◆キャンペーン報償でのギフト券の所得課税

保険代理店業を行っている事業者が、保険会社の推進強化月間のキャンペーンで一定の成績を上げ、
報償としてギフト券をもらいました。この場合の課税関係はどうなるのでしょうか?

事業者といっても、法人の場合と個人事業の場合の2つの形態があります。
法人=会社の場合は、「無償による資産の譲受け」としてその事業年度の収益の額となります(=雑収入計上します)。
個人事業者の場合も、事業を行ったことで得られたものですので、「事業に係る総収入金額」として課税対象となります。
いずれにしても、ギフト券の価値相当分は所得課税の対象となります。

◆消費税の扱いはどうなる?

では、その事業者が消費税の課税事業者であった場合には、ギフト券に係る消費税の課税問題も発生するのでしょうか?
消費税法では、キャンペーン報償のギフト券の取得は、「無償であって対価を得て行う取引ではありません」ので、
もらった時には不課税扱いとなります。
ただし、そのギフト券で事業に必要な物品等を購入した場合は、課税仕入れとして消費税の取扱いが発生することとなります。

◆報償の対象者が個々の役員や社員の場合

また、もしも、こうしたキャンペーンでの報償対象者が
それぞれの事業者に属する従業員や役員・社員であった場合には、少し課税関係が変わってきます。
所得税基本通達では、
「役員又は使用人が自己の職務に関連して使用者の取引先等からの贈与等により取得する金品に係る所得は、雑所得に該当する」
としています。
雑所得となった場合、サラリーマンやOLで年末調整を受けている人は、
20万円以下ならば確定申告をしなくてもよいとされています(ただし、勤務先からの年間給与収入が2,000万円以下の人に限ります)。

なお、上記の場合であっても、医療費控除やふるさと納税で確定申告をする場合には、
雑所得として申告が必要となりますので、その分の計上を忘れないようにしなければなりません。

◆今年も豪雨被害が出ています

近年、日本各地で豪雨被害が毎年発生しています。被害に遭われた方にお見舞いを申し上げます。
近年では予報精度が上がり、避難指示等の発令についても迅速に行われるようになってきました。
しかし、災害が発生しそう、または発生しているその場にいる人が動かなければ、予報も避難指示も意味がありません。
まずは災害が起きる前に、避難ルートの確認や情報収集の方法を考え、備えておきましょう。

◆災害時、住宅ローンの特例がある

いざ災害等に遭ってしまった場合は、雑損控除災害減免法による所得税の軽減や、
申告・納税の猶予法人税の繰戻し還付等の、税の優遇が受けられるものがいくつかあります。
住宅ローン控除についても、災害により住宅用家屋が被害を受けた場合には、特例を受けることができます。

◆適用期間の特例

基本的に、住宅ローン控除は「居住している」ことが条件となりますが、
災害によって被害を受けたことにより居住の用に供することができなくなった住宅は、
住宅ローン控除の残りの適用年においても引き続き住宅ローン控除を受けることができます
ちなみに「住んでないのにローン控除」が認められているケースは他に「単身赴任で家族は住んでいる住宅」があります。

◆重複適用の特例

被災者生活再建支援法が適用された市区町村の区域に所在する家屋が、
災害により居住の用に供することができなくなった場合には、被災住宅の住宅ローン控除と、
一定期間内に新たに住居用家屋の再取得等をした場合の住宅ローン控除を重複して適用することができます。

ただし、重複適用の特例を受ける場合は「それぞれの控除額の限度額のうち最も高い金額が控除限度額」となるため、
2つの住宅ローンの合計額が大きい場合、すべての額が控除されるわけではありません。

倒産

法人住民税とは、

会社などの法人のほか、財団や社団など収益事業を行うものに課される地方税をいい、
個人の住民税と同様に、都道府県民税と市町村民税があります。

法人住民税の課税標準は3つありますが、1つは法人税額で、
この課税標準を用いて、「法人税割」という住民税の金額が算定されます。
残りの2つは従業員数と資本金で、これらの課税標準を用いて、「均等割」という住民税の金額が算定されます。

法人税割は、

地方自治体によって税率が決められており、一定の割合にしている自治体もあれば、
資本金や所得(利益)に応じて割合を変える自治体もあります。

事務所や事業所が複数の自治体にある場合は、従業員数等を基準にして、
法人税の金額を地方自治体ごとに分割し、分割された金額を基に、
その地方自治体に支払う法人税割の金額が計算され、法人税額を基礎として課税されますので、決算が赤字の場合はゼロになります。

また、均等割は、

従業員数や資本金の金額をもとに算出して課税する住民税をいい、これは地方自治体ごとに金額が定められております。

法人税割と同様に、各地方自治体が課すべき目安という意味での「標準税率」と、
各地方自治体が課税することが可能な上限を示した「制限税率」(市町村税のみ)があります。

都道府県税の均等割は「制限税率」がありませんので、各都道府県は均等割の金額を自由に設定できます。

ただし、均等割は、対象となる法人であれば支払う必要がありますので、決算が赤字になった場合も支払い義務があります。
ちなみに東京都の場合には資本金1,000万円以下で従業員が50人以下の場合には、均等割は7万円となっております。

なお、法人住民税の均等割は基本的に法人が存続する限り、課税されますが、場合によっては納付が免除されるケースもあります。

具体的には、非営利法人として活動している場合や収益事業を営んでいない場合、
法人としての活動を休業している場合のいずれかに該当する場合をいい、
各地方自治体で設定されている条件を満たせば、法人住民税均等割が免除されることがありますので、該当されます方はご確認ください。

(注意)
 上記の記載内容は、令和3年7月1日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、
記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

 

◆輸出品だから全部免税というわけではない

事業主が国内で商品の販売をしたり役務の提供をしたりすると、原則として消費税がかかります。
しかし、これらが輸出取引に当たる場合には消費税が免除されます。
消費税などの間接税は、消費される国で課税されるよう国境税調整により税を課さないことが国際慣行となっているためです。

輸出免税は事業者にもよく知られていて、輸出=消費税なしとの認識が多いと思われます。
しかしながら、輸出免税を受けるためには、資産の譲渡等が輸出取引となることについて、
その輸出取引等の区分に応じて一定の証明が必要です。

なお、最終的に輸出されるものであっても、
①輸出する物品の製造のための下請加工や
②輸出取引を行う事業者に対して行う国内での資産の譲渡等
は輸出取引ではないので、輸出免税とはなりません。

また、輸出の取引条件によっては、買主が外国企業であっても国内譲渡とされ、
輸出免税とならない場合(Ex-Works:EXW=工場渡しの場合)もあります。要注意です。

◆外国と直接取引だから全部免税でもない

非居住者に対して行われる役務の提供は、
①国内資産の運送保管、
②国内での宿泊や飲食、
③その他国内において直接便益を享受するもの
を除き、輸出免税の対象になります。

役務提供などの場合には、その契約書などで一定の事項が記載されたものが、輸出取引等の証明として必要です。

役務提供を受ける者が日本国内に支店又は出張所等を有していれば、
そこと取引があったものとして輸出免税から外れます。
しかしながら、外国の本店等とのみの直接取引であれば免税となりますが、
国内支店又は出張所等の業務と関連するものでないことが条件とされます。条件確認が複雑です。

◆消費税請求漏れを追加請求で回復できない

相手が外国の会社(=非居住者)だから消費税の課税はないと思い込んで消費税を付加しない取引を行い、
後日税務調査などで消費税の課税漏れを指摘されたような場合には、その課税漏れ分は自社の負担となってしまいます。
よっぽど販売側の力関係が強い場合でない限り、税金を追加でもらうことはできません。
取引時に慎重に課税の有無の検討が必要です。注意しましょう。

国税庁から公表された在宅勤務に係る経費の課税関係
合理的なことが事細かく記載されていてどれも道理にかなっていますが、
現実的にどこまで企業が対応可能でしょうか

 

◆在宅勤務にまつわる費用はどうなる?

新型コロナウイルス感染症の蔓延によって、
日本社会は「リモートワーク」や「在宅勤務」といった言葉が一般的になりました。

会社が支給してくれる在宅勤務等に係る費用について、従業員の皆さんや経理担当の方の中には
「これは経費になるの? それとも給与扱い?」と疑問を持った方もおられるのではないでしょうか。

◆課税当局からの説明

国税庁は今年1月に「在宅勤務に係る費用負担等に関するFAQ(源泉所得税関係)」というまとめを出しています。

「在宅勤務手当」を従業員に支給した場合は「給与として課税する」ことになります。
在宅勤務手当とは、在宅勤務を行う社員に一律に金額を支給するものなどです。
また、在宅勤務に係る事務用品等を支給する場合でも、これは現物支給の給与扱いとなりますので、課税となります。

一方、「貸与」として事務用品等を社員に貸し出した場合は、給与扱いとはなりません
その事務用品を使ってもらうために、仮払いでお金を出した場合でも、
領収書で精算をする場合でも、どちらでも給与課税とはなりません。
また、企業が従業員に専ら業務に使用する目的で「支給」したとしても、
業務に使用しなくなったとき返却してもらう場合には「貸与」とみて差し支えないとのことです。

◆通信費や電気料金は按分計算が必要

通信費や電気料金についても、業務に利用した部分を合理的に計算した金額を
支給している場合に関しては給与として課税する必要はありません

ただし、一定の金額を「通信費等で必要だろう」と渡し切りにしている場合、
実際に業務のために使用した額を超えている部分については、給与として課税する必要があると説明しています。

業務のためのスペースが自宅になく、
レンタルオフィス等を従業員に借りてもらった費用を会社が出している分については、給与として課税する必要はありません。

国税庁はテレワークにかかる通信費や電気料金について、源泉所得税の課税基準をまとめました。

通信費は在宅勤務した日数分の2分の1
電気料金は自宅のうち業務に使用した部屋の床面積の割合に応じて在宅勤務日数分の2分の1
を非課税とする計算式を明示しています。

新型コロナウイルス感染拡大を受けて、出社せずに在宅で勤務するテレワークを導入する企業が急激に増加。
コロナ禍が終息した後のポストコロナの経済社会でもテレワークの積極活用は継続するとみられています。

企業の中にはテレワーク実施に伴い、在宅勤務手当を支給するケースが増えていますが、
通信費や電気料金は私用との区別がつきにくい支出です。
そのため、企業の経理部門が源泉徴収する際、所得税の課税対象を巡り事務作業の複雑化につながっていました。

実費精算でなく渡しきりの定額で支給すれば給与に含まれ、
従業員にとっても所得税負担の増加につながるとして、非課税とすることを求める声がありました。

こうした動きを受け、国税庁が通信費と電気料金のうち業務使用分を割り出す計算式を公表。

1カ月のうち在宅勤務を20日間行った場合、通信費は20日間の2分の1である10日間分が業務分と認められます。
電気料金は、さらに仕事部屋の床面積の割合を掛け合わせます。
自宅床面積70平方メートルのうち仕事部屋が10平方メートルであれば、10日間分の7分の1の電気料金を非課税となります。

なお「2分の1」については、1日のうち平均睡眠時間8時間を除いた時間に占める法定労働時間(8時間)の割合から算出したそうです。

<情報提供:エヌピー通信社>

◆交際費課税の現状

現在の交際費課税は以下のようになっています。
①大前提として1人5,000円以下の飲食等については、交際費としなくてもよい
②資本金が1億円以下である法人は、交際費の50%を損金に算入するか、800万円までを損金に算入するかのどちらかを認める。
資本金が1億円を超える法人は、交際費の50%を損金に算入することを認める
資本金が100億円を超える法人は交際費の損金算入は一切認めない

何をもって交際費とするかは諸説ありますが国税局は以下のように言っています。
「交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人が、その得意先、
仕入先その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為

◆企業は交際費をどれくらい使っているの

国税局の最新(平成30年)の統計情報によれば、1億円以下の法人は、1社平均90万円弱です。
それに対し1億円超の法人は1社平均1,000万円強です。
全額否認される100億円超の法人は1社平均1億500万円です。
全体の数字では圧倒的に数の多い1億円以下の法人が多いですが、1社当たりで見るとかなりの開きがあります。

1億円以下の法人は800万円までの損金算入で十分かと思われますが、
1億円超の企業は交際費の損金算入が認められれば、もっと交際費は増えると思われます

◆コロナで飲食店は大打撃

ご存知のように、コロナ騒ぎで飲食業界は大きく売上げを落とし大打撃を被っております。
特に接待を伴う飲食店の打撃は大きなものがあります。
景気が良くなるとはお金が実体経済でたくさん循環することです。
本来交際費の損金不算入制度は、政策的な制度です。
景気の動向を見て数年に一度は限度額や制度そのものを変更してきました。
Go To Eatも結構ですが、この際交際費の損金不算入制度の見直しをしてもよいのではないかと思われます

◆とても長い名前になってしまった用紙

年末調整は、給与を受ける人それぞれについて、
原則毎月の給与や賞与などの支払いの際に源泉徴収した税額と、
その年の給与の総額について納めなければならない年税額とを比べて、その過不足を精算する手続です。

各種「控除申告書」を経理担当者等に出すことになりますが、
去年は「給与所得者の配偶者控除等申告書」という名前だった用紙が、
「給与所得者の基礎控除申告書兼給与所得者の配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書」という、
とても長い名前に変わりました。なお、「給与所得者の保険料控除証明書」に変更はありません。

◆基礎控除変更と所得金額調整控除新設

基礎控除は令和2年から、所得によって減額が行われるようになりました。
控除額は、所得金額(給与所得控除後の金額+給与所得以外の所得額)が、

2,400万円以下   48万円
2,400万円超2,450万円以下  32万円
2,450万円超2,500万円以下  16万円
2,500万円超 基礎控除は     0円
に変更となります。

所得金額調整控除は、給与収入が850万円を超える給与所得者で、
①本人・同一生計配偶者・扶養親族いずれかが特別障害者
②年齢23歳未満の扶養親族が居る
①か②のどちらかの条件を満たしていれば(給与収入金額-850万円)×10%=控除額となります。
なお、給与所得と年金所得の両方がある方は、確定申告で所得金額調整控除を受けられますが、
年末調整は給与収入の税額の調整を行うものなので、この控除申告書では計算をしません。

◆電子申請の方が楽?

今年の年末調整は、国税庁が無料ソフトを提供している上に、
会計ソフト会社等も、使いやすい年末調整・法定調書等の作成ソフトを販売しています。
例えば国税庁のソフトでは、従業員入力を分かりやすくするために、
最初に簡単な質問の「はい・いいえ」で入力項目の絞り込みを行う等して、
とても長い名前の紙の控除申告書の入力が必要な部分のみを表示してくれます。

年末調整

 

令和2年分から適用される所得税の改正項目は多岐にわたり、
基礎控除・寡婦控除・給与所得控除・公的年金等控除・青色申告特別控除の改正や、
ひとり親控除・所得金額調整控除の創設などがあります。

このうち所得金額調整控除は、新たに創設された制度で適用が想定されるケースも多そうです。
今年の年末調整で戸惑わないよう注意しましょう。

◆所得金額調整控除

所得金額調整控除には、以下の二種類の控除があります。

(1)子ども・特別障害者等を有する者等の所得金額調整控除

【適用対象者】

その年の給与等の収入金額が850万円を超える給与所得者で、かつ、
本人が特別障害者に該当する者、
年齢23歳未満の扶養親族を有する者、又は
特別障害者である同一生計配偶者・扶養親族を有する者

【所得金額調整控除額】

{給与等の収入金額(1,000万円超の場合は1,000万円) - 850万円}×10%

(2)給与所得と年金所得の双方を有する者に対する所得金額調整控除

【適用対象者】

給与等の金額と公的年金等に係る雑所得の金額がある給与所得者で、
その控除後の合計額が10万円を超える者

【所得金額調整控除額】

{給与所得控除後の給与等の金額(10万円超の場合は10万円)
+ 公的年金等に係る雑所得の金額(10万円超の場合は10万円)}-10万円

◆注意点

年末調整で適用できるのは(1)の制度ですが、この制度については以下の注意が必要です。

①「給与所得者の扶養控除等申告書」の提出とは別に「所得金額調整控除申告書」の提出が必要となります。
②共働きの場合、扶養親族が一人であっても要件を満たせば、夫婦の双方で適用することも可能となります。

共働き世帯で扶養控除の適用を受ける場合は、いずれか一の者の扶養親族にのみ該当するものとみなされますが、
この制度ではそのような取り扱いはありません。

年末調整

年末調整の電子化に対応した国税庁のソフトが10月に公開されました。

従業員が作成する保険料控除申告書などを作成するソフトでは、
質問に答えることで作成すべき控除申告書が分かる「控除ナビ」の機能のほか、
控除額の自動計算や扶養親族の生年月日入力で特定扶養親族の有無を自動判定する機能もあります。
ソフトは、①Windows版、②Mac版、③Android版、④iOS版があり、①と②は国税庁ホームページか公式アプリストアで、③と④は公式アプリストアから無料でダウンロードできます。

このほか、マイナポータルと連携することで

控除証明書などの必要書類データを一括取得して各種申告書を自動入力できる仕組みも始まりました。
マイナポータルは政府が運営する個人サイトで、マイナンバーの取得が前提のサービスです。
2万円の買い物で5千円分のポイントがつくマイナポイント制度と同様、
マイナンバーカードの普及に向けた施策の一環で、低迷する取得率を上げるための必死さが伝わってきます。

さらに10月28日からは、AIによる税務相談が始まります。

「チャットボット」と呼ばれるもので、これは「チャット(会話)」と「ロボット」を併せた造語です。
質問内容を入力すると、チャットボットの「税務職員ふたば」が年末調整の相談に応じます。
24時間いつでも質問可能です。
来年1月中旬からは所得税の確定申告の相談も開始する予定ということです。

 なお年調ソフトやマイナポータル連携、チャットボットの詳細については、
国税庁のホームページの「令和2年分からの年末調整の簡便化について」で解説されています。

<情報提供:エヌピー通信社>