「預貯金者の意思に基づく個人番号の利用による預貯金口座の管理等に関する法律」によりますと、

マイナンバー(個人番号)と預貯金口座を紐付けすることにより、
様々な給付金を簡単な手続きで受け取れるようになり、
災害時や相続時などに通帳を紛失してしまい、口座が分からなくても、口座の所在を確認できる制度が創設されます

この法律によりますと、

本人の同意を前提とし、一度に複数の預貯金口座への個人番号の付番が行える仕組みや、
金融機関窓口からの番号登録だけでなくマイナポータルからも登録できる仕組み、
相続時や災害時に預貯金口座の所在を確認できる仕組みを定めております。

法律の施行は、公布日から3年以内とされており、内閣府の資料によりますと、
相続時などサービス開始時期は2024年度からの予定となっております。

現在、被相続人が亡くなった場合、
被相続人の預貯金がどの金融機関に預けられているのか相続人が把握できないケースがあり、相続時の問題となっております。

創設された制度では、相続人は預金保険機構に対し、
全ての金融機関が管理する相続人の被相続人である預貯金者を名義人とする全ての預貯金口座について、
金融機関及びその店舗の名称、預貯金の種別及び口座番号の通知を求めることができます。

なお、個人番号と預貯金口座の紐付けは、すでに2018年からスタートしており、
金融機関には、預貯金口座を個人番号と紐付けて管理する義務が課せられております。

ただし、NISAなどの投資信託や教育・結婚子育て資金の一括贈与、
外国送金など法令で個人番号の提出が義務付けられているものと異なり、
預貯金口座の場合は、任意のため、金融機関が預貯金者に対し提出の協力をお願いする形となっております。

新法により、金融機関は口座開設時等に預貯金者に対し、
個人番号利用による預貯金口座の管理の希望の有無の確認が必要になりましたが、
これまで同様、個人番号の提出義務は規定されておりません。
今後の動向に注目です。

(注意)
 上記の記載内容は、令和3年8月2日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、
記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

この合意が本当に全世界で機能したらとても歴史的、画期的、革新的、そして時流に乗ったものとなります。
果たして機能するのでしょうか。

 

今年7月、

OECDでGAFAなど多国籍企業に対する新たなデジタル課税の導入が大枠で合意され、
同月、イタリアで開催されたG20においても承認を受けました。
合意内容はこれまでの国際租税法の枠組みを超える画期的なものとなっています。

◆課税はローカル、経済はグローバル

課税権はそれぞれの国が持ち、課税対象、税率などを定めます。
国際的な経済活動には2国間で租税条約が締結され国内法に優先します。
外国法人は国内源泉所得に課税され、事業所得は国内に有する恒久的施設(PE)に帰属する所得のみに課税されます。

一方、経済は国家の枠組みを超え、グローバル化、デジタル化が進み、
多国籍企業は法人税率の低い国に拠点を構え、
日本などサービス消費国にPEをもたずに事業展開することにより租税を回避できます。

OECDで合意されたデジタル課税は、多国籍企業に新たな課税の仕組みを設け、
PEが設置されない消費国においても売上に応じて法人税を課税できるようにするものです。

◆デジタル課税の2つの柱

第1の柱:グローバル収益に課税

グローバル収益が200億ユーロを超える多国籍企業を対象に、
通常利益(税引前利益率を10%として算定)を超える残与利益(10%を超える部分の利益)の
20~30%に対する法人税を、PEの有無にかかわらず、サービス消費国の間でそれぞれの売上に応じて按分します。

第2の柱:最低法人税率の導入

グローバル収益が7億5,000万ユーロ以上の多国籍企業を対象に、
最低税率(少なくとも15%)による法人税を課し、子会社等が軽課税国にある場合は、
子会社等に帰属する所得を親会社で合算し、最低税率までの上乗せ課税を行い(所得合算ルール)、
親会社等が軽課税国にある場合は、子会社等の支払う使用料等は、
最低税率の課税に服さない範囲で損金算入を否認する(軽課税支払ルール)など追加納税を課します。

◆法人税率の引下げ競争は終焉か?

これまで経済のグローバル化の中で企業を自国に誘致すべく租税競争が行われ、
世界中で法人税率の引下げが行われてきました。
今回のデジタル課税で設定される最低税率は多国籍企業に対するものですが、
感染症の影響により世界中で財政支出が増大する中、
財源確保のため法人税率の国際的な引下げ競争にも歯止めがかかりそうです。

デジタル、キャッシュレスに行政が徐々に追いついてきているようです。

 

◆どんどん便利になる納税手段

税務署や銀行での窓口納付が基本だった納税方法も、24時間対応のコンビニ納付が導入され、
平日の勤務時間以外にも納税ができるようになりました。
そして手元のパソコンからインターネットバンキングで納付できるPay-easy(ペイジー)が使えるようになり、
わざわざ納税のために外に出掛ける必要もなくなりました。

さらに、クレジットカードでの納付制度の導入で、いま手元資金がなくとも、
納付期限までに納税できるしくみも導入されました。

最新の方法としては、スマホで納付書のバーコードを読んで納付が完結するモバイルレジがあり、
これだと納付に必要な納付番号や確認番号の入力も不要の簡単版です。

◆モバイルレジとは

モバイルレジとは、請求書に印刷されたバーコードをスマホで読み取り
ネットバンキング・クレジットカードでの支払いや、口座振替の申込みができるサービスです。

コンビニや支払い窓口へでかけることなく、自宅で簡単に支払いができます。
税金のみならず、国民年金や国民健康保険、通販の請求書など、各種の請求書に対する納付にも使えます。

◆短所・長所を比較して納税方法を選択する

新しい方法がいつもお勧めというわけではありません。
それぞれ長所(メリット)と短所(デメリット)があり、それを比較してご自身で決めることになります。

モバイルレジの場合、アプリ導入が必要です。
ネットバンキングを使う場合、金融機関との事前契約が必要です。
スマホ機器がモバイルレジ対応であることが必要です。
支払金額は30万円以下に限られます。

クレジットカード払いの場合、税額の他に決済手数料がかかります
納税証明書(車検用含む)の発行は、別途申請が必要です。
資金繰りからすると、実際の現金引落日は利用するカード会社との契約となりますので、
納期限日よりも資金決済が後となります。
また、クレジットカードで付与されるポイントの有効活用ができる場合もあります。

コンビニ決済も支払金額は30万円以下に限られます。

銀行等での窓口納付では、クレジット納付はできません。
ただし、手数料は発生しません。

目まぐるしく進歩する技術や生活様式に法律も少しずつ追い付いてきているようです。

2021年6月、改正著作権法が参院本会議で可決、成立しました。主な改正点は以下になります。
①図書館関係の権利制限規定の見直し
②インターネット同時配信に関する権利処理の円滑化

①図書館に関する改正により、図書館が蔵書や資料をメールやFAXなどで利用者に送信できるようになります。

背景にあるのは、新型コロナウイルスの影響です。
書籍の中には、絶版などの理由で手に入りにくいものがあります。
このような書籍について、研究者やジャーナリストなどは図書館を活用し資料を集めます。
ただ、改正前の著作権法では、図書館が利用者に著作物をメールやFAXなどで送ることは禁じられているので、
利用者は基本的には図書館に足を運ばなければなりませんでした。

昨年、感染拡大防止のため、図書館が利用できない時期があり、
研究が進まない、原稿が書けないといった声が上がりました。
今回の改正で、利用者は来館せずにメールやFAXで資料等を受け取れるようになります

ただ、こうしたサービスには著者や出版社にとって不利益になる可能性を含んでいます
そこで、改正著作権法では、メールやFAXで送信できるのは「著作物の一部分」と定め、
加えて図書館は作家らへ補償金を支払うよう義務付けています。
とはいえ、補償金の額や一部分の範囲など、詳細は決まっていないため、今後、詰めていくことになります。

また、国会図書館は入手困難となった書籍の電子化を進め、
ウェブサイトで一般の利用者も閲覧できるように取り組んでいます。
著作権法の改正により、図書館の利便性はさらに高まることが予想されます。

②放送番組の権利処理は、テレビ番組をインターネットで同時配信しやすくするため盛り込まれた規定です。

著作権法が改正され、図書館の利用者は蔵書や資料をメールやFAXなどで受け取れるようになります。
今回の改正では、もう一つ、テレビ番組のネット配信についても、権利処理が円滑化され配信がしやすくなります。


近年、テレビの番組をネットで配信することが増えました。
ネット配信には、テレビ放映との同時配信や追っかけ配信、見逃し配信などがあります。
こうした配信の番組では、ときおり、「権利の都合上、映像を使用できません」といったテロップが流れ、
テレビでは流された映像が配信では見られないときがあります。


これは、テレビ番組のほうは使用許可が下りたものの、
ネット配信のほうでは許可が間に合わなかったことが要因としてあります。
たとえば、バラエティ番組でテレビドラマの1シーンを利用しようとすると、
原作者や出演者などに個別に許可をもらうといった、権利処理が必要になります。
こうした権利処理に対して、負担が大きいといった声が上がっていました。
今回の改正で著作権に関わる手続きが簡素化され、ネット配信や番組で利用する際の許可への負担が軽減されます。


今後、政府は「知的財産推進計画2021」を決定して、コンテンツなどに関して、
一元的に権利処理できるようにし、利用許諾の負担をさらに軽減する方針です。
また、アマチュアがFacebookやTwitter、InstagramなどのSNSに投稿した著作物に関する管理の方法も課題となっていました。
「知的財産推進計画2021」により、課題解決に進むことが予想されます。


もともと、著作権法ができたとき、インターネットは存在していませんでした。
今後、さらにネットに関する新たなサービスが生まれ、時代に合わせ法改正は続くと予想されます。(了)


(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)

 

必要な救済措置でしたが、その分のツケが回ってきました。

 

◆雇用調整助成金の大幅増加

新型コロナウイルス感染拡大で休業を余儀なくされた企業の申請で、雇用調整助成金の給付が増えました。
雇用調整助成金は企業が従業員に払う休業手当の費用を補助する制度で、
仕事が減っても働く人を解雇せず、雇用を維持してもらうのが狙いです。

元々1人当たりの日額上限は8,300円でしたが、
特例措置として今は売上げが大きく減少している企業には最大15,000円、
助成率10分の10、原則としては13,500円、助成率最大10分の9となっています。

新型コロナの影響による支給決定額は20年3月~21年7月時点の累計で4兆円を超えています。
リーマン・ショックの後も約6億5千億円で、今は6倍を超えています。
失業率は抑えられた面もありますが、雇用保険料の財源はひっ迫してきています

◆雇用保険料の財源

雇用保険は仕事を失った人のため、生活に困窮しないように給付するものと
雇用安定・能力開発の2つに分かれています。
企業からの保険料収入を財源にして、給付後の余剰は毎年積み立ています。
ただこの度のコロナウイルス感染症で雇用安定事業の雇調金の給付が一気に拡大しました。

国の一般会計からの繰り入れ、失業者向け事業の方からの借り入れで賄っています
コロナ前に4兆5,000億円あった積立金が21年度には1,700億円になる見通しです

◆厚労省が雇用保険料を上げる検討

積立金は16年以降保険料率を下げていましたが、余裕がなくなったため来年度は雇用保険料を上げる模様です。

失業者向け事業は労使で本来1.2%負担のところを0.6%で運用してきました。
これをもし本来の料率に戻すと財源は1兆円規模で増加します。
ただ被保険者が2倍の保険料徴収、企業も失業者向け部分の保険料が2倍となると負担は多大です。
また、あまり意識したことはないと思いますが、雇用安定事業は事業主のみが負担していて、
経団連等は国の一般会計からの拡充を求めています。

コロナ下で雇調金が雇用維持に一定の効果があったことは確かですが、
休業手当の補助のため、人手不足企業などへの人材移動を阻む面があると言われています。

国税庁は、令和5年10月1日より、消費税の仕入税額控除の方式としてインボイス制度が導入されることから、
「適格請求書発行事業者」になるための登録申請手続きに係る詳細情報を、同庁ホームページに公表しております。

インボイス制度とは、

複数税率に対応した仕入税額控除の方式として導入されるもので、仕入税額控除の要件として、
原則、適格請求書発行事業者から交付を受けた適格請求書(インボイス)の保存が必要になります。


インボイスを発行できる「適格請求書発行事業者」になるためには、登録申請書を提出し、登録を受ける必要があります。
 なお、適格請求書とは、以下の事項が記載された書類等をいいます。
①適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
②課税資産の譲渡等を行った年月日
③課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容
 (課税資産の譲渡等が軽減対象資産の譲渡等である場合には、資産の内容及び軽減対象資産の譲渡等である旨)

④課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額及び適用税率
⑤税率ごとに区分した消費税額等
⑥書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称、の各事項が記載された請求書や納品書、領収書、レシート等

現行の「区分記載請求書」に「登録番号」、「適用税率」及び「消費税額等」の記載が追加された書類やデータをいいます。
登録申請書の提出ができるのは、令和3年10月1日以降で、
登録申請手続きはe-Taxで行うこともでき、個人事業者はスマートフォンからも申請が可能です。

なお、相手方から交付を受けた請求書等が適格請求書に該当することを客観的に確認できるよう、
適格請求書発行事業者の情報については、同庁ホームページ「適格請求書発行事業者公表サイト」で公表されることになっております。

また、インボイス制度に関しては、全国どこからでも参加可能なオンライン説明会を開催するほか、
制度に関する一般的な質問や相談は消費税軽減税率・インボイス制度電話相談センターにおいても受け付けておりますので、ご利用ください。

(注意)
 上記の記載内容は、令和3年9月1日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、
記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

2021年度税制改正において、

祖父母などから教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度の適用期限が、2023年3月31日まで2年延長されました。

また、国税庁では、贈与者が死亡した場合の残高に対する相続税課税について、
贈与者の死亡までの年数にかかわらず、管理残額に相続税が課税されることや、
相続人ではない孫は相続税の2割加算の対象となり、その周知を図っております。

具体的には、

信託等をした日から教育資金管理契約の終了の日までの間に贈与者が死亡した場合において、
受贈者がその贈与者から信託等により取得した信託受益権等についてこの非課税制度の適用を受けたことがあるときは、
その死亡の日までの年数にかかわらず、
その死亡の日における管理残額をその受贈者がその贈与者から相続等により取得したものとみなすこととされました。

ただし、贈与者がその死亡の日において、受贈者が、
23歳未満である場合
②学校等に在学している場合
③教育訓練給付金の支給対象となる教育訓練を受けている場合のいずれかに該当する場合には、
管理残額への相続税課税からは除かれます

上記②又は③については、
その旨を明らかにする書類を贈与者が死亡した旨の届出とあわせて金融機関等の営業所等に提出等をした場合に限られます。

また、受贈者がその贈与者から相続等により取得したものとみなされる管理残額について、
その受贈者が贈与者の子以外(孫など)の者である場合は、その贈与者の管理残額に対応する相続税額について、
相続税額の2割加算の対象とされ、これらの見直しの適用時期は、
2021年4月1日以後に信託等により取得する信託受益権等に係る相続税及び贈与税について適用されます。

拠出時期による相続税課税及び相続税額の2割加算を比較してみますと、

相続税課税については、2019年3月31日までは課税がなく、
2019年4月1日から2021年3月31日の間は死亡前3年以内の拠出分に限り課税があり、
2021年4月1日以降は課税ありとなります。
相続税額の2割加算については、2021年3月31日までは適用はなく、
2021年4月1日以降は適用がありとなりますので、あわせてご確認ください。

(注意)
 上記の記載内容は、令和3年7月5日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、
記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

中小企業経営者の節税手法として活用されてきた一部の生命保険について、
国税庁は名義変更時の評価方法を見直す改正通達を発遣しました。

今後は低解約返戻金型の定期保険について、低額で経営者個人に譲渡して行う節税策が使えなくなります
規制の対象となるのは、2019年7月8日以後に加入した保険契約の、今年7月1日以降に行われる名義変更です。

今回の通達で見直されたのは、

加入当初は保険料が割高な上に解約返戻金も極端に低く抑えられているものの、
一定のタイミングで返戻金が急増するように設定されている保険商品の評価ルールです。
保険の譲渡額は、譲渡時の解約返戻金相当額で評価されるため、
法人で加入して割高な保険料を会社で負担し、返戻金が急増する直前に名義を経営者個人に変えると、
経営者は低い返戻金相当の金額で保険契約を手に入れ、その後、急増した高額の返戻金を受け取れるという仕組みになっていました。

改正通達では

同種の保険について、個人が会社から保険を譲渡される時の評価額の計算方法を変更し、
解約返戻金が法人の資産計上している保険料の7割に満たなければ従来の解約返戻金としてではなく
資産計上額で評価するとのルールを提示しました。
それまで支払ってきた保険料と返戻金に著しいかい離が生じているときには、返戻金相当額での譲渡を認めないことになります。

なお、先立って発表されたパブコメの募集結果では、

当局は「今回の見直しの対象は、法人税基本通達9-3-5の2の適用を受ける保険契約等に関する権利としていますが、
法人税基本通達の他の取扱いにより保険料の一部を前払保険料に計上する『解約返戻率の低い定期保険等』
及び『養老保険』などについては、保険商品の設計などを調査したうえで、見直しの要否を検討することとしています」
と答え、今後のさらなる規制強化にも含みを持たせています。

<情報提供:エヌピー通信社>

改正になりましたが、還付は早くしたいので、早めに申告したほうが良さそうです。

2021年度税制改正により、一部の者に課されていた所得税の還付申告の義務をなくし、
その申告書の提出期間は、現行の所得税の申告義務がないものの還付申告書の提出期間と同様とするよう見直されます。

この改正は、

2023年1月1日以後に確定申告書の提出期限が到来する所得税から適用されます。
確定所得申告を定めた現行の所得税法120条は、
雑損控除等の控除後のその年分の総所得金額に係る税額が配当控除の額を超えるときは、
第3期(その年の翌年2月16日から3月15日までの期間)に、一定の事項を記載した申告書を提出しなければならないと定めております。

しかし、このように計算された所得税の額の合計額が配当控除の額を超える場合であっても、
一定のケースでは確定申告書の提出を不要とするように見直されます。

具体的には、その計算した所得税の額の合計額が配当控除の額を超える場合であっても、
控除しきれなかった外国税額控除の額があるとき、
控除しきれなかった源泉徴収税額があるとき又は控除しきれなかった予納税額があるときは、確定申告書の提出を要しないことになります

この場合における確定申告書の提出期間については、

現行の申告義務のない者の還付申告書の提出期間(その年の翌年1月1日から5年間)と同様となります。
これに伴い、還付等を受けるための申告は、
①所得税の額の計算上控除しきれなかった外国税額控除の額がある場合は、その控除しきれなかった金額
②金額の計算上控除しきれなかった源泉徴収税額がある場合は、その控除しきれなかった金額
③金額の計算上控除しきれなかった予納税額がある場合は、その控除しきれなかった金額
を記載した申告書を提出することができるように改められます。

また、更正等による源泉徴収税額等の還付も見直され、

還付加算金を計算する場合の基礎となる期間については、
更正等の日の翌日以後1ヵ月を経過するまでの期間に改められますが、
その更正等が更正の請求に基づく場合は、
その請求の日の翌日以後3月を経過する日とその請求に基づく更正の日の翌日以後1月を経過する日とのいずれか早い日、
また、決定に係る更正の場合はその決定の日となるように改められますので、ご注意ください。

(注意)
 上記の記載内容は、令和3年7月1日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、
記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

申告書

長年論点になってきた相続税、贈与税の改正が実現するかもしれません。その場合にはどのような制度になるのでしょうか。

相続税と贈与税は、それぞれの税率に差異があるため、いつ財産を移転するかで税の負担に違いが生じます。
生前贈与の動機ともなりますが、近い将来、この相続税・贈与税の制度は変わるかもしれません

◆欧米は、資産の移転時期の選択に中立的

欧米では、財産の移転について相続時にまとめて課税する方式をとっています。
米国では、一生涯の累積贈与額と相続財産額に一体課税し、ドイツでは相続前10年間、
フランスでは15年間の累積贈与額と相続財産額に一体課税します。

税率は、贈与税・相続税で共通のため、米国では生涯にわたる税負担が一定となり、
同様にドイツでは10年間、フランスでは15年間、税負担が一定となります。
これらの国では、資産の移転時期の選択に中立的な税制となっています。

◆日本は、有利不利が生じる税率構造

これに対し、日本では贈与税と相続税は別体系で課税されます。
生前贈与には「暦年課税」と「相続時精算課税」の2種類があり、暦年課税の場合は、
相続前3年間、相続時精算課税を選択した場合は、選択後の累積贈与額と相続財産額に一体課税します。

相続財産が比較的少ない層にとっては、相続財産に適用される税率に比べ、贈与税の税率が高い水準にあるため、
分割贈与をしても高い贈与税率が適用される余地が多くなり、贈与に抑制的に作用します。
他方、高額な相続財産を有する層では、相続財産に適用される限界税率(55%)を下回る水準まで分割贈与することで、
相続税の累進負担を回避して財産を移転できます。
 一方、贈与税には、住宅取得等資金、教育資金、結婚子育て資金の非課税贈与制度があり、
贈与による財産移転が有利となります。
以上から、日本の税制は資産の移転時期の選択に中立的な税制ではありません。

◆政府税調では税制見直しの議論が進む

政府税調では、相続税のもつ「富の再分配機能」「格差固定化の防止」の観点から、
相続税・贈与税の見直しが議論されています。
感染症やグローバル化の中、富が社会に偏在することは経済格差を生み、
不安定な生活は人の幸せにつながらないことから、あらためて「資産移転の時期の選択に中立的な税制」が検討されています。
財産を次世代に渡す高齢者世代も、受継ぐ若者世代も税制にとらわれず、それぞれの暮らし方に応じた時期の移転が望まれます。