4月から税務申告の電子化が義務づけられる企業の準備の遅れを、政府が懸念しています。
対象となる企業は約2万4千社に上りますが、コストや手間が重荷になって体制整備が進んでいないケースが多いと政府は見ています。
業務の効率化を図るためのシステムが、かえって混乱を招きかねない事態です。

2019年12月に施行されたデジタル手続法に基づき、パスポートの申請など約500の手続きが順次電子化されています。
4月以降は、資本金が1億円を超える企業には法人税と消費税の電子申告が義務づけられます。
例えば3月期決算の企業の場合、法人税は9月期までの中間申告の段階から電子化が求められることになります。
消費税は年間の申告回数によって異なるものの、早い企業だと6月末までに対応する必要があります。

国税庁による18年の調査では、資本金1億円を超える7割の企業が電子申告を利用していました。
ただし「別表」と呼ばれる申告書本体だけにとどまっている企業は多く、4月からは財務諸表や勘定科目内訳明細書など添付書類も電子化して提出しなければなりません。
さらにこうしたシステムを単に導入するだけでなく、業務のプロセスも見直しが必須です。
書面ベースで進めてきた稟議のような社内の承認手続きも改めなければならず、大手メーカー幹部は「昨春から作業を始めたが、経営陣も意識改革が求められ、かなり面倒でなかなか進まない」と打ち明けます。

<情報提供:エヌピー通信社>