今回で経費に関する考察は最後です。
最後は、事業関連割合による自己否認についてです。
事業関連割合と自己否認の二つに分けて考えてみます。
事業関連割合
事業関連割合とは、読んで字のごとく、その経費が事業に関連している割合です。
例えば、水道光熱費。
職場の水道光熱費は100%関連しているので、100%経費になる。
一方、自宅にも作業場を設けており、平日のうち1日は家で仕事をしている場合、
1か月の光熱費×1/7日/週×4週(1月)分×書斎のスペース分
は事業に関連しているといえそうです。
逆もまたしかりで、例えば、
事業用に購入した軽トラでも、平日は事業用に、土日は自宅でプライベートに使っているとしたら、
ガソリン代や車体代の2/7日は事業とは関連しなさそうです。
このように、事業用でもプライベート部分が、プライベート用でも事業用部分が含まれていて、
事業に関連している割合が事業としての経費でしょ、というのが事業関連割合という観点です。
よく割合が関係する支出
車関係
地代家賃
水道光熱費
電話代、ネット代などの通信費
被服費
備品などなど
自己否認
ようは、自ら進んで、「これは経費ではありません」とすることです。
上記のように事業用部分とプライベート部分が混ざっているような支払いがある場合には、
プライベート部分を自ら否認(経費から除外する)ようにするといいと思います。
なにがいいのか
例えばAさんとBさんがいて、それぞれ経費の主張を次のようにしています。
Aさん
通信費も家賃も車両関係もすべて事業用だと言い張ってすべての支払いを経費として主張
Bさん
通信費は50%はプライベート部分、家賃は実際の部屋の間取りの割合で事業用を算出し、車両は事業用にしか使っていないから100%事業用と主張
Aさんの主張に比べ、Bさんの主張のほうが「確かに。納得できる」と思いませんでしょうか。
このように実際の割合を計算して自らプライベート部分を分けたりすると主張の信ぴょう性が上がります。
最後に
経費にできますかという質問、何が経費かという相談は多く、「いまの会計事務所は経費を認めてくれない!」などという嘆き…
様々な声を聞きますが、なかなか正解というものはありません。
ご要望やご相談に答えたり、こちらから提案することはもちろんあります。
また、お客さまには次のような考え方もご説明をすることがあります。
・本来の経費を削減しないとお金は残らない
・経費ばかり神経質になることと本業で稼ぐことのどちらが効率的か
・「これは経費になると聞いたことがある」というのは「耳障りがいい話が独り歩きする現象」でもあるので、要注意(経費に限らず)
・経費をバンバン入れるリスク(否認されてしっぺ返し)はお客様が負うことも。
・反対に言われるがまませっかく経費になる物を逃していませんか?