生命保険協会が2022年度税制改正に関する要望書を発表しました。

保険料控除の上限引き上げや、相続財産の評価時に「500万円×法定相続人の数」まで認められている
生命保険金の非課税枠の拡大など、保険に関わるさまざまな税制の拡充を求めています。

重点項目として挙げたのは、

支払った保険料の一部が所得控除される「保険料控除」の拡大です。
生命保険、介護医療保険、個人年金保険に払い込んだ保険料は、所得税と住民税が一定額まで控除されます。
限度額は、2011年までの契約では所得税10万円、住民税7万円、
12年以降の契約では所得税12万円、住民税7万円となっています。

要望書では、「人生100年時代を迎え、少子高齢化の急速な進展や働き方・ライフスタイルの多様化など
社会環境が変化する中、持続可能な社会保障制度の確立と国民生活の安定に資するため」として、
生命保険、介護医療保険、個人年金保険それぞれの所得控除額の上限を現行の4万円から5万円に引き上げ、
それに伴い合計の控除額も12万円から15万円へ引き上げるよう求めました。
住民税についても、合計の上限7万円は据え置きとした上で、
各保険の控除上限額を2.8万円から3.5万円に拡充するよう要望しました。
もっとも同協会は同じ内容の要望を毎年挙げていて、その内容に大きな変化はありません。

他には、生命保険金の相続非課税枠についても控除上限額の引き上げを訴えました。
相続税には、「3千万円+600万円×法定相続人の数」の基礎控除額とは別に、
死亡保険金に「500万円×法定相続人の数」の控除枠が設けられています。
要望書では、遺族の生活資金の確保のために、現行の控除枠に加えて新たに
「配偶者分500万円+未成年の被扶養法定相続人の数×500万円」の控除額を設けるよう求めました。
今ある非課税枠だけでは生活資金を賄いきれていないケースが多いとして、
「遺族の生活資金まで課税の対象とされることのないようにすべき」としています。

<情報提供:エヌピー通信社>

2021年度税制改正において、

祖父母などから教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度の適用期限が、2023年3月31日まで2年延長されました。

また、国税庁では、贈与者が死亡した場合の残高に対する相続税課税について、
贈与者の死亡までの年数にかかわらず、管理残額に相続税が課税されることや、
相続人ではない孫は相続税の2割加算の対象となり、その周知を図っております。

具体的には、

信託等をした日から教育資金管理契約の終了の日までの間に贈与者が死亡した場合において、
受贈者がその贈与者から信託等により取得した信託受益権等についてこの非課税制度の適用を受けたことがあるときは、
その死亡の日までの年数にかかわらず、
その死亡の日における管理残額をその受贈者がその贈与者から相続等により取得したものとみなすこととされました。

ただし、贈与者がその死亡の日において、受贈者が、
23歳未満である場合
②学校等に在学している場合
③教育訓練給付金の支給対象となる教育訓練を受けている場合のいずれかに該当する場合には、
管理残額への相続税課税からは除かれます

上記②又は③については、
その旨を明らかにする書類を贈与者が死亡した旨の届出とあわせて金融機関等の営業所等に提出等をした場合に限られます。

また、受贈者がその贈与者から相続等により取得したものとみなされる管理残額について、
その受贈者が贈与者の子以外(孫など)の者である場合は、その贈与者の管理残額に対応する相続税額について、
相続税額の2割加算の対象とされ、これらの見直しの適用時期は、
2021年4月1日以後に信託等により取得する信託受益権等に係る相続税及び贈与税について適用されます。

拠出時期による相続税課税及び相続税額の2割加算を比較してみますと、

相続税課税については、2019年3月31日までは課税がなく、
2019年4月1日から2021年3月31日の間は死亡前3年以内の拠出分に限り課税があり、
2021年4月1日以降は課税ありとなります。
相続税額の2割加算については、2021年3月31日までは適用はなく、
2021年4月1日以降は適用がありとなりますので、あわせてご確認ください。

(注意)
 上記の記載内容は、令和3年7月5日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、
記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

死亡した近親者がどの会社のどのような保険に加入していたかを一括して照会できる新たな制度が7月にスタートしました。

これまでは親が死んでどのような保険に加入しているか分からないときは、
各保険会社に別々に問い合わせなければなりませんでした。

生命保険協会に窓口が一本化されたことにより、今後は故人の保険の加入状況の把握が容易になります。
また死亡以外に、認知症による判断能力の低下時や、自然災害などによって保険契約の有無が分からなくなった時にも利用が可能です。

新たな仕組みは、「死亡時」、「認知判断能力が低下した時」、
「災害による家屋等の焼失や流出で契約の存在が不明となった時」の3つのケースで、本人や家族の依頼に応じて、
生命保険協会が一括して加盟社42社に契約を確認するもの。
死亡時であれば、保険金を請求可能かどうかも確認できるとのことです。

照会は生命保険協会のウェブサイトか書類の郵送によって行い、利用料は1回当たり3000円
ただしそれ以外にも、災害時を除いて確認書類として戸籍や所定の診断書などの提出が求められるため、
別途の費用がかかることになりそうです。また調査依頼から結果が分かるまではおおよそ2週間とされています。

注意したいのは、

照会できるのは契約の有無のみで、契約内容の詳細調査や請求手続きの代行などは行われない点です。
もし調査の結果なんらかの契約があり、請求可能な状態となっているのであれば、そこからは自身で手続きを進める必要があります。

<情報提供:エヌピー通信社>

長年論点になってきた相続税、贈与税の改正が実現するかもしれません。その場合にはどのような制度になるのでしょうか。

相続税と贈与税は、それぞれの税率に差異があるため、いつ財産を移転するかで税の負担に違いが生じます。
生前贈与の動機ともなりますが、近い将来、この相続税・贈与税の制度は変わるかもしれません

◆欧米は、資産の移転時期の選択に中立的

欧米では、財産の移転について相続時にまとめて課税する方式をとっています。
米国では、一生涯の累積贈与額と相続財産額に一体課税し、ドイツでは相続前10年間、
フランスでは15年間の累積贈与額と相続財産額に一体課税します。

税率は、贈与税・相続税で共通のため、米国では生涯にわたる税負担が一定となり、
同様にドイツでは10年間、フランスでは15年間、税負担が一定となります。
これらの国では、資産の移転時期の選択に中立的な税制となっています。

◆日本は、有利不利が生じる税率構造

これに対し、日本では贈与税と相続税は別体系で課税されます。
生前贈与には「暦年課税」と「相続時精算課税」の2種類があり、暦年課税の場合は、
相続前3年間、相続時精算課税を選択した場合は、選択後の累積贈与額と相続財産額に一体課税します。

相続財産が比較的少ない層にとっては、相続財産に適用される税率に比べ、贈与税の税率が高い水準にあるため、
分割贈与をしても高い贈与税率が適用される余地が多くなり、贈与に抑制的に作用します。
他方、高額な相続財産を有する層では、相続財産に適用される限界税率(55%)を下回る水準まで分割贈与することで、
相続税の累進負担を回避して財産を移転できます。
 一方、贈与税には、住宅取得等資金、教育資金、結婚子育て資金の非課税贈与制度があり、
贈与による財産移転が有利となります。
以上から、日本の税制は資産の移転時期の選択に中立的な税制ではありません。

◆政府税調では税制見直しの議論が進む

政府税調では、相続税のもつ「富の再分配機能」「格差固定化の防止」の観点から、
相続税・贈与税の見直しが議論されています。
感染症やグローバル化の中、富が社会に偏在することは経済格差を生み、
不安定な生活は人の幸せにつながらないことから、あらためて「資産移転の時期の選択に中立的な税制」が検討されています。
財産を次世代に渡す高齢者世代も、受継ぐ若者世代も税制にとらわれず、それぞれの暮らし方に応じた時期の移転が望まれます。

通常、土地の貸し借りが行われる場合、借り手は地主に対して地代を支払います。

権利金の支払が一般的となっている地域では、地代のほか権利金などの一時金を借地権設定の対価として支払います。
しかし、親の土地に子どもが家を建てた場合などは、通常、地代や権利金を支払うことはありません。

上記のように地代も権利金も支払うことなく土地を借りる場合を土地の使用貸借といいます。
親の土地を使用貸借して子どもが家を建てた場合、
子どもが親から借地権相当額の贈与を受けたことになるのではと疑問が生じますが、
使用貸借による土地を使用する権利の価額はゼロとして取り扱われますので、
子どもに借地権相当額の贈与税が課税されることはありません。


ただし、この使用貸借されている土地は、
将来親から子どもが相続するときに相続税の対象になりますので、該当されます方はご注意ください。

また、親の借地に子どもが家を建てたときにも、通常、地代や権利金を支払うことはありません。
このように、親の借地権を子どもが無償で使用した場合を借地権の使用貸借といいます。

借地権の使用貸借に係る使用権の価額はゼロとして取り扱われますので、
子どもに贈与税が課税されませんが、借地権の貸借が使用貸借ではない場合には、
実態に応じて、借地権または転借権の贈与として贈与税がかかる場合があります。

また、親の借地に家を建てた場合に贈与税が課税されないためには、「借地権の使用貸借に関する確認書」を税務署に提出する必要があります。
この確認書は、借地権を使用する子どもと借地人である親、地主の3人が連名でその借地権を使用貸借で又借りしていることを確認するものです。
この場合の使用貸借とは、地代も権利金も支払うことなく借地権の貸し借りを行うことをいいます。

なお、この使用貸借されている借地権は、将来親から子どもに相続するときに、
相続税の対象となり、その借地権の価額は、他人に賃貸している借地権ではなく、自分で使用している借地権の評価額となります。
 また、上記の使用貸借されている土地の相続税の計算の価額も、
他人に賃貸している土地ではなく、自分が使用している土地として評価され、
貸宅地としての評価額ではなく、更地としての評価額となりますので、該当されます方はご注意ください。

(注意)
 上記の記載内容は、令和3年6月14日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、
記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

2021年の相続税路線価の全国平均が前年比0.5%減となり、
6年ぶりに下落したことが国税庁の発表で明らかになりました。
コロナ禍の感染拡大の影響を受けて都心部のビジネス街などで価額が下がり、39の都府県で前年を下回りました。

相続税路線価は、

毎年1月1日時点での一定の範囲内の道路(路線)に面した土地を評価するもので、
国税庁が1年に1度公表しています。
国土交通省が毎年3月に発表する「公示地価」の8割程度の価額が目安とされ、
今年1月1日~12月31日に相続や贈与で受け取った土地に、今回発表された路線価をもとにした税額が適用されます

都道府県別では、

前年に価額が高騰していた東京都や大阪府など13の都府県がマイナスに転じ、39都府県で前年を下回りました。
東京都では1.1%減少し、8年ぶりに前年を割り込んでいます。
下落率が最も大きかったのは静岡県の1.6%でした。

一方で前年比高騰となったのは

7道県にとどまり、昨年に全国最大の上昇率である10.5%を記録した沖縄県も伸び率は鈍化して1.6%になりました。

都道府県庁所在地別でみると、
前年比で下落したのは22都市で、14年の21都市以来の多さとなりました。
一方、高騰したのは8都市となり13年の7都市以来の少なさです。


路線価の全国1位は

36年連続で東京・銀座5丁目の文具店「鳩居堂」前にある銀座中央通りとなりましたが、
9年ぶりに価値が下がって1平方メートルあたり4272万円となりました。


路線価は1月時点の価額を示すことから、それ以降に価値が急落したことが明らかな土地は減額補正の対象となることがあります。
昨年はコロナ禍の影響により大幅に地価が下がった大阪市の一部地域で減額補正が実施されました。
今年も大幅な地価の落ち込みがみられる場合、同様の措置がとられる可能性があります。


<情報提供:エヌピー通信社>

倒産

◆制度概要

教育資金の一括贈与制度は、直系尊属である父母、祖父母から
子・孫に入学金・授業料など教育にかかる費用を非課税で贈与できる租税特別措置法の制度です。
30歳未満の受贈者(前年分の合計所得金額1,000万円以下)を対象に
1,500万円(学校等以外の者に支払われる費用は500万円)までの贈与が非課税になります。
令和3年度は次の改正があり、令和5年3月31日まで2年間、延長されました。

◆管理残額に対する課税は強化された

贈与者が死亡した日までの贈与額(非課税拠出額)から
教育資金に使用した金額(教育資金支出額)を控除した未使用分(管理残額)は
これまで贈与者の死亡前3年以内の贈与が相続税の課税対象となっていましたが、
令和3年4月1日以降の贈与は、死亡の日までの年数にかかわらず、
すべて相続税の課税対象となりました(受贈者が23歳未満である場合、学校等に在学している場合、教
育訓練給付金の支給対象となる教育訓練を受講している場合を除きます)。

さらに、孫への贈与は、配偶者および一親等の血族以外に適用される、相続税額の2割加算の対象となりました。

◆認可外保育施設も非課税の対象に

非課税の対象となる育児費用の範囲に、新たに1日当たり5人以下の乳幼児を保育する認可外保育施設のうち、
都道府県知事などから認可外保育施設指導監督基準を満たす旨の証明書を交付された施設に対する保育料の贈与も対象となりました。

◆非課税申告書の電子提出も可

取扱金融機関を経由して提出していた非課税申告書は、令和3年4月1日より電磁的方法により提出できるようになりました。

◆税調では非課税贈与制度の見直しを議論

教育資金、結婚・子育て資金、住宅資金の一括贈与制度は、金融資産を保有する高齢者世代の資産を若年層に移転し、
経済の活性化を期待して創設されました。

しかし、富裕層の財産が課税されないまま子・孫の世代に移転することは格差の固定化を助長するとして、
政府税制調査会では廃止を含め、見直しが議論されています。
令和3年度改正で贈与者死亡時の管理残額に対する課税が強化されたのは、
優遇措置の効果に対する批判が高まってきたこと、件数、贈与額が減少傾向にあり、一定の役割を果たしたことも背景にあるようです。

例えば、お父さんの所有する自宅建物につき、同居する息子さんがリフォームや増改築を行った場合、
所有権の法律関係や税金の取扱いはどうなるでしょうか。

◆所有権はどうなる?

お父さん世帯の居住スペースと息子さん世帯の居住スペースが
完全に分離されている形態のリフォームであれば、区分所有登記をすることができます。

しかし、そうでない場合は、リフォーム代を息子さんが負担していたとしても、
リフォーム部分の所有権は自宅建物を所有するお父さんに帰属することとなります(民法242条)。
これを不動産の付合といいます。

このため、息子さんはお父さんに対してリフォーム費用を請求することができます(民法248条)。

◆税務上の取扱い

もし、このリフォーム費用をお父さんに請求しなかった場合は、「その他の利益の享受」として
贈与があったものとみなされてしまいます
(相続税法9条)。

でも、お父さんは年金しか収入がなく、働き盛りの息子さんが費用を負担したい……そんな場合はどうすればいいでしょうか。

このような場合、自宅のリフォーム前に自宅の所有権の一部を息子さんに譲渡し、
その後息子さんがリフォームを行う方法があります。
そして、息子さんがお父さんに支払うべき譲渡代金と、リフォーム代のうちお父さんが負担すべき金額を相殺します。

例えば、リフォーム前の建物の時価が1000万円、リフォーム代が1000万円とした場合、
リフォーム前に2分の1の持ち分を息子さんに譲渡します。

こうすれば、息子さんが払うべき譲渡代金は建物時価1000万円☓1/2=500万円、
お父さんが負担すべきリフォーム代はリフォーム代1000万円☓1/2=500万円となり、
これらを相殺することにより贈与税の課税関係は生じないこととなります。
 この事例は国税庁ホームページの「質疑応答事例」にも掲載されています。

この場合、お父さんに譲渡所得が生じるデメリットがありますが、
息子さんにはその他の要件を満たせば増改築の場合の住宅ローン控除を受けられる可能性が出てきます。

 

◆制度概要

結婚子育て資金の一括贈与制度は、直系尊属である父母、祖父母から子・孫に
結婚・出産・育児の費用を非課税で贈与できる租税特別措置法の制度です。
20歳以上50歳未満の受贈者を対象に最大で1000万円(結婚費用は最大300万円)までの贈与が非課税になります。
非課税の対象となる費目については、内閣府HPに掲載されています。

平成31年改正で受贈者は、前年分の合計所得金額が1000万円以下に制限されました。
令和3年度は次の改正があり、令和5年3月31日まで2年間、延長されました。

◆贈与者死亡時、孫への贈与は2割加算に

贈与者が死亡した日までの贈与額(非課税拠出額)のうち、
結婚・出産・育児に使用した金額(結婚・子育て資金支出額)を控除した未使用分(管理残額)は
相続税の課税対象となっていましたが、新たに令和3年4月1日以降の孫への贈与は、
配偶者および一親等の血族以外(代襲相続人である孫・孫養子を除く)への贈与に適用される、
相続税額の2割加算の対象となりました。
世代間の資産移転を促進する非課税贈与として創設された制度は、相続税法の取扱いがさらに適用され、利用しにくくなりました。

◆認可外保育施設も非課税の対象になります

非課税の対象となる育児費用の範囲に、新たに1日当たり5人以下の乳幼児を保育する認可外保育施設のうち、
都道府県知事などから認可外保育施設指導監督基準を満たす旨の証明書を交付された施設に対する保育料の贈与も対象となりました。
証明書を交付された施設のリストをHPで公開している自治体もあります。

◆非課税申告書は電子提出も可

この制度の適用を受けるため、取扱金融機関を経由して提出する非課税申告書は、
令和3年4月1日より、電磁的方法によっても提出できるようになっています。

◆生活資金の贈与はそもそも非課税です

ところで結婚・子育て資金一括贈与の制度を利用しなくても、相続税法では、
もともと夫婦、親子、兄弟姉妹などの扶養義務者からの生活費や教育費に充てるための贈与は非課税とされています。
結婚・出産・育児の費用を都度、贈与する、贈与額はすべて使いきる、
結婚式披露宴の費用は、双方で費用を分担する、贈与者の送金履歴、受贈者の支払記録を残すなど備えをしておきましょう。

◆3年に一度の評価替え

令和3年度は、3年に一度の固定資産の評価替えの年(基準年度)です。
新しい評価額は、令和4年度、令和5年度まで3年間適用され、市区町村の固定資産税納税通知書および課税明細書に記載されています。

◆令和3年度は負担調整措置で前年並み課税

土地の評価には、負担調整措置があります。
固定資産の評価額に対する税負担に地域や土地による格差があるのは税の公平の観点から問題があることから、
負担調整措置により負担水準(評価額に対する前年度課税標準額等の割合)が高い土地は税負担を引き下げたり、
据え置いたりする一方、負担水準が低い土地については段階的に税負担を引き上げます。

令和3年度は、評価替えを起因とする税額の上昇を抑えるため、前年度と比較して価格が上昇する場合、
令和2年度課税標準額に据え置かれます。
納税者の負担は令和2年と同じですが、評価額そのものは改定されているので、しっかり確認しましょう

◆宅地評価は相続税と異なります

宅地は地方税法の定める「固定資産評価基準」により評価されます。
固定資産税の路線価が設定される地域では、路線価に画地補正率を乗じ、
さらに修正率を乗じて1㎡あたりの土地評価額を算定します(修正率は毎年設定)。
なお、画地補正率は、市町村(東京23区は東京都)の条例で独自に定めて適用することができます。

固定資産税路線価は、相続税の路線価と異なり、
基準年度の前年1月1日(令和3基準年度は、令和2年1月1日)の地価公示価格、
または不動産鑑定評価額の概ね70%で設定されます。
また補正率は、相続税の補正率と同様のものが設定されていますが、地区の区分や適用される数値は相続税と異なるので注意が必要です。
また令和3年度の修正率は、令和2年1月1日から令和2年7月1日までの地価の下落状況を反映して路線ごとに設定されています。
今年は減額修正されている路線が多くあります。

◆所有土地の評価額をチェックする

令和3年度の評価額は、納税者の側でも固定資産税の路線価、画地補正率、修正率を使用して算出できます。
市区町村の固定資産税課に出向けば、土地評価額を閲覧できるほか、
担当者に問い合わせて評価額の根拠を教えてもらうこともできます。
一度ご自身で土地の評価を確認してみてはいかがでしょうか。

建物