少子高齢化を背景として生産年齢人口が減少していることにより、人手不足が深刻になりつつあります。

以下で、中小企業庁編「中小企業白書2019年版」に基づいて、深刻化する人手不足の現状について見ていきましょう。

・有効求人倍率及び新規求人倍率について:

リーマン・ショック以降緩やかに上昇し続けており、有効求人倍率は、足下では約45年ぶりの高水準、新規求人倍率は過去最高水準で推移しています。

・事業所の従業者規模別の求人数の推移について:

従業者規模が29人以下の事業所に係る求人数については、30人以上の規模の大きな事業所に係る求人数と比較して2009年以降大幅に増加しています。

・従業者規模別の雇用者数の推移について:

従業者規模が500人以上の事業所においては、右肩上がりで年々雇用者数を増加させている一方、29人以下の事業所は右肩下がりで推移しており、
従業者規模の小さい事業所ほど新たな雇用の確保が難しくなっています。

・従業者規模別に大卒予定者の求人数及び就職希望者数の推移:

就業者数299人以下の企業では、大卒予定者の求人数は足下では2015年卒から5年連続で増加している一方、
就職希望者について見ると2017年卒から減少傾向にあり、求人倍率は足下の2019年卒では9.9倍と、2018年卒の6.4倍から大きく上昇しています。

一方、従業者300人以上の企業についてみると、2017年卒以降は求人数の増加傾向は変わらないものの、
求職者数がそれを上回って増加していることから、2019年卒の求人倍率は0.9倍と1倍を下回る結果となっています。

以上のことから従業員規模が大きな企業に求人が集中しており、規模の小さな企業の人材確保が厳しくなっている状況が見て取れるのです。

 

では、人手不足になりつつある状況下では、中小企業の労働生産性や労働環境の現状はどのようになっているのでしょうか

中小企業庁編「中小企業白書2019年版」に基づいて見ていきましょう。

まず、労働生産性について企業規模別従業員一人当たり付加価値額の推移をみると、

大企業では、リーマン・ショック後に一度落ち込んでいるものの、その後は一貫して緩やかな上昇傾向にあります。

一方で中小企業では、大きな落ち込みは無いものの長らく横ばい傾向が続いており、足下では大企業との差は徐々に拡大しています。

次に、労働環境について企業規模別の給与額の推移について見ると、

中小企業の給与額は2010年以降徐々に上昇し続けているものの、大企業の給与水準との格差は埋まらずに推移しています。

また、従業者規模別賃上げ率(一人当たり平均賃金の改定率)の推移について見ると、

従業者規模が299人以下の企業の賃上げ率は、2010年頃から上昇傾向にはあるものの、
それ以上の規模の企業の賃上げ率を概ね下回っており、従業者規模による格差は拡大しています。

従業者規模別の年間休日総数の企業割合について見ると、

年間休日総数が110日を超えると従業者規模の大きな順に取得割合が高くなっており、
規模の小さな企業ほど有給休暇等の取得が進んでいないことがわかります。
なお、企業規模別特別休暇の利用企業割合について見ると、病気休暇、リフレッシュ休暇、
ボランティア休暇においては従業者規模間における差異が顕著であり、中小企業にはまだ改善の余地があることがわかります。


このように中小企業の人手不足解消に向けては、労働生産性の向上と労働環境の改善の両方が求められるのです。(了)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)

~有給休暇管理簿は作成しましたか?~

◆有給休暇を年間5日以上取得させる義務

「働き方改革」の一環として、労働基準法が改正され、2019年4月以降、年次有給休暇が年間10日以上付与される労働者に対して、
年間5日以上取得させることが企業に義務付けられました。

注意すべき点は、
①企業の規模にかかわらず全企業が対象
②管理監督者も含まれる、
③週の所定労働日数が少ないパートタイム労働者も勤続年数によっては対象となる、
違反に罰則が適用される、
などです。

◆有給休暇の積極的な取得に向けて

有給休暇は、労働者が時季(時期ではない)を指定して、使用者が時季変更権を行使しない限り、取得が認められます。

本来、労働者の時季指定が出発点ですが、年間5日以上取得させるよう使用者に義務付けられましたので、使用者から労働者に積極的な取得を促すことが求められます

具体的には、取得希望日の事前聴取や、取得奨励日の設定労使協定による計画的付与などが考えられます。

ただし、これまで特別休日としていた日を有給休暇取得日に変更した場合、休日数減少で不利益変更として認められないこともありえますので、注意が必要です。

◆早めの取得状況確認と「有給休暇管理簿」

2019年4月以降に付与された年次有給休暇が対象ですので、早い人は2020年3月末で施行後1年を経過することになります。
労働基準法では、事業主に有給休暇を取得させる義務は課せられていますが、労働者に取得する義務はありません
従って、労働者が取得を拒んだとしても、事業主には取得を促す努力が必要となります。

2020年4月以降の労働基準監督署の対応が注目されますが、「有給休暇管理簿」の作成・保存も企業に義務付けられており、臨検等では取得状況もチェックされます。

勤怠管理や給与計算のソフトに有給休暇管理機能がついているものもありますが、厚生労働省HPからエクセルファイルのダウンロードが可能ですので、参考にされてはいかがでしょうか?

安倍政権の「働き方改革」の影響で

短納期での発注や急な依頼が増加することを懸念する企業全体の4割に上るというアンケート結果を中小企業庁が発表しました。
働き方改革法による残業規制で発注側企業の社員の負担は軽減されても、立場の弱い中小企業など受注側企業の負担は増大することが危惧されています。

中企庁は今年1~3月に6万以上の会社にアンケートを送付し、2万1644社から回答を得ました。

このうち受注側の事業者として回答したのは1万9427社。
今年4月以降、働き方改革関連法で大企業は原則として月45時間・年360時間を超える残業を社員にさせることが禁止されましたが、
この時間外労働の上限規制について、アンケートで「何らかの影響が及ぶ懸念がある」と回答した企業は全体の4割でした。
「急な対応の依頼が増加」、「短納期での発注の増加」、「受注業務の拡大・営業時間の影響」、「従業員派遣の要請」などの不安が挙げられています。


また来年4月から中小企業も時間外労働の上限規制の順守が求められますが、その事実を知らない企業は19.4%に上りました。
最も認知していなかった業種は小売業で、全体の34%が知らないと回答。
卸売業25.7%、建設業24.2%、製造業19.6%と続きます。上限規制を理解したうえで、対応を困難と回答した事業者は全体の9%でした。
困難である理由は、「人手不足であるうえに採用も困難」、「仕事の繁閑の差が大きい」、「短納期発注や急な対応の要請が多い」、「利益が確保できない」などの事情が並んでいます。


<情報提供:エヌピー通信社>

◆45歳以上人材の活用

企業の人材採用が難しい時代が続いています。そうした中で中高齢者の採用は選択肢の一つとなります。
特に最近では45歳以上の年齢でも転職が珍しくない時代になっており、実力のある人材を採用するチャンスも到来しています。
今回は会社の核となる45歳以上の人を雇用したときに使える助成金を紹介します。

◆中途採用等支援助成金(中途採用拡大コース)

「中途採用拡大コース」には「中途採用率の拡大」と「45歳以上の初採用」の2種類ありますが、45歳初採用が比較をして使いやすいでしょう。
過去に45歳以上の人を中途採用したことがない会社が対象です。

中途採用計画(1年以内の期間を定める)を作成し、計画書の申請をしておきます。
その後会社として初めての雇い入れ時に45歳以上の人を1名以上雇用すると60万円、該当の人が60歳以上の人であれば70万円の助成金を受給することができます。
何名採用しても良いのですが、2名以上雇用しても助成金額の増額はありません。

◆支給の要件と注意点、特徴

①過去に45歳以上の労働者を中途採用していないこと
②期間を定めていなくてもパートタイマー労働者は対象になりません。先ほど出てきた中途採用計画の期間中に45歳以上の人を期間の定めのない正社員等で採用する必要があります。
③助成金が支給決定されるまでに対象の社員が退職してしまうと支給されません。
④申請できるのは1事業所で1回
⑤助成額は大企業と中小企業で同額

◆その他の項目の重要度は?

当該助成金は特定求職者雇用開発助成金のようにハローワークからの紹介に限定されませんし、
比較的若者向け助成金が多い中、中高齢者の採用時に使える助成金です。
ちょうど45歳以上あたりで会社のメインを担うような人材をこれから増やしたい、
若い人もいいけれど安定感も欲しいから中高齢者がいいんだよね、といったときにピッタリでしょう。
また大企業と中小企業で助成金額が変わらないので大企業で申請をしてみるのも良いでしょう。

◆在職老齢年金の見直し案

最近のニュースで働く高齢者の年金を減額する在職老齢年金制度の見直しが行われていることが発表されていました。
現在、在職老齢年金は65歳以上の場合年金と賃金を合わせた金額が月収47万円を超えると年金が減額されます。
これを62万円程度に引き上げ、年金減額、停止の対象者を減らす方向です。

60歳から64歳の人は月28万円を超えると減額されることになっています。
これも基準を62万円に引き上げるか、60代前半の受給開始がなくなる男性2025年、女性2030年に自動的に終了するまで現行のままでいくという案もあります。

◆70歳まで働くことを前提に

年金財政の危機を言いながらなぜ年金増額を言うのでしょうか?

それは働くと年金が減る仕組みが高齢者の就労を抑える可能性があること。
厚労省の調査では「年金が減らないように就業時間を調整する」方が65歳から69歳でも4割近くいたことです。
政府は70歳までの就労機会の確保を企業の努力義務とする方針を立てており長寿社会に備えようと考えています。
保険料を納める人を増やしたい、年金受給開始を75歳まで先送りできるようにしたい
基礎年金の支払期間を40年から45年にしたいという考えがあります。高齢で働く人が増えれば年金や医療の保険料を納める社会保障の担い手も増えることになります。

◆世代間バランスも課題

一方で制度の廃止や縮小には反対意見もあります。年金財源の厳しさが増す中で給付を増やすことへの疑問や、
企業が高齢雇用者の給与を決める際その人の年金受給額を勘案して賃金を決める慣行が一般的であり裁判でも
年金をもらいながらの働きは現役時より減額されることに一定の合理性があるという考え方をしています。

年金を上げると会社は給与を下げるかもしれません。

65歳以上で厚生年金の支給が停止されている人は現在36万人、受給者の1.4%です。
このような高齢者は収入面では恵まれた方といえるでしょう。
在職老齢年金の財源もさることながら、現役世代の将来の給付水準が下がってしまう懸念もあります。

どこまで就労促進が実現するのか今後の動向が気になります。

働き方改革が国策として掲げられ、多くの企業で取り組みが施されています。

働き方改革といえば育児休暇や労働時間短縮といった施策に目が行きがちです。
その中、最近は介護休業制度を充実させる企業が増えています。

具体例としてエネルギー大手企業を挙げると、

同社ではテレワーク制度を導入しました。これは社員が時間や場所にとらわれることなく、いつどこでも仕事をしてもよいという制度です。
従来、親の介護で実家を訪れるときは休暇をとる必要がありました。
が、制度を活用すると、たとえば親の介護として朝食の準備、服薬の支援、デイサービスへの送り出しなどを済ませたあと、
会社の会議システムでミーティングを行うといったことが可能になります。
ほか、親が就寝した後の空き時間をうまく活用することで、メールや資料作成といった仕事もできます。
現在、テレワーク制度の導入は、仕事の状況が把握できないといった理由で、認めていない企業が多くあります
が、介護への有効な対応策として導入する企業が増えることが予想されます。

また、介護休暇の期間を延長する企業も増えています。先のエネルギー企業では、従来1年間の介護休暇を2倍の2年間に延長しています。
企業が介護休業制度の整備に力を入れる背景には、高齢化が進む中、親の介護により突如、離職しなければならないケースが増えたことがあります。
厚生労働省によると2017年、介護などによる離職は約9万人に上りました。これは離職理由の約1.2%にもなります。今
後、離職する可能性のある予備軍まで入れると介護離職者は100万人にものぼるという試算もあります。
優秀な人材を失うことは企業にとって打撃となり、今後ますます対応が必要となります。

高齢化が進む中、介護離職者は年間で約10万人にのぼり、企業は対策を迫られています。
とりわけ、これまで介護離職というと女性が多いとされていましたが、最近では男性の離職者も増えています
年齢は40~50歳代の管理職というのも特徴です。ある日、突然、プロジェクトのリーダーが退職し、進捗に支障が生じるケースも多くなっています。
仕事を支える重要なポジションにいる人の離職は会社にとって打撃となります。

こうした中、働く場所や時間を自由にできるテレワーク制度や介護休暇の延長といった施策に取り組む企業が増えています。

ほかにも、フレックスタイム制度のコアタイム撤廃を実施する企業があります。
一般的にフレックスは午前10時半~正午、午後1時~3時といったコアタイムがあり、この時間帯には会社に出社していなければなりません。
介護で親の病院に付き添う際、診察が何時に終わるかはっきりしないときは、あらかじめ有給休暇をとらなければなりません。
有給休暇を使い切ってしまった場合、病院の付き添いができなくなるといった問題が生じます。
コアタイムを撤廃することで、午前11時や午後出社も可能になるので、有給休暇をとらなくても済みます。
また、ある大手建設会社では、社員の希望により、勤務地を実家の近くにある事業所に異動した例もあります。


 介護に関する制度を率先して取り入れることは、会社のイメージアップにもつながるので、優秀な人材を採用するうえでもメリットとなります。
ただ、制度を整えても、活用しづらい雰囲気が職場に漂っていたのでは元も子もありません。
介護をしやすい職場環境を整えるには、まだまだ多くの課題が残っていそうです。(了)


(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)

◆東京・神奈川は時給1,000円超に

毎年10月は、地域(都道府県)別最低賃金の改定月です。
今回は、令和初の改定となりますが、東京都(1,013円)と神奈川県(1,011円)の最低賃金は、はじめて時給1,000円台に突入します。

一方、前回単独最下位だった鹿児島県は今回他県より改定幅を大きくしたため、佐賀県や長崎県などと同額の790円となり、単独最下位(今回15県)を脱出します。

◆全国平均も時給900円超に

以前から、地域別最低賃金は全国平均(47都道府県の加重平均)1,000円を目指すと言われていましたが、
今回の改定で全国平均は901円と、はじめて900円を超えました。

近年の上昇ペースが今後も続けば、あと4~5年で全国平均も1,000円台に突入することになりそうです

◆採用時以外でも最低賃金の確認を

パートやアルバイトを募集する際、最低賃金を確認して求人を出していると思いますが、
既に雇用しているパートやアルバイトの時給が最低賃金スレスレだった場合の昇給モレや、
月給制の場合に所定労働時間から換算した時給が最低賃金を下回っていることなどを見逃すケースがあります。

◆最低賃金法違反の罰則は重い

最低賃金法違反の罰則は、最低賃金を下回った場合は50万円以下の罰金
事業場での周知が行われていない場合は30万円以下の罰金、最低賃金違反を申告した労働者に対して解雇などの不利益な取り扱いをした場合は
6か月以下の懲役または30万円以下の罰金など、軽いものではありません。

◆産業別の特定最低賃金

地域別最低賃金の他、産業別の特定最低賃金も都道府県ごとに定められており、
適用業種の特定最低賃金が地域別最低賃金を上回る場合、特定最低賃金が適用されるので、適用業種に該当する会社は注意が必要です。


◆公的年金財政検証結果

厚生労働省が5年に1度実施している公的年金の健康診断にあたる財政検証結果を公表しました。
将来の年金水準についての検証では経済状況が異なる6つのケースを示しています。
給付水準は現役世代の平均手取り収入に対する年金額の割合「所得代替率」という指標で示されています。

2019年度の所得代替率は61.7%です。
1~3のケースでは29年度以降の20年~30年の間、
女性や高齢者の労働参加が進んで経済成長率がプラスとなった場合では給付抑制が46年~47年までで終ります。
ケース1で経済成長率が0.9%上昇した場合でも所得代替率は51.9%に下がります。
一方、成長率が横ばいにとどまる4~5のケースでは賃金が伸び悩み抑制期間は長くなります。
53年~58年頃まで抑制され所得代替率も44.5%~46.5%まで下がります。
ケース6の長期マイナス成長の場合では36%~38%になると見込まれています。

◆年金の制度改革

日本経済のマイナス成長や労働参加者の増加が進まなければ年金の財政は厳しい状態となります。
所得代替率を50%より下げないため政府は一定の年金水準を保てるよう対策案を出しています。

1.厚生年金の適用拡大のため、企業規模要件(従業員500人以上)の規模下げ
2.賃金要件(月収8.8万円)以上対象者の要件下げ
3.月収5.8万円以上の全雇用者に適用
4.基礎年金の保険料納付期間を40年から45年に延長
5.受給開始年齢75歳まで繰り下げて支給
6.65歳以上の在職老齢年金の廃止(この場合は年金原資は下がる)
7.上記の組み合わせやマクロ経済スライドフル発動

◆自助努力は必須に

今回の財政検証で年金額を最も増やす効果があるのは受給開始年齢を上げること、75歳から受給開始すると所得代替率は99.1%だと言います。今65歳で年金をもらい始めても年金抑制の仕組みで徐々に所得代替率が下がります。
その影響は若い世代ほど大きくなるので自助努力で老後に備えることは非常に重要になっています。

時間外労働に対する割増賃金が未払いだった企業が、労働基準監督署の監督指導を受けた後に社員に支払った未払い分の額は、

昨年は1社あたり平均で711万円に上ることが厚生労働省の報告書で明らかになりました。

2018年4月から19年3月の支払い額を取りまとめたもの。
政府が推進する「働き方改革」では、労働時間の把握義務が法制化されるなど企業側の説明責任がこれまで以上に重くなっていますが、
違反した時の金銭面の負担も重いことが分かります。

厚生労働省によると、不払いだった割増賃金を労働者に支払った企業のうち、その支払い額が100万円以上だったのは1768社でした。
このうち支払い額が1千万円以上の企業は228社でした。
支払われた割増賃金の総額は125億6381万円で、1社当たり711万円。
対象となった労働者の総数は11万8837人でした。社員1人当たりでは11万円

業種別の企業数では、

製造業(全体の18.8%)、商業(18%)、保健衛生業(13%)、建設業(10.1%)、運輸交通業(6.7%)で続きます。しかし対象となった労働者数で見ると、保健衛生業が2万3981人で全体の20.2%を占めてワーストでした。

厚労省が発表した違反事例によると、

ある会社では残業をしている社員がいるにもかかわらず、管理者が社員全員のタイムカードを終業時刻に合わせて打刻させていました
労基署が立ち入り検査をしたところ、タイムカードの記録と実際の入退館の記録との間に乖離があることが判明したそうです。

また別の会社は、社員が「労働時間管理表」に記載した記録を基に労働時間を管理していましたが、その自己申告のデータと、パソコンのログ履歴や金庫の開閉記録との乖離があったことから、労基署に是正を求められました。

労働者からの内部告発をきっかけに立ち入り検査を行ったとのことです。

<情報提供:エヌピー通信社>

◆新しい在留資格 特定技能制度

外国人が日本で働く際には、働くことが許可されている証明をする在留資格が必要になります。
在留資格とは「外国人が合法的に日本に滞在(就労)するために必要な資格」のことです。
それぞれ定められた活動や配偶者の地位によって在留が認められており、日本への滞在期間や活動内容は異なります。

2019年4月から入管法の改正で新たに拡大したのが特定技能在留資格です。

今まではいわゆる単純業務に従事が可能であったのは「技能実習」であるか日本人の配偶者等でした。
「技能実習」は技能の習得が目的であり最長5年間日本で働く許可が出され、職場で技能を学ぶことができます。
しかし実習期間を終えると母国へ帰らなければなりません。

現実問題として、日本は人手不足であり実際のニーズには答えにくくなっていました。
そこで外国人受け入れ政策の見直しで拡大路線になったのです。

◆人手不足が見られる14業種に限定

そのような背景から特定技能の制度が新設されたのですが、
この在留資格は一定以上の技能実習経験があるか定められた日本語能力やビジネススキルの確認試験があります。
特定技能1号とは対象の14分野に属する知識や経験を要する技能を持っている方です。
日本語能力やビジネススキルで試験合格するか技能実習生3年以上で無受験移行も可能です。
最長5年までで家族の帯同はできません。技能実習制度で5年実習を行うと特定技能1号を取得できますので最長10年日本滞在が可能になります。

さらに技能試験を受験し、特定技能2号になることもできます。この資格は経験を積み特定技能1号より高いスキルの保持・専門性・技能を有するものです。
熟練技能保持者であり家族の帯同もでき在留期限の更新も可能になります。しかし特定技能2号は予定される2業種に限られており現在はまだ受け入れをしていません。

◆法整備ができてきたが受け入れ体制は

今後も外国人雇用拡大は続くでしょう。新制度ができたとはいえ企業や社会の受け入れ体制はまだ整ってはいないと思えます。
外国人を雇用する際には
①就労ビザや在留資格の確認、
②労働条件の労使の相互理解、
③生活上等、日本の制度の理解や支援等
に留意をしてください。