働き方改革が国策として掲げられ、多くの企業で取り組みが施されています。

働き方改革といえば育児休暇や労働時間短縮といった施策に目が行きがちです。
その中、最近は介護休業制度を充実させる企業が増えています。

具体例としてエネルギー大手企業を挙げると、

同社ではテレワーク制度を導入しました。これは社員が時間や場所にとらわれることなく、いつどこでも仕事をしてもよいという制度です。
従来、親の介護で実家を訪れるときは休暇をとる必要がありました。
が、制度を活用すると、たとえば親の介護として朝食の準備、服薬の支援、デイサービスへの送り出しなどを済ませたあと、
会社の会議システムでミーティングを行うといったことが可能になります。
ほか、親が就寝した後の空き時間をうまく活用することで、メールや資料作成といった仕事もできます。
現在、テレワーク制度の導入は、仕事の状況が把握できないといった理由で、認めていない企業が多くあります
が、介護への有効な対応策として導入する企業が増えることが予想されます。

また、介護休暇の期間を延長する企業も増えています。先のエネルギー企業では、従来1年間の介護休暇を2倍の2年間に延長しています。
企業が介護休業制度の整備に力を入れる背景には、高齢化が進む中、親の介護により突如、離職しなければならないケースが増えたことがあります。
厚生労働省によると2017年、介護などによる離職は約9万人に上りました。これは離職理由の約1.2%にもなります。今
後、離職する可能性のある予備軍まで入れると介護離職者は100万人にものぼるという試算もあります。
優秀な人材を失うことは企業にとって打撃となり、今後ますます対応が必要となります。

高齢化が進む中、介護離職者は年間で約10万人にのぼり、企業は対策を迫られています。
とりわけ、これまで介護離職というと女性が多いとされていましたが、最近では男性の離職者も増えています
年齢は40~50歳代の管理職というのも特徴です。ある日、突然、プロジェクトのリーダーが退職し、進捗に支障が生じるケースも多くなっています。
仕事を支える重要なポジションにいる人の離職は会社にとって打撃となります。

こうした中、働く場所や時間を自由にできるテレワーク制度や介護休暇の延長といった施策に取り組む企業が増えています。

ほかにも、フレックスタイム制度のコアタイム撤廃を実施する企業があります。
一般的にフレックスは午前10時半~正午、午後1時~3時といったコアタイムがあり、この時間帯には会社に出社していなければなりません。
介護で親の病院に付き添う際、診察が何時に終わるかはっきりしないときは、あらかじめ有給休暇をとらなければなりません。
有給休暇を使い切ってしまった場合、病院の付き添いができなくなるといった問題が生じます。
コアタイムを撤廃することで、午前11時や午後出社も可能になるので、有給休暇をとらなくても済みます。
また、ある大手建設会社では、社員の希望により、勤務地を実家の近くにある事業所に異動した例もあります。


 介護に関する制度を率先して取り入れることは、会社のイメージアップにもつながるので、優秀な人材を採用するうえでもメリットとなります。
ただ、制度を整えても、活用しづらい雰囲気が職場に漂っていたのでは元も子もありません。
介護をしやすい職場環境を整えるには、まだまだ多くの課題が残っていそうです。(了)


(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)