化税制(炭素税、エネルギー税、車体課税、投資減税など)です。

◆炭素税と排出量取引

炭素税は、温室効果ガス排出量に応じて課税されます。
排出量に応じた価格付け(カーボンプライシング)を行い、市場メカニズムを通じて排出量の削減をはかります。  

カーボンプライシングには、炭素税のほかに排出量取引があります。
これは、排出者に排出量の上限を定め、他の排出者との取引を認める制度です。
どちらも高い削減効果が認められますが、反面、経済成長を抑制する側面もあるといわれています。

日本では、炭素税「地球温暖化対策のための税」が導入されており、
原油や石油製品など化石燃料に対して課税しているほか、東京都や埼玉県では、
燃料・熱・電気の使用量の大きな事業者に対してCO2削減を義務付け、排出量取引制度が行われています。

◆エネルギー税、車体課税と投資減税

エネルギー税は、化石燃料等の消費や、CO2を排出する車体に課税されます。
揮発油税、軽油引取税など化石燃料の引取りや、自動車税など自動車の取得・所有に課税します。

投資減税は、CO2排出量が少なく、エネルギー効率の高い設備や製品への研究開発投資に対する税額控除や、
減税措置など優遇措置をとり、経済的インセンティブを高めます。これらは排出量に応じた措置でなく、削減効果は限定的といわれています。

◆グリーン化投資を新たな事業機会に

ESGに取り組む上場企業への株式投資を促す開示制度(TCFD)も開始されており、
世界は、低炭素でレジリエントな社会への転換を目指しています。

ポストコロナ下での経済は、環境と共存できることが求められます。
中小企業にとっては、グリーン化のための製品・サービス開発が新たな事業機会となるかもしれません。