使っている方がいるのか知りませんが、さらに簡素化するみたいです。
ただ、確定申告で適用したほうがいい方もいるので、要注意です。

 

◆ふるさと納税の確定申告が簡単になる?

個人の所得・控除によって決まる控除上限金額までの寄附なら、
自己負担が2,000円で返礼品が貰えるふるさと納税制度。

令和元年度の寄附件数は約2,334万件寄附総額は約4,875億円となり、すでに市民権を得た制度となっている印象です。

寄附によって後から税金が減る形になりますが、寄附をしただけでは税金が減りません。
確定申告をするか、自治体5か所以内への寄附かつ他に確定申告をする必要のない方が利用できる、
ワンストップ特例の申請をしなければなりません。給与収入のみの方であれば、
電子申告を利用すると作成の手間もあまりなく、提出も自宅等で行えるため、
確定申告はかなり簡単ですが、令和3年分の申告からは「寄附金控除に関する証明書」の発行により、
さらに簡素化される見込みです。

◆先行して生命保険料控除がやっている制度

ふるさと納税を扱っている特定事業者が発行する年間寄附額を記載した「寄附金控除に関する証明書」は、
電子データや郵送等で寄附を行った方に提供されます。

寄附を行った方は、証明書のデータを市販の確定申告作成ソフトや国税庁の確定申告作成コーナーで読み込ませることで、
今まで1つずつ寄附先や寄附金額を入力していた手間が省けます。
令和2年分の申告や年末調整で導入された、生命保険料の控除証明書等の電子的交付と同じ仕組みです。

また、e-Taxではなく、紙の申告書を提出する場合でも、今までは寄附金受領書をすべて提出していたものが、
証明書データを国税庁が提供するQRコード付証明書等作成システムで読み込むことに
よって生成される書類を添付する方法を取ることができますので、こちらも簡素化が可能です。

◆特定事業者認定に注意

「寄附金控除に関する証明書」を発行することのできる特定事業者は、
地方公共団体と特定寄附金の仲介に関する契約を締結している事業者となり、
ふるさと納税でよく聞くポータルサイトを運営している団体となりますが、
規模の小さい団体は、まだ特定事業者として確認できないものもあります。
簡素化制度を使いたい場合は、お使いのサイトが特定事業者に認定されているか確認しましょう。

居酒屋で有名なチェーン企業の焼肉店への業態転換が一時話題になりました。
なぜ、焼き肉店へ、コロナ禍において転換するのでしょうか?

新型コロナウイルスの感染拡大による業績悪化に苦しむ外食店で、焼き肉店への業態転換が目立っています。

換気の機能が充実していることや、自宅で同じ味を出しにくくファミリー層に人気が高いことなどが要因のようです。

感染拡大を受けた緊急事態宣言や、休業要請などによって窮地に追い込まれた外食産業では、
テイクアウトや宅配を強化するなど、生き残りをかけた動きが続いています。

焼き肉店への転換もこうした動きを反映したものと言えます。

例えば居酒屋大手は、住宅地や郊外に焼き肉の店の出店を進めています。
焼き肉に経営資源を集中するとのことです。

焼き肉店では、

回転寿司などと比べて寡占が進んでいないことも追い風になっています。
団体客が多い居酒屋やファミリーレストランと比べて客数の減少が限られていることも堅調の要因です。

感染が終息しても、在宅勤務の定着などにより、コロナ前と同じ状況には戻らないことが予想されます。
このため外食産業の中で堅調な焼き肉店へ業態転換し、業績改善を目指す動きは今後も続きそうです。
一方で、専門家からは焼き肉店への参入が続くことによる競争激化を不安視する声も上がっています。
店舗ごとの〝消耗戦〟になることが懸念されています。

<情報提供:エヌピー通信社>

 

◆経営力向上計画の概要

「経営力向上計画」は、人材育成、コスト管理等のマネジメントの向上や設備投資など、
自社の経営力を向上するために実施する計画で、認定された事業者は、税制や金融の支援等を受けることができます。

◆制度利用のポイント

【ポイント1】申請書様式は3枚
①企業の概要、②現状認識、③経営力向上の目標及び経営力向上による経営の向上の程度を示す指標、④経営力向上の内容、⑤事業承継等の時期及び内容など簡単な計画等を策定することにより、認定を受けることができます。
【ポイント2】計画策定をサポート
 認定経営革新等支援機関に計画策定の支援を受けることができます。
また、ローカルベンチマークなどの経営診断ツールにより、計画策定ができるようにしています。
【ポイント3】計画実行の3種の支援措置
●税制措置…認定計画に基づき取得した設備や不動産について、法人税や不動産取得税等の特例措置が受けられます。
●金融支援…政策金融機関の融資、民間金融機関の融資に対する信用保証、債務保証等の資金調達に関する支援があります。
●法的支援…業法上の許認可の承継の特例、組合の発起人数に関する特例、事業譲渡の際の免責的債務引受に関する特例措置

◆制度活用の流れ(税制措置を受けたい場合)

1.制度の利用を検討
 適用対象者の要件や手続等を確認後、設備投資について税制措置を受けるためには、計画申請時に工業会証明書や経産局確認書等を取得します。
2.経営力向上計画の策定
 「日本標準産業分類」で、該当する事業分野を確認の上、事業分野別指針を確認し当該指針を踏まえて経営力向上計画を策定します。
3.経営力向上計画の申請・認定
 各事業分野の主務大臣に計画申請書を提出します。認定を受けた場合、主務大臣から計画認定書と計画申請書の写しが交付されます。

※自社のみで策定が不安なら、認定経営革新等支援機関に相談することも出来ます。

負債1千万円未満の企業倒産は、

2020年度は前年度比20%増の616件に上り、00年度以降で最多だったことが東京商工リサーチのまとめで明らかになりました。
コロナ禍で業績改善の遅れが目立つ中小・零細企業の厳しい実態が浮き彫りになりました。
これまで最も多かった09年度の566件を上回っています。600件を超えたのも初めてのことです。

産業別では

飲食業を含む「サービス業他」が302件(35.4%増)と最多で、全体のほぼ半数を占めました。
酒場、ビヤホール、食堂、レストランなどの倒産が目立ちます。
次いで「建設業」90件(9.8%増)、「小売業」60件(17.8%減)、「卸売業」55件(41%増)――の順でした。

形態別では、

破産が597件(19.6%増)を占めました。
原因別で最多だったのは「販売不振」の456件(26.3%増)で、全体に占める構成比は74%で前年度よりも3.7ポイント上昇しました。
「他社倒産の余波」が2番目に多く54件(6.8%減)でした。
また「事業上の失敗」が30 件(9%減)ありました。
東商リサーチは「コロナ禍で厳しい経営環境が続き、事業基盤の構築途上で業績低迷から抜け出せなかった企業が多かったようだ」とみています。

資本金別に見ると、

1千万円未満(個人企業他を含む)が572件(19.4%増)に上り、全体の92.8%を占めました。
1千万円以上5千万円未満が43件(26.4%増)、5千万円以上1億円未満が1件(前年度は0件)あり、1億円以上は2年連続で発生しませんでした。

コロナショック以降、国や自治体、金融機関による資金繰り支援は1年を経過しました。
なおも収束を見通せない中、業績回復の遅れた企業は過剰債務を抱え、体力を消耗しています。
過剰債務を解消する施策とともに、企業に寄り添った支援が求められています。

<情報提供:エヌピー通信社>

倒産

 

中小企業庁では、

2020年6月の産業競争力強化法の改正に伴い、これまで第三者承継支援を行っていた「事業引継ぎ支援センター」に、
親族内承継支援を行っていた 「事業承継ネットワーク」の機能を統合し、
事業承継・引継ぎのワンストップ支援を行うべく発展的に改組し、
2021年4月以降各都道府県において事業承継・引継ぎ支援センターとして活動を開始しました。

事業引継ぎ支援センターは、

後継者不在に悩む中小企業・小規模事業者に対して、第三者への承継(引継ぎ)を支援するために、
2011年度に7か所設置されることでスタートしました。
その後、各都道府県に設置され、2016年度には全都道府県に設置されました。
事業引継ぎ支援センターでは後継者不在の中小企業・小規模事業者と譲受を希望する事業者とのマッチングを支援するとともに、
とくに後継者不在の小規模事業者と創業希望者とのマッチングを支援する後継者人材バンク事業の運営を行ってきました。

事業承継ネットワークは、

地域の支援者同士が個別企業支援で連携できる地域プラットフォームを確立し、
事業承継に向けた気付きの機会を提供することを目的として、2017年度より都道府県単位で、
商工会・商工会議所、金融機関などを構成機関として構築されました。
同ネットワークでは事業承継診断を起点としたプッシュ型の支援に連携して取り組むとともに、
地域の専門家と連携して踏み込んだ事業承継支援を行ってきました。

これらの両機関を事業承継・引継ぎ支援センターとして統合することで、

事業承継・引継ぎのワンストップ支援を行うことが可能となり、
親族内承継や第三者承継(M&A)などの幅広い相談により柔軟に対応することが期待されるのです。

では、統合後の事業承継・引継ぎ支援センターにはどのような役割が期待されているのでしょうか。

一つ目の役割としては、事業承継に関するニーズの掘り起こしです。
事業承継・引継ぎ支援センターでは、承継コーディネーターを責任者とし、
経営者にとって身近な支援機関等による支援のためのネットワークを構築します。
そして、ネットワークの構成機関にてプッシュ型の事業承継診断を実施し、
経営者の課題や事業承継支援ニーズを掘り起こします。

また、エリア毎にエリアコーディネーターを配置し、エリア内の構成機関が実施するプッシュ型事業承継診断をサポートするとともに、
構成機関が掘り起こした支援ニーズ先の課題を整理し、承継コーディネーターを経由して課題に応じた支援担当につなげていきます。

二つ目の役割としては、ニーズを掘り起こした企業に対する事業承継支援です。
後継者不在先は第三者承継支援担当が民間M&A仲介業者などの登録機関等を活用してマッチングの支援を行います。
親族内への事業承継希望先は親族内承継支援担当が外部専門家を活用した事業承継計画作成支援等などの支援を行います。
事業承継時の経営者保証に課題がある場合は、経営者保証業務担当が外部専門家を活用した支援を行います。

このような役割に基づき、事業承継・引継ぎ支援センターでは
①事業承継・引継ぎ(親族内・第三者)に関する相談対応、
②事業承継診断による事業承継・引継ぎに向けた課題の抽出、
③事業承継を進めるための事業承継計画の策定、
④事業引継ぎにおける譲受/譲渡企業を見つけるためのマッチング支援、
⑤経営者保証解除に向けた専門家支援などの支援を無料で実施するのです。(了)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)

配当や譲渡について、所得税と住民税でことなる課税方式を選択できる、とのこと。
またもや申告書が変わりますので、要注意です。

 

◆異なる課税方式の選択が可

上場株式等の配当所得の課税方式には、①総合課税、②申告分離課税、③申告不要制度があります。
この課税方式の選択における所得税と個人住民税での関係について、
平成29年度の地方税法の改正で、解釈の確認と言える規定が設けられました。
すなわち、上場株式等の配当所得や源泉徴収選択口座内の譲渡所得等について、
所得税と個人住民税とで異なる課税方式を選択できることが明確化されました。

◆所得税と住民税の様式の不整合

しかし、所得税の確定申告書の住民税に係る記載欄には、住民税での課税方式の選択欄がありません。
従って、所得税と住民税で、異なる課税方式を選択する場合には、
個人住民税納税通知書送達日(5月下旬頃)前に、所得税とは異なる課税方式選択の旨を伝える申告書等の提出が必要でした。

◆有利不利の目安

課税総所得金額が1000万円以下の場合(上場株式等の譲渡損失なし)であれば、
所得税では総合課税、個人住民税では申告分離課税又は申告不要制度を選択するパターンが一般的には有利です

ちなみに、後期高齢者保険料や国民健康保険料の負担も、
個人住民税に係る申告による所得をその料額計算の基礎としていますので、課税方式の選択の効果はここにも及びます。

◆日税連の税制建議と今年の税制改正

なお、平成の終わり頃、この課税方式選択に係る住民税額や保険料額の長期に亘る決定誤りがあったと公表する自治体が続出していました。
これを承けて、日本税理士会連合会は2019年7月22日提出の「税制改正建議書」の中で、
「上場株式等の配当所得等に関し、個人住民税において所得税と異なる課税方式を選択する場合の申告手続を簡素化すること」を申し入れていました。

今年の税制改正大綱では、個人住民税において、
特定配当等及び特定株式等譲渡所得金額に係る所得の全部について源泉分離課税(申告不要)とする場合に、
原則として、確定申告書の提出のみで申告手続が完結できるよう、
確定申告書における個人住民税に係る附記事項を追加する、とされ、税理士会の要望が実現しています。

令和3年分からの所得税の確定申告書作成では、住民税欄の附記事項記載に要注意です。

申告書

 

2019年度税制改正における適用期限の延長に伴い、中小企業者等の法人税率の特例については、
中小企業者のうち適用除外事業者に該当するものは、その該当する事業年度においては適用を停止することとされました。

この適用除外事業者とは

基準年度の所得の金額の年平均額が15億円を超える法人をいうこととされており、
国税庁では「法人税基本通達等の一部改正について」(法令解釈通達)を同庁HPにおいて公表して趣旨説明しております。

それによりますと、この適用除外事業者の判定に当たっては、この年平均額は、基本的には、
各基準年度の確定申告書に記載された所得の金額により計算しますが、
確定申告により一旦確定した所得の金額が修正申告や更正により変更された場合には、
その変更後の所得の金額をもってその年平均額を再計算することとなるのか
それとも当初の確定申告書に記載された所得の金額から計算した年平均額でよいのか疑問が生じるところです。

この点については、所得の金額に変更があった場合に当初の確定申告書記載の所得金額により計算した年平均額とする特段の規定はないので、
各基準年度の所得金額が変更された場合には、この年平均額はその変更後の正当額により計算し、
それ以前の判定で適用除外事業者に該当しなかった法人が改めて適用除外事業者に該当することとなれば、
遡って中小企業向け租税特別措置の適用を受けることはできないとの考えを示しております。

また、この適用除外事業者の判定に当たっては、過去3年以内に合併等が行われたこと等の一定の事由がある場合には、
調整計算を行うこととされているため、例えば、
基準年度における被合併法人の所得の金額につき修正申告や更正により変更されることもあり得ますが、
その場合には、その変更後の各事業年度の所得の金額をもってその年平均額を計算することを改正通達の注書において
明らかにしていると説明しておりますので、該当されます方はご確認ください。

(注意)
 上記の記載内容は、令和3年4月5日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、
記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

あいまいですが、全国民に非常に影響がある医療費控除。
保険の適用如何や治療効果の証明如何にかかわらず、高額の医療を受けることもありますが、その場合にはどのように考えるのでしょうか?

 

がん免疫療法は、人間の持つ免疫の力を利用してがんを攻撃するがん治療法ですが治療法の中には効果がまだ認められず、
保険が適用されない自由診療となるものもあります。
高額な医療費を支払った場合、医療費控除は受けられるのでしょうか

◆診療、治療のため通常必要な医療費

所得税法では、医療費控除の対象として「医師による診療または治療」、
「治療または療養に必要な医薬品の購入」の対価のうち「通常必要と認められるもの」、
「一般的に支出される水準を著しく超えない部分の金額」と規定しています。

判例では、眼の屈折異常を矯正する目的で眼鏡等を装用した際、
医師の検査費用と眼鏡等の購入費用の医療費控除該当性が争われた裁判で
「医療費控除制度は、治癒可能な心身の機能の低下を回復させるために必要となる医療上の経済的支出に対する課税上の調整措置である」
治癒を前提とした医療であることが判示されています。

がん免疫治療の場合、自身で選択した治療法が治療の効果が証明されていない自由診療であるとしても、
そこに一定の効果が期待され、医師の診断にもとづき治療が行われているのであれば、
「治癒可能な心身の機能低下の回復」を目的とする医療行為に該当し、医療費控除が適用されるのではないでしょうか。
ちなみに丸山ワクチンの購入費用は、主治医の判断の下、主治医により治療が行われることから、
医師等による診療を受けるため直接必要な費用として医療費控除の対象となる旨の判示があります。

◆疾病予防と健康増進の医薬品は除外される

所得税通達では、薬機法に規定する医薬品が医療費控除の対象とされますが、
医薬品に該当しても疾病予防と健康増進のみに使用されるサプリメントは医療費控除の対象とされません。

判例では、健康補助食品である漢方薬が医薬品でないこと、
また医薬品に該当する漢方薬に治療・療養の必要性を認めず医療費控除が適用されなかったものがあります。

◆治療法の選択には慎重な検討を!

医療費控除が適用されるとしても自由診療で免疫療法を受ける場合は、
治療効果、安全性、費用の負担をよく検討した上で慎重な対応が求められます。
担当医とよく話し合いましょう。
また国立がん研究センターや地域拠点病院の相談窓口で免疫療法の情報を取得し、相談することもできます。

副業や複業が働き方の多様化や必要性、社会の変化に伴い増えていますが、
税制は追いついていけるのでしょうか。

 

コロナ禍で会社員の副業が身近なものとなっています。
国は成長戦略の中で既に新しい働き方として兼業・副業推進の環境整備に取り組んでいます。
しかしながら、副業に対する所得税の扱いは旧来のままです。

◆給与所得と事業所得の違い

副業に対する所得税の扱いで最初に問題になったのは、給与所得に該当するのか事業所得に該当するのかという論点でした。

最高裁昭和56年判決は、給与所得とは、会社との雇用契約のもと、
使用者の指揮命令を受ける従属関係において提供される労務の対価であり、
事業所得は、「自己の計算と危険」のもと、独立して営まれ、営利性、有償性、反復継続して遂行する意思
社会的地位が客観的に認められる業務から生ずる所得であると判示しました。

◆副業は事業所得か?雑所得か?

副業が雇用関係になく従属関係もない場合、給与所得でないことは明らかです。
とすれば副業は事業所得になると理解してよいでしょうか? 

この点、課税庁は、副業を「一般的に雑所得である」としており、給与収入に対する副業収入の規模や、
設備の状況、営業日数(会社勤務の時間以外にどれくらい割り当てるか)などを勘案して雑所得と判定しているようです。

平成30年頃までは、上記の要素を勘案して副業の損失金額を事業所得の損失と認めず、
他の所得との損益通算を認めなかった判例が多くあります。

◆副業が事業所得となる日は来るか?

これからは、会社員は勤務のかたわら、副業を普通に行えるようになり、
自己の能力を高め、人脈を広げ、経験を積み重ねていくことでしょう。
自身の労働時間を管理し、秘密保持と競業避止義務を守り、「自己の計算と危険」のもと働くことになります。

しかし、雑所得には、青色申告制度が適用されず、他の所得と損益通算も青色申告特別控除などの特典もありません。
青色申告制度の趣旨は、自主的な納税申告のため、適正な帳簿の作成を勧奨するものです。

副業を営む会社員は、適正な帳簿を作成することで管理意識が高まり、自律した仕事の仕方に転化していくことでしょう。
経営者にとっても社員のスキルが高まり、社外から新たに優秀な人材を確保する機会になるのではないでしょうか。
副業が普通に事業所得と同様に位置付けられることはないのか。

さて税の対応は?

様々な意見がありますが、法治国家、租税法律主義においては極めて合理的な選択です。
これに対して何か手を打つのかもしれませんが、それは果たして理論として通るのでしょうか。

 

◆資本金1億円は中小企業扱いで税負担軽減

新型コロナ感染の影響で、旅行業界・飲食業界を筆頭に、かつてないほど業績が悪化しています。
こうした中で、財務基盤の健全化を図るとともに、税負担の軽減を受けるねらいもある
「資本金を1億円以下にする減資」が増えています。
JTBは23億4百万円から、スカイマークは90億円から、カッパ・クリエイトも98億円から、それぞれ1億円に減資しています。

「中小企業扱い」による税負担軽減の狙いは、主に、
(1)法人税の欠損金の繰越控除の活用、
(2)地方税である法人事業税の外形標準課税の対象から外れること、
などがあります。

(1)は、大企業であれば黒字=所得と欠損金の相殺は所得の50%までに制限されていますが、中小企業は全額控除できます。
(2)は、中小企業になることで、大企業であれば赤字でも課税される外形標準課税
(事業所の床面積や従業員数、資本金等及び付加価値など外観から客観的に判断できる基準
を課税ベースとして税額が算定される課税方式)が対象外となります。


(注)上記2つの規定は「資本金の額」が基準となります。
一方、均等割(=前年の所得金額の多少にかかわらず、
地方自治体の行政サービスを維持するために要する費用を広い範囲の人に負担してもらうための税)は、
「資本金等の額=資本金+資本剰余金」が課税標準となるため、
資本金を資本剰余金に振り替えて減資をする場合(=カッパ・クリエイトのケース)では、均等割は従前と変わりません。

◆租税回避ですが合法です

租税回避は、税金を逃れるという悪いイメージがありますが、合法であれば何ら問題はありません。
意図はどこにあれ、通常の手続で減資をして、「資本金1億円超」という課税要件の充足を避けることができています。

◆租税回避への対抗は税制改正だけ

誰が見ても“最初から贈与税回避の意図がアリアリだろう”と思われた「武富士専務贈与税事件」は、
最高裁で合法の判決となりました。
結局、国は税制改正をし、こうした抜け道に蓋をすることで対処するしかできませんでした。
従業員がグループ全体で2万7千人(JTB 2020年3月末)もいてどこが中小企業だという世論が大きくなると、
税制改正で、こうした減資による減税にも蓋がされるかもしれません。

倒産