わが国の企業数減少に至る主な問題・事例として

2016年現在で企業数全体の84.9%を占める小規模企業が減少していることがあげられます。
企業数減少の主な要因として、後継者不在を理由に廃業せざるをえない企業の存在があること等から、小規模企業における事業承継問題の解決が喫緊の課題となっています。

中小企業庁編『小規模企業白書2019年版』では、小規模企業における事業承継の実態や課題を
「事業承継した個人事業主」と「事業承継した小規模法人の経営者」に区分して分析しています。

同白書において、中小企業・小規模事業者の経営者を引退した者を対象に実施したアンケート調査によると、

引退した経営者と事業を引き継いだ後継者の関係においては、個人事業主では親族内承継が86.4%を占めており、
その大半は子供(男性)への承継となっています。他方、小規模法人では親族内承継が60.3%を占める一方で、親族外の承継も3割を超えています。

事業承継した経営者が引退に向けて懸案事項などを相談した「外部の専門機関・専門家」についてみると、

個人事業主、小規模法人ともに事業承継に係る手続きを行ううえで接点の多い「公認会計士・税理士」を相談相手とする割合が最も高くなっています。
次に、個人事業主においては「商工会議所・商工会」、小規模法人においては「取引先金融機関」の割合が高くなっており、
小規模な個人事業者及び法人にとって、地元の商工会議所や商工会、金融機関が事業承継の相談窓口として機能していることが示されています。

このように、小規模企業の経営者が事業承継の課題を解決するためには、様々な専門機関・専門家と連携して経営者引退の準備をすることが重要となるのです。

では、小規模企業における事業承継問題の解決にあたっては、具体的にどのような支援が行われているのでしょうか。

そこで、中小企業庁編『小規模企業白書2019年版』において、小規模事業者の後継者のマッチング支援を行う自治体の事例として取り上げられた滋賀県東近江市の取り組みについてみていきましょう。

滋賀県東近江市は、

同県の廃業率が他県と比較して高いこと、後継者不在のために黒字状態で廃業する事業者がいることに問題意識を持ち、
中小企業・小規模事業者の後継者候補探しを支援する取り組みとして「まるごと東近江あとつぎさん募集事業」を実施しました。

同市では、2018年1月に、同市の魅力をPRすることを目的に、
市内の商工会・商工会議所、工業会、観光協会、JAなどを構成団体として、「まるごと東近江実行委員会」を立ち上げました。
そこで、特に商工会・商工会議所から、同市の魅力を伝えることで、事業承継を支援することにつながる事業ができないかとの提案があり、同事業が進められました。

同事業の取り組みとして、2018年11月には東京駅近郊で「事業承継個別相談会」を実施しました。
この相談会は、同市内の黒字だが後継者がいない事業者と、首都圏の様々なスキルを持った人材を後継者候補としてマッチングさせることを狙いとして行われました。
地道な広報活動が奏功し、各事業者はおおむね10~30件程度の相談者と面談することができました。相談会後の事業承継に関するやり取りは、商工会・商工会議所が支援しながら進めています。


 このように、小規模企業の事業承継支援にあたっては、行政機関、商工会・商工会議所などといった様々な支援機関が連携して取り組むことが重要となるのです。(了)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン



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