持続化給付金とは、

新型コロナウイルス感染症拡大により、営業自粛等で特に大きな影響を受けている中小企業者等に対して、
事業全般に広く使える給付金をいい、申請期間は2020年5月1日から2021年1月15日となりますので、
給付を受けようと検討される方は期限にもご注意ください。

個人事業者等(フリーランスを含む)で、

主たる収入を雑所得又は給与所得で確定申告をしている場合でも、持続化給付金の給付対象になり、
一定の条件を満たすことにより、中小法人や事業所得のある個人事業者等のように、
雑所得や給与所得の場合でも給付を受けることができますので、該当されます方はご確認ください。

具体的には、

2019年以前から、雇用契約によらず、業務委託契約等に基づく事業活動から収入を得ている事業者で、
これらの収入を確定申告における主たる収入とし、雑所得又は給与所得で収入計上していて、今後も事業を継続する意思のある事業者が対象になります。
例えば、学習塾の講師、プログラマーなどが該当し、「主たる収入」にあたるかは、
2019年分の確定申告書において、以下2つの要件を満たす必要があります。

①確定申告書・第一表における「収入金額等」欄(「総合譲渡」、「一時」を除く)のうち、
「雑・その他(ク)」又は「給与(カ)」欄に含まれる「業務委託契約等に基づく事業活動からの収入」が、他の収入区分を含めた中で最も大きいこと
②確定申告書・第三表の「収入金額」欄(譲渡所得、退職所得の収入を除く)に、
事業活動からの収入が含まれる「雑・その他(ク)」又は「給与(カ)」より大きい収入がないこと

そして、中小法人や事業所得のある個人事業者等と同様に、
売上の減少要件があり、2020年1月から12月までの任意のひと月(対象月)における業務委託契約等の収入(売上)が、
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、2019年の月平均の同収入と比較して50%以上減少していることが要件になります。

なお、会社等に雇用されている人(サラリーマン、パート・アルバイト・派遣・日雇い労働等を含む)や、
被扶養者は給付対象になりませんが、2019年中に独立・開業した場合は対象になる可能性がありますので、該当されます方はあわせてご確認ください。

(注意)
上記の記載内容は、令和2年12月1日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、
記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

◆「扶養内で働く」とは

共働きの世帯では、夫・妻ともに正社員のフルタイマーで働いているケースもあれば、
片方が会社員としてフルタイムの勤務をし、片方がパートやアルバイト等の
短時間労働をしながら家事や育児、介護等を担っているケースもあります。

ところで、会社員やアルバイト・パートの勤務経験がある方ならば、
夫や妻の扶養控除を受けてパート等で働く際に「扶養内で働く」という言葉を耳にしたことがあるでしょう。
これは、「扶養控除が受けられる範囲の中で働く」という意味で、
収入が一定額を超えると税金や社会保険料の負担が発生し家計全体の手取り額が減ることがあるため、
その一定額以下の収入となるよう勤務時間や収入を調整して働くことを指しています。

◆税金の「壁」、社会保険の「壁」

扶養控除には、「税制上の扶養」と「社会保険上の扶養」の2つがあります。
税金や保険料が発生する一定収入のラインを年収の「壁」と呼ぶことがあります。
年収が103万円を超えると、税制上の扶養から外れて、超えた額に対する所得税を自分で納める義務が発生します。
また、従業員が501人以上の会社で働く人は年収106万円、500人以下の会社では年収130万円以上になると、
社会保険上の扶養から外れて、健康保険料や年金保険料を負担する必要が出てきます

ただし、社会保険の加入には条件があり、年収で被扶養者から外れても、
労働時間が短い等の理由で自分の職場の厚生年金と健康保険に加入できない場合は、国民年金と国民健康保険に加入することになります。

◆「壁」を超えても損しない収入のラインは

では、配偶者控除の「壁」を超えて勤務をするとしたら、
具体的にはどのくらいの収入ならば税金や社会保険料を支払ってでも勤務をしたほうが、家計全体の収入が増加するのでしょうか。

結果的には130万円の収入を超えて、自分で社会保険料や年金保険料を払い、
所得税や住民税の負担もあると考えると、目安として180万円以上働かないと、家計の手取りは減ってしまいそうです。

ただ、保険料の負担は大きくとも、会社の社会保険と厚生年金に加入できれば将来受け取る年金が増え
病気で休職した際に健康保険の傷病手当金の給付、会社を辞めても雇用保険の失業給付が受け取れるなど大きなメリットもあります。

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、中小企業においてもテレワーク導入が求められています。

ここでは『中小企業白書2020年版』において紹介されたテレワーク導入の現状についてみていきましょう。

総務省「平成30年通信利用動向調査」によると、
全体ではテレワークを導入している企業の割合は19.0%となっています。
資本金規模別にみると、資本金規模が小さい企業ほど、テレワークを導入している割合が低い傾向となっています。

テレワークを導入しない理由についてみると、

「テレワークに適した仕事がないから」と回答した割合が71.6%と最も高くなっており、
次いで「業務の進行が難しいから(22.3%)」、「情報漏えいが心配だから(20.1%)」、
「導入するメリットがよく分からないから(20.1%)」の順となっています。

一方で、テレワークを「導入している」企業が導入の効果を感じているかどうかについてみると、
「非常に効果があった」、「ある程度効果があった」と回答した企業の割合の合計は全体の79.2%を占めています。
資本金規模別にみると「1,000万円未満」で56.5%、
「1,000万円~3,000万円未満」で74.0%と中小企業規模でもテレワーク導入の効果を感じている企業の割合が高いことがわかります。

テレワークを「導入している」企業の導入目的について最も回答割合が高いのは

「定型的業務の効率性(生産性)の向上(56.1%)」となっています。
また、「非常時(地震、新型インフルエンザ等)の事業継続に備えて」と回答した割合も15.1%と少ないながら存在することがわかります。

このように中小企業のリスク対策の観点からもテレワーク導入の重要性が高まっているのです。

では、中小企業におけるテレワーク導入においては具体的にどのような取り組みが行われているのでしょうか。

そこで『中小企業白書2020年版』において、「感染症BCP」に基づき
テレワークなどの感染症対策を速やかに実施した企業として紹介された
サクラファインテックジャパン株式会社(本社:従業員数170名、東京都中央区)の事例ついてみていきましょう。

同社は、医療用機械器具の製造・販売を行う企業です。
同社では2013年の風疹の流行を踏まえ、同年から会社の全額費用負担で風疹・インフルエンザワクチンの社内での集団予防接種を実施しました。
また、事前対策だけでなく、実際に感染症が流行した場合や
従業員が感染した場合にも備える必要があると考え、
東京都の感染症対応力向上プロジェクトへの参加を契機に2016年に
「感染症に係る業務継続計画」(「感染症BCP」)を策定しました。
同計画では、感染症流行時の具体的な対応策として、従業員の衛生管理の徹底や在宅勤務(テレワーク)が有効と記載されています。

2020年春に新型コロナウイルスの発生を受け、同社では感染症BCPに基づき、
すぐに発熱者の出社禁止などの措置を開始するとともに、メール、電話会議システム、
チャットアプリを活用したテレワークを推奨しました。
各部門内でチームを編成し、チームごとにオフィスと自宅とで勤務場所を分けてシフトを組むことで、
感染予防と業務継続の両立を図りました。さらに、働き方改革の一環として導入していた時差勤務制度を拡充し、
部門ごとに通勤時間を割り振ることで、感染リスクの低減を図りました。
 このように、感染症対策への備えが、テレワークや時差勤務の拡充へとつながっていったのです。(了)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)

iDeCo(イデコ)とiDeCo+(イデコプラス)の制度がより拡充されています。

◆iDeCo(イデコ)とは

iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)は、
確定拠出年金法に基づいて実施されている私的年金の制度で、加入は任意です。
iDeCoは加入者が自分で申し込み、掛金を拠出し、自分で運用方法を選んで掛金を運用します。

iDeCoでは、掛金を払い込むと所得控除の対象となり、運用期間中の運用益は非課税とされ、
そして給付を受け取るときには退職金又は公的年金として扱われ、税制上の優遇措置が講じられています。

◆iDeCo+(イデコプラス)とは

iDeCo+(イデコプラス・中小事業主掛金納付制度)とは、
企業年金(企業型確定拠出年金、確定給付企業年金、厚生年金基金)
を実施していない中小企業(従業員300人以下に限る)の事業主が、
従業員の老後の所得確保に向けた支援を行うことができるよう、
iDeCoに加入している従業員が拠出する加入者掛金に追加して、掛金を拠出できる制度です。

事業主が拠出した掛金は、全額が損金に算入され、こちらも税制上の優遇措置が講じられています。
実際に導入するには労使で合意し、イデコの実施主体である国民年金基金連合会に届け出る必要があります。

◆改正点

①iDeCoの改正

これまでiDeCoでは60歳未満の国民年金被保険者が加入可能でしたが、
高齢期の就労が拡大していることを踏まえ、2022年5月からは国民年金被保険者であれば加入可能となりまました。

これにより60歳以上のiDeCoについては、
国民年金の第2号被保険者又は国民年金の任意加入被保険者であれば加入可能となります。
また、これまで海外居住者はiDeCoに加入できませんでしたが、国民年金に任意加入していればiDeCoに加入できるようになります。

②iDeCo+の改正

2020年10月から、従業員要件が100人以下から300人以下に拡大されました。
これにより加入可能者が一気に4割増え、2253万人に増えるそうです。

利益アップ、コストダウン

◆とても長い名前になってしまった用紙

年末調整は、給与を受ける人それぞれについて、
原則毎月の給与や賞与などの支払いの際に源泉徴収した税額と、
その年の給与の総額について納めなければならない年税額とを比べて、その過不足を精算する手続です。

各種「控除申告書」を経理担当者等に出すことになりますが、
去年は「給与所得者の配偶者控除等申告書」という名前だった用紙が、
「給与所得者の基礎控除申告書兼給与所得者の配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書」という、
とても長い名前に変わりました。なお、「給与所得者の保険料控除証明書」に変更はありません。

◆基礎控除変更と所得金額調整控除新設

基礎控除は令和2年から、所得によって減額が行われるようになりました。
控除額は、所得金額(給与所得控除後の金額+給与所得以外の所得額)が、

2,400万円以下   48万円
2,400万円超2,450万円以下  32万円
2,450万円超2,500万円以下  16万円
2,500万円超 基礎控除は     0円
に変更となります。

所得金額調整控除は、給与収入が850万円を超える給与所得者で、
①本人・同一生計配偶者・扶養親族いずれかが特別障害者
②年齢23歳未満の扶養親族が居る
①か②のどちらかの条件を満たしていれば(給与収入金額-850万円)×10%=控除額となります。
なお、給与所得と年金所得の両方がある方は、確定申告で所得金額調整控除を受けられますが、
年末調整は給与収入の税額の調整を行うものなので、この控除申告書では計算をしません。

◆電子申請の方が楽?

今年の年末調整は、国税庁が無料ソフトを提供している上に、
会計ソフト会社等も、使いやすい年末調整・法定調書等の作成ソフトを販売しています。
例えば国税庁のソフトでは、従業員入力を分かりやすくするために、
最初に簡単な質問の「はい・いいえ」で入力項目の絞り込みを行う等して、
とても長い名前の紙の控除申告書の入力が必要な部分のみを表示してくれます。

年末調整

 

日本一般用医薬品連合会と日本ОTC医薬品協会は、2021年度税制改正要望を公表しました。

それによりますと、セルフメディケーション税制に関する生活者調査結果を踏まえ、
同税制の対象医薬品の拡大等、わかりやすく使い勝手のよい制度への改善を要望しております。

同税制は、

スイッチOTC医薬品(要指導医薬品及び一般用医薬品のうち、
医療用から転用された医薬品)を購入した際に、その購入費用について所得控除が受けられます。

2020年の春に実施した調査結果によりますと、同税制の認知度は72.1%、
利用意向は12.1%となり、いずれも前年とほぼ横ばいの結果となりました。
現行のままでは利用拡大が見込みにくい状況にあることが示唆されたとして、
利用上の改善ニーズの高かった「申告対象の製品を全ОTC医薬品に拡大」、
「申告手続きの簡素化」、「下限金額の撤廃」を要望しております。

セルフメディケーション税制は、

医療費控除の特例として、健康の維持増進及び疾病の予防への取組みとして
一定の取組みを行う個人の対象医薬品の購入額の合計が年間1万2千円を超えるときに、
超える部分(8万8千円が限度)が所得から控除されます。

医療費控除の特例として、2017年1月から2021年12月までの時限措置で2017年分確定申告から適用が開始されました。
また、国税庁が毎年公表している確定申告状況によりますと、
同税制の適用者数は2017年分、2018年分が各2万6千人、2019年分が3万人となりました。

これに対して、医療費控除の適用者数は2017年分が749万人、
2018年分が759万人、2019年分が756万人
で大きな差があります。
そして、今回の要望にある対象品目を全OTC医薬品に拡大した場合、
セルフメディケーション税制利用者は約19万人となり、減税規模は約8億円になるとの推計を示しております。

さらに、対象品目を全OTC医薬品に拡大した上で、控除する下限額を0円とし、
年間1万2千円超のOTC医薬品の購入をセルフメディケーション税制利用の条件とする場合、
セルフメディケーション税制利用者は約24万人(2019年分3万人)となり、
1人あたりの還付額が5,400円(同3,100円)に上昇し、減税規模は約13億円(同1億円)になるとも推計しております。
 今後の税制改正の動向に注目です。

(注意)
上記の記載内容は、令和2年10月5日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、
記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

令和2年分から適用される所得税の改正項目は多岐にわたり、
基礎控除・寡婦控除・給与所得控除・公的年金等控除・青色申告特別控除の改正や、
ひとり親控除・所得金額調整控除の創設などがあります。

このうち所得金額調整控除は、新たに創設された制度で適用が想定されるケースも多そうです。
今年の年末調整で戸惑わないよう注意しましょう。

◆所得金額調整控除

所得金額調整控除には、以下の二種類の控除があります。

(1)子ども・特別障害者等を有する者等の所得金額調整控除

【適用対象者】

その年の給与等の収入金額が850万円を超える給与所得者で、かつ、
本人が特別障害者に該当する者、
年齢23歳未満の扶養親族を有する者、又は
特別障害者である同一生計配偶者・扶養親族を有する者

【所得金額調整控除額】

{給与等の収入金額(1,000万円超の場合は1,000万円) - 850万円}×10%

(2)給与所得と年金所得の双方を有する者に対する所得金額調整控除

【適用対象者】

給与等の金額と公的年金等に係る雑所得の金額がある給与所得者で、
その控除後の合計額が10万円を超える者

【所得金額調整控除額】

{給与所得控除後の給与等の金額(10万円超の場合は10万円)
+ 公的年金等に係る雑所得の金額(10万円超の場合は10万円)}-10万円

◆注意点

年末調整で適用できるのは(1)の制度ですが、この制度については以下の注意が必要です。

①「給与所得者の扶養控除等申告書」の提出とは別に「所得金額調整控除申告書」の提出が必要となります。
②共働きの場合、扶養親族が一人であっても要件を満たせば、夫婦の双方で適用することも可能となります。

共働き世帯で扶養控除の適用を受ける場合は、いずれか一の者の扶養親族にのみ該当するものとみなされますが、
この制度ではそのような取り扱いはありません。

年末調整

◆代表取締役を誰が監督するのでしょうか

「監査」には、金融商品取引法に基づく有価証券に対する監査(上場会社)とは別に、
会社法に基づく会計監査人の監査(大会社)があります。ご存じでない方も多いので、少し説明したいと思います。

大会社とは資本金が5億円以上又は負債総額が200億円以上の会社です。
代表取締役は株主から会社経営についての大きな権限を委託されており、
大会社ともなると会社の規模が大きいため、代表取締役の行動は特に大きな影響を与えます。

株主の代理として代表取締役や執行権限を持つ取締役を監督する役割は、取締役会や監査役会が担っております。
更に会計業務については会計監査人を置かなければなりません。
また、近年ではこれらに加えて社外取締役や社外監査役の制度も制定されました。

◆監査役の監査業務とは

監査役の監査は、代表取締役や取締役がその職務を全うしているか等の業務全般を見る業務監査と、
会計業務について適法に処理されているか、間違いや不正がないかを調査する会計監査に分けられます。

しかし、大会社の会計業務は海外取引や関連会社との取引等量も質も複雑で膨大になるため、
会計の専門家に依頼しないと監査役では手に負えません。
そこで会計監査人による監査が必要になります。

◆会計監査人による監査

会計監査人は公認会計士かその集まりである監査法人が選任されます。
当然1人で行うのではなく、規模にもよりますが、数人から数十人の規模になる場合もあります。

会計監査人には計算書類とその附属明細書の調査を行い、取締役に報告を求め、帳簿を閲覧する等の権限が与えられています。
最終的には会計監査人は監査役に会計監査報告書を提出し、計算書類と附属明細書の適法性について意見を表明します。

◆会計監査人は賠償責任を負うことも

後で事実と異なる意見を表明したとなった場合には、会計監査人が会社や第三者に対して、賠償責任を負うこともあります。
 そのため、会計監査人は、会社から報酬を貰ってはいますが会社に不利な意見を表明する場合もあります。

中小企業においては人手不足の解消に向けて魅力的な職場づくりが求められています。

政府は2019 年4月1日より「働き方改革関連法」を順次施行しており、全ての企業に対して労働環境の整備を促しています。
以下では中小企業における「働き方改革関連法」のスケジュールについてみていきましょう。

まず2019年4月1日より大企業、中小企業ともに、
法定の年次有給休暇付与日数が10 日以上の全ての労働者について、使用者が毎年5日年次有給休暇を確実に取得させることが義務付けられました。

時間外労働の上限規制については

大企業では2019年4月1日からスタートしましたが、
中小企業においても2020年4月1日から、時間外労働の上限について月45 時間、年360 時間を原則とし、
臨時的な特別の事情がある場合でも、年720時間、単月100 時間未満(休日労働含む)、
複数月平均80 時間(休日労働含む)を限度に設定することが義務付けれました。

大企業では、

2020 年4月1日から、同一企業内において、正規雇用労働者と非正規雇用労働者との間で、
基本給や賞与などのあらゆる待遇について、不合理な待遇差が禁止される
「同一労働同一賃金(パートタイム・有期雇用労働法)」が適用されましたが、中小企業においても2021年4月1日から適用されることになります。

また、大企業で既に施行されている割増し賃金率の引上げについては、
中小企業においても2023 年の4月1日から、適用猶予措置が廃止され、
月60 時間を超える時間外労働について、割増し賃金率を50%以上とすることが義務付けられることとなります。
このように中小企業においても「働き方改革関連法」が順次適用されることとなるのです。

では、働き方改革への対応に向けて中小企業では具体的にどのような取組みが行われているのでしょうか。

そこで『中小企業白書2020年版』において、
働き方改革の取組事例として紹介されたライオンパワー株式会社(本社:石川県小松市)の事例についてみていきましょう。
ライオンパワー株式会社は、各種FA・LAロボットシステムなどの開発、製造を行う企業です。

かつて同社では月ごとの残業時間や年間累計残業時間、有給休暇取得日数が確認しづらく、
従業員自身も管理できていない状況でした。
こうした状況を受け、働き方改革関連法の残業時間の上限規制や年次有給取得の義務化にも対応すべく、早めの準備に着手することとしました。

具体的には残業時間が少ない人に高いポイントを付与する形で残業時間をポイント化し、
トータルポイント数を賞与に反映させる評価制度を導入しました。
一方で、業務量の多い従業員等が不利にならないよう、賞与の評価においては業務難易度や業務量などを社長と部門長で確認し調整しています。

また、日々の残業時間と月ごとの累計残業時間をネットワークで従業員自身が確認できるようにするとともに、
年間3日間を計画有給取得日と定め(残り2日は個別に取得)、有給休暇消化日数も確認できるようにしました。

これらの取組みを通して残業時間が大幅に減少しました。

また、会社全体の計画有給取得日を決めることで、管理部門の管理コスト軽減を図ることができました。
さらに残業時間のポイント制導入により、残業が減る一方で賞与が増額となり、従業員の働き方への意識を高めることにつながりました。

このように働き方改革への対応を契機としてさまざまな効果がみられるのです。(了)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)

◆健康診断は使用者の務め

使用者は従業員の健康を確保するため、労働安全衛生法で常時使用労働者の1年以内ごとに1回の健康診断受診義務が定められています。

従業員の健康情報を知り、安全配慮義務を行い健康管理、情報管理することは使用者の務めです。
企業と労働者は労働契約を結んでいるので労働できる健康を有しているかを把握しておかなくてはならず
労務提供に関連した健康状態を取得しなくてはなりません。
受診の結果の取り扱いは使用者に帰属するとされています。

◆適切な情報管理

使用者は健康診断の履行を通じて労働者の心身の状態に関する情報を取得・利用・保管することとなります。
使用者には労働者の健康確保が求められるものの、当該情報は「要配慮個人情報」にあたります。
労働者の個人情報を保護する観点から、現行制度においては使用者が心身の状態の情報を取り扱えるのは
労働安全衛生法令及びその他の法令に基づく場合や本人が同意している場合の他、
労働者の生命、身体の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき等です。

秘密保持は重要ですがプライバシー問題とは別であり、使用者は個人情報を得るので情報管理をすることが求められ、
情報は慎重な取り扱いが求められます。記録は5年間の保存義務があります。

就業規則には健康診断の受診義務が載っていると思いますが、
結果が本人にしか届かない場合は受診結果を会社に報告する旨を規定しておくのがよいでしょう。

◆健診と費用、賃金

健康診断は使用者の義務なので、健康診断に掛かる費用は使用者が負担しなければなりませんが、
しかし、健康診断を受診している間の時間に賃金が発生するかは、健康診断の種類によって異なります。

まず、雇用時の健康診断や、定期健康診断は業務に関連して行われるものではないため、
支払ってもよいけれど、支払い義務はありません。
特定業務に従事する者は業務に関連して行うものであるため、賃金を支払う必要があります。