”日本の税負担は世界最高水準”
”稼いでも半分は税金にもっていかれている”

と聞いたことはありませんか?

厳密には、所得税、住民税、社会保険、年金保険などを併せて、
「税金として持っていかれる」状態ですが、このうち、
所得税と住民税について、本当の税負担について考えてみましょう。

・所得税の税率は?
・住民税の税率は?
・課税される所得金額とは?
・具体的な年収でみてみましょう

所得税の税率は?

所得税の税率は、累進課税方式といい、
つまり、「稼ぎが多い人ほど税負担率があがる」仕組みになっています。

年収200万円の人の5%=10万円と、
年収2億円の人の5%=1,000万円は、その総額や手残りからして重さが違うため、
その調整のための制度と考えると良いと思います。

また、所得税の計算の仕方は、次の算式となっています。
「課税される金額 × 税率 - 控除額」

そしてその累進税率は次のような段階になっています。

課税される所得金額税率控除額
1,000円 ~1,949,000円5%0円
1,950,000円 ~ 3,299,000円10%97,500円
3,300,000円 ~ 6,949,000円20%427,500円
6,950,000円 ~ 8,999,000円23%636,000円
9,000,000円 ~ 17,999,000円33%1,536,000円
18,000,000円 ~ 39,999,000円40%2,796,000円
40,000,000円 ~                      45%4,796,000円

 

 

 

 

 

例えば、課税される所得金額が1,000万円の場合は、下記のように計算します。

10,000,000円 × 33% - 1,536,000円 = 1,764,000円
※別途復興所得税約3万7千円かかります。

住民税の税率は?

住民税の税率は10%です。
(多少お住いの都道府県、市区町村によって変わります。)

例えば、課税される所得金額が1,000万円の場合は、下記のように計算します。

10,000,000円 × 10% = 1,000,000円

課税される所得金額とは?

税金の計算で、「課税される所得金額」というのは、ざっくりと、
①額面の売上(収入)から、
②経費(みなし経費)を引いて、
③所得控除を引いた金額

です。

サラリーマンのような給与所得者の場合を前提として例を見てみます。

①はそのままで、額面の給与金額ということになります。

②は、給与所得者の場合には次のように「給与所得控除」というみなし経費のようなものがあります。
例えば、額面1,000万円の場合には195万円と決まっています。

給与等の収入金額給与所得控除額
(給与所得の源泉徴収票の支払金額) 
1,625,000円まで550,000円
1,625,001円から1,800,000円まで収入金額×40%-100,000円
1,800,001円から3,600,000円まで収入金額×30%+80,000円
3,600,001円から6,600,000円まで収入金額×20%+440,000円
6,600,001円から8,500,000円まで収入金額×10%+1,100,000円
8,500,001円以上1,950,000円(上限)

③は人によって異なります。
例えば、結婚している、お子様がいる、ご両親を扶養している、ふるさと納税をしているなどなど、
様々な状況によって変動します。
中でも影響が大きいのは、給与などに連動する社会保険料です。

具体的な年収でみてみましょう

では次に具体的な年収例と税負担を見てみましょう。
ここでは、計算を簡単にするため社会保険料は給与の15%、それ以外は500,000円とします。

額面所得控除課税される所得金額所得税率控除額所得税住民税合計の税負担実質の負担
2,000,000800,0001,200,0005%060,000120,000180,0009%
4,000,0001,100,0002,900,00010%97,500192,500290,000482,50012%
6,000,0001,400,0004,600,00020%427,500492,500460,000952,50016%
8,000,0001,700,0006,300,00020%427,500832,500630,0001,462,50018%
10,000,0002,000,0008,000,00023%636,0001,204,000800,0002,004,00020%
15,000,0002,750,00012,250,00033%1,536,0002,506,5001,225,0003,731,50025%
20,000,0003,500,00016,500,00040%2,796,0003,804,0001,650,0005,454,00027%

右端の実質の負担というのは、所得税と住民税の合計を、額面で割った割合です。

こうしてみると、税金だけの負担は半分はいかないということがわかります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

「税金で半分持っていかれる」というの少し違っていることがわかると思います。

ただ、正確には、

”社会保険料、所得税、住民税などなどを併せるとかなり持っていかれる”
ということなだけです。

悩み

「レシートは何年間保存しないといけないか?」

これは簡単そうで意外と覚えられないことです。

答えは、基本的に7年、たいしたことない書類は5年

 

・青色申告者の帳簿保存期間
・白色申告者の帳簿保存期間
・帳簿書類とは?
・まとめ

青色申告者の帳簿保存期間

青色申告は、様々な特典が与えられます。
その特典は「より正確な帳簿を付けていること」に対しての特典です。

つまり、帳簿、書類をしっかり保存するからこそ、特典があり、
税金が安くなります。

そして、その保存期間は基本的に7年間となっています。

白色申告者の帳簿保存期間

事業や不動産投資をしている白色申告者であっても、納税の義務があり、
納税金額の根拠となる帳簿や書類の保存が必要になります。

「白色申告者は帳簿をつけなくて良い」といった意見もありますが、
そんなことはありません。
税制は変わり、どんな規模でも帳簿をつけないといけません。

”つけていない場合には即罰則”というわけではありませんが、
税務調査があった場合には、反論することができなくなってしまいます。

つまり、税務署や税務調査官の思い通りに税金を払う羽目になることもあります。


(雑所得については【確定申告】副業の確定申告が厳しくなる?!2022年税制改正

 

帳簿書類とは?

ここでいう帳簿書類とは、大きく帳簿と書類に分かれます。

青色申告者の帳簿書類

帳簿は、仕訳帳、総勘定元帳、現金出納帳、売掛帳、経費帳、固定資産台帳などです。

書類は、さらに三つに分かれます。
・決算書類、決算に関連する棚卸表などの「決算関係書類」
・現金預金等小切手控、預金通帳、借用書などの「現金預金等関係書類」
・その他の書類(請求書、見積書、契約書など)

白色申告者の帳簿書類

帳簿は、①収入や必要経費を記載した帳簿(法定帳簿)と②それ以外の業務に関して作成した帳簿(任意帳簿)に分かれます。

書類は、青色申告者と同じように「決算関係書類」と「それ以外書類(業務に関連する請求書、納品書など」に分かれます。

 

なお、冒頭にある通り、基本的には帳簿書類の保存期間は7年間ですが、
請求書などの書類や、白色申告者の法定帳簿以外の帳簿書類は5年間でいいことになっています。

まとめ

上記のように、一口に「書類は何年保存したらいいか」は、細かく見るとかなり面倒です。
おすすめは「すべて7年間保管しておく」ことだと思います。

悩み

副業やフリーランスで働く方、副業から独立する方などが頭を悩ます税金。
そして経費。
今回はこの「個人事業における経費」について、ポイントをご紹介します。

 

・経費の基本的な考え方
・経費の細かい要件ー債務が確定してること
・プライベートと事業の境目について
・経費にならないものの例

経費の基本的な考え方

副業やフリーランス、不動産投資にかかる所得は、事業所得、不動産所得、雑所得と言われます。
これらの所得は、「収入から経費を引いて」計算されます。

必要経費は基本的に簡単に言うと次のものに限定されています。

・売上に対応する原価
・売上を得るために直接要した費用
・その他業務上の費用の額

経費の細かい要件ー債務が確定してること

さらに、その費用については、その年において債務が確定していることが求められます。

例えば、前払いや仮払いは経費になりませんし、
まだ払っていなくても債務が確定していれば経費になります。

ここでいう「その年において債務が確定している」とは、次の三つの要件をすべて満たす場合です。

(1)その年の12月31日までに債務が成立していること。
(2)その年の12月31日までにその債務に基づいて具体的な給付をすべき原因となる事実が発生していること。
(3)その年の12月31日までに金額が合理的に算定できること。

難しく聞こえますが、要するに、
「年末までに、何かをもらったりしてもらったりして、支払いをする義務が明確にある」ということです。

プライベートと事業の境目について

副業やフリーランス、不動産投資などで発生する経費や支払というのは、
明確に「プライベートのもの」か「事業のものか」が微妙なものが多いです。

例えば、誰かと食事や遊興に興ずるための交際費、接待費、
生活のためでもあり事業にも確実に使っている地代、家賃、水道光熱費などです。

経費としては、これらの費用(家事関連費)のうち、
取引の記録などに基づいて業務遂行上直接必要であったことが明らかに区分できる場合
その区分できる金額に限られます。

つまり、経費として算入するためには、
・レシートなどの明細
・業務との繋がりが説明できる資料
・合理的な金額の算出
をしておいたほうがいいでしょう。

経費にならないものの例

経費になるものならないものは、ほとんどが常識的な考え方と同じです。
しかし、中には税金特有の考え方をするものがありますので、
ご紹介します。
※簡便的な表現にしています。実際申告の際にはよく検討してください※

①一緒に住んでいる家族に支払う地代家賃
ただし、例えば子が父から業務のために借りた土地・建物に課される固定資産税等の費用は、
子が営む業務の必要経費になります。

②一緒に住んでいる家族に支払う給与賃金
ただし、青色事業専従者給与や事業専従者給与は必要経費です。

③借入金の返済
ただし、業務のための借入金の利息は必要経費になります。
※不動産の場合には一部経費とならない場合がありますので要注意です。

④税金
ただし、事業税は全額必要経費です(事業のためにかかる税金のため)。
また、固定資産税は業務用の部分に限って必要経費になります。

⑤罰金など

 

新型コロナウイルスに本人や家族が感染すると、様々な症状や制限が起きます。

会社としては、新型コロナウイルスに限らず、役員や従業員、その家族に災難や慶弔があると
従業員等に対して見舞金等をお支払いすることもあります。

このような見舞金は課税対象となるのでしょうか?

常識的な見舞金であれば課税対象にならない

結論から言えば、常識的な内容であれば課税対象とはなりません

具体的には、下記の要件を満たすものであれば給与等として課税されることはありません。

(1) その見舞金が心身又は資産に加えられた損害につき支払を受けるものであること
(2) その見舞金の支給額が社会通念上相当であること
(3) その見舞金が役務の対価たる性質を有していないこと
(注) 緊急事態宣言が解除されてから相当期間を経過して支給の決定がされたものについては、
非課税所得とされる見舞金に該当しない場合があることに留意する。

平たく言うと次の4つの要件ですが、通常は該当すると思います。
・体や心、資産の損害のための支払いであること
・金額が常識的な範囲であること
・実質給料ではないこと
・コロナに関係ないタイミングで支給を決定していないこと

「心身又は資産に加えられた損害につき支払を受けるもの」とは

要件の一つである「心身又は資産に加えられた損害につき支払を受けるもの」とは、
例えば次のようなものが挙げられます。

・従業員や役員、その家族が感染した
・緊急事態宣言中などでも働かないといけない、多数の人と接触する、コロナ前より業務量が増えている職業の方への支給
・従業員や役員、その家族が感染したことによって、モノを捨てないといけなくなった

「社会通念上相当」とは?

要件の一つである「社会通念上相当」とは、
・感染可能性や感染の事実に応じた妥当な金額か
・慶弔規定等に定められているか
・慶弔規定や過去の支給実績
などを加味して判断するようです。

「役務の対価たる性質を有していない」とは

要件の一つである「役務の対価たる性質を有していない」について、
下記のようなものは「役務の対価たる性質を有している」ことになります。
(1) 本来受けるべき給与等の額を減額した上で、それに相当する額を支給するもの
(2) 感染の可能性の程度等にかかわらず使用人等に一律に支給するもの
(3) 感染の可能性の程度等が同じと認められる使用人等のうち特定の者にのみ支給するもの
(4) 支給額が通常の給与等の額の多寡に応じて決定されるもの

まとめ

課税の公平の実現のために、様々な要件が難しい文章で表現されるため、
一見すると複雑に感じます。
しかし、特にこの見舞金に関する取り扱いは常識的に考えて当たり前のことが多いです。
お金

コンビニ大手が国税局の税務調査を受け、1億円以上の印紙税の納付漏れがあったと報道がありました。

1.印紙税とは?
2.印紙税の納付漏れとは?どういう罰則?
3.まとめ

 

1.印紙税とは?

印紙税とは、一定の書類に係る税金で、印紙を購入し貼り付けることにより納税したことになるものです。

一定の書類とは、”課税文書”と呼ばれ契約書や領収書などが該当します。
名称が領収書などでもなくても、実質が課税文書に該当する場合にもかかります。

個人的には、まさに前時代的な意味不明な税金といえると思います。


2.印紙税の納付漏れとは?どういう罰則?

この印紙税は、みずから購入して貼らないといけない&課税文書が何かが難しいため、
納付漏れがよく起きる税金です。

納付漏れ=課税文書なのに印紙が貼っていない

ということです。

しかも、印紙税の厳しいところはその罰則です。
印紙税の納付漏れがあるとその2倍、つまり併せて3倍の額を支払う必要があります。
したがって、冒頭のケース(1億円以上の納付漏れ)では、合計3億円以上納税したことでしょう。

小さいものであれば200円からありますが、大きくなると何十万円もするものがありますので、
せめて金額が大きい取引の場合にはよく確認しましょう。


3.まとめ

印紙税は内容が意味不明であり、あまり認知度も低く、課税文書の判断も難しい場合があり、
その結果納付漏れが起きやすいです。

しかし、ひとたび納付漏れがあれば、併せて3枚分の納税をしなければならないので、
報道にあるような大企業であればあるほど大きなリスクといえましょう。

逆に、取引先などとのやり取りで、印紙税に関する指摘などがあれば、
多少しっかりした相手先だとも判断できる側面もあります。

財産を一定額以上お持ちの方が亡くなると相続税がかかることがあります。
ではこの「財産」とはなにか、を考えたことがありますか?

今回はこの「相続税がかからない財産」の一部をご紹介するとともに、
活用方法を考えましょう。

・相続税がかからない財産は?
・非課税財産の活用方法
・最後に

相続税がかからない財産は?

  1. 相続税は、かかる財産とかかからない財産があります。
    その中でも次のモノは相続税法という法律で、相続税がかからないと決められています。
    (一般的に関係ありそうなものだけ紹介します)

1.墓地や墓石、仏壇、仏具、神を祭る道具など日常礼拝をしている物

財産でありますが、これらに対して税金をかけるのはちょっと嫌ですよね。

2.相続によって取得したとみなされる生命保険金のうち500万円に法定相続人の数を掛けた金額までの部分

法定相続人が3人だとすると、合計で1500万円までは税金がかかりません。
この場合の「生命保険金」は、基本的には、
「亡くなった人が保険料を払っていて、亡くなったことにより保険金が支払われるもの」です。

3.相続によって取得したとみなされる退職手当金等のうち500万円に法定相続人の数を掛けた金額までの部分

法定相続人が3人だとすると、合計で1500万円までは税金がかかりません。

4.国などに寄付した場合

別のコラムでも紹介しましたが、国など公共性の高いところへ寄付するとその分税金が掛からなくなったりします。

非課税財産の活用方法

非課税とされる財産のうち、ぜひ使った方がいいのが、上記の2.「生命保険金」です。
例えば、お金を持って亡くなると税金が掛かりますが、
この「非課税枠」を使うと、同じ金額が相続人の手元に行く場合でも、
税金が減ります。

本来「何かあった時のために入る」のが保険ですが、この場合だと、
「どうせ同じ金額相続するならば非課税で相続させる」という使い方です。

最後に

この記事で紹介したものは、相続税の計算上、税金がかからないと決められている財産の一部です。
つまり、ほかにも税金があるいは税金が少なくなるように対策をする方法がいくつかあります。

インターネット等で情報は簡単に手に入りますが、どれも断片的です。
税金はあらゆる角度から包括的に検討することによりよりメリットが受けられたり、
思わぬ落とし穴にはまることを回避できます。ぜひ包括的に税理士にご相談ください。

人は、生きても死んでも、会社を経営してもありとあらゆる税金が掛かります。

では、その税金がいつの費用(損金)になるのでしょうか?

税金は実はその内容によって、損金に算入されるか否か、いつされるか、などが変わります

今回は、会社(法人)における主な税金の損金算入について概説します。

・まずは用語や基本的な考え方
・法人税などは?
・固定資産税や自動車税などは?
・利子税や延滞税は?

まずは用語や基本的な考え方

内容に入る前に、税務上でよく使われる言葉などについて要点を理解しておくとわかりやすいと思います。

・日本では、人間(自然人)の場合には、暦年(1/1-12/31)で、会社(法人)の場合には、
会社が決めた事業年度で区切って、税金などの計算をすることがあります。

・税金本体や延滞税などを含めて、租税公課といいます。

・会計上で経費処理することを損金経理といい、
その経費が法人税の計算上も経費として認められることを損金算入といいます。

・自分たちが申告書を作って申告する所得税や法人税などを申告納税方式、
役所などが計算して納付書を送ってくる固定資産税などを賦課課税方式、といいます

・納税が遅れてしまったり、間違っていて差額を支払うときに合わせて利息分を払いますが、
その利息分のことを利子税、延滞税、延滞金などといいます。

 

・法人税などは?

まず、法人税や地方法人税、住民税は損金に算入されません
例えば法人税を損金に算入していくと毎年同じ利益だったとするとどんどん税金が減るというおかしなことになってしまいます。

同時に申告することが多い消費税は、経理処理によって変わります
税込み経理なら損金に算入され、税抜き経理ではそうでない、となります。
(どちらが有利不利ということはないです)

また、一方で事業税や事業所税は損金に算入されます。
原則のタイミングとしては、申告書を提出したとき=つまり翌事業年度となります。


・固定資産税や自動車税などは?

まず、固定資産税や自動車税、不動産取得税などは、賦課課税方式です。

原則として、賦課課税方式の租税は、賦課決定のあった日=「これ払ってくださいね」という通知が来たときに損金に算入されます。


・利子税や延滞税は?

まず、利子税は、自ら納期限を延長を申し出て、通常よりも遅れて納税をする場合にかかる利息分です。
一方で、延滞税は、延長を申請していないのに勝手に納税が遅れたり、間違った後に差額を納税する場合などにかかるペナルティです。

その意味から、利子税は損金に算入されますが、延滞税は損金に算入されません。

そして、損金に算入される利子税は納付した事業年度で損金に算入されます。

なお、地方税の場合には、どちらも延滞金というので、内容をよく確認して処理をする必要があります。

 

まとめ

今回は租税の損金算入とその時期について概説しました。
基本のみのご紹介なので、特別な場合(例えば未払計上する場合)には、別途良く調べて、検討して、
処理をするようにしましょう。

税金

役員給与は基本的に損金に算入されません(経費として認められません)。
しかし、一定のモノに該当する場合のみ、損金に算入されます。

では、ここでいう「役員」とはなんでしょうか?
一般常識的な役員とは違いますので、法人経営されている方、経理の方は知っておいた方がいいと思います。
今回はこの役員について、概要をご紹介します。
(※あくまで概要のため、ご留意ください)

・法人税でいう「役員」とは?
・気を付けるべき「役員」
・これは「役員」に該当するか?
・まとめ

法人税でいう「役員」とは?

役員に対する給与(役員報酬)は基本的には損金に算入されず、
一定の要件を満たしたモノのみが例外的に損金に算入される、という位置づけです。

一定の要件もさることながら、ここでは「役員」とは何か?を確認します。

法人税における「役員」とは、ざっくりいうと下記のように規定されています。

①法人の取締役、執行役、会計参与、監査役、理事、監事及び清算人
②そのほか、法人の従業員のうち、経営に従事している人
③そのほか、家族経営の法人で、一定の議決権を持っている親族である従業員

 

①は、一般常識的にも、法律的も役員とされる人です。
一方で、②③は特殊な考え方をします。

②は、「法律上登記された役員」ではないが、経営に関与している人

③は、従業員ではあるが、一定の権力を持った従業員で、経営に関与している人

といったイメージです。


気を付けるべき「役員」

上記の通り、②③の独特な役員の考え方が要注意です。
②③の方は、肩書や登記上役員でないことから、
役員報酬に関して見落としがちになりますので、要注意です。

例えば、次のような方に対する報酬、給料については、要注意です。

・オーナー社長の妻で、よく経営会議に出ている

・元社長が会長や相談役で残っている

・社長の子供が次期社長として従業員でいるが、経営会議にも出ている

・社長の娘と結婚した業務執行役員


これは「役員」に該当するか?

上記で業務執行役員について記載しました。
一般的にも聞いたことがある肩書ですが、実は、登記上も法人税上も「役員」とはされません。

ただし、上記のように
・一定の株式を持っている
・経営会議にまで出ている
・社長親族と結婚した
などの事情があると、法人税上の役員に含まれることがあります。


まとめ

今回は、法人税で気を付けるべき「役員」について、例を挙げてご紹介しました。
役員報酬は、法人税、所得税のダブルで痛手を食う論点ですので、よく注意しましょう。

また、役員の判定は、同族会社の判定などとも関係がありますので、
ご紹介したような例が当てはまる場合にはその点も確認しましょう

 

なお、実際の申告等に際しては顧問税理士にご相談の上、よく検討し、適用をお願いします。

起業したばかりの方でも必ず耳にしたことがあるであろう交際費に関する注意点です。

結論から言えば、次の二点に気をつけましょう

・接待のためのタクシー代も交際費になる!
・自社の人間のタクシー代は交際費ではない!

より詳細に、次の内容をご紹介します。

・交際費とは?法人税の取り扱い
・タクシー代は交際費に含まれるか
・実務上のポイントは?

交際費とは?法人税の取り扱い

交際費とは、読んで字のごとく交際に要する費用のことです。
法人税においては、具体的に
交際費等とは、交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人が、
その得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する
接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出するもの

とされています。

そして、この交際費は、1事業年度中に損金に算入できる金額が制限されています。
そのため、経理上及び税務上の取り扱いが重要になります。

具体的には、
・いわゆる中小企業は年間800万円まで、か、飲食等の費用の50%を超える金額
年間800万円、と考えることが多いです)
・いわゆる大企業は、飲食等の費用の50%を超える金額
(超大企業は認められない)
と、制限されています。

タクシー代は交際費に含まれるか

法人税における交際費は、様々な法律的、実務的な論点を孕んでいる取り扱いの一つです。
しかし、明確になっている部分もあり、その一つが、今回ご紹介してるタクシー代です。

タクシー代に関しては、以下のようになります。

自社が主催の接待の場のためのタクシー代…交際費(自社役員や社員、他社の役員や社員分)

他社が主催の接待の場のためのタクシー代…旅費交通費(自社役員や社員分)

要するに、「接待する側が支出する、接待に関連する費用」は交際費に該当するということです。

 

実務上のポイントは?

経理や実際に接待に参加する方の実務にとって、重要なことは、
上記のことがあるため、次のようになります。

・その交通費(タクシー代)は、どこに、なにをするために使ったのかを明確にする
・単純な接待のみでなく、どちらが主催なのかを明確にする
内容に沿った勘定科目で経理仕訳を行い、法人税の申告に反映する

具体的な対応として、例えば、
・旅費交通費の経費精算や稟議申請の際に、上記のことを明確にする
・帳簿上は、旅費交通費勘定の中に、交際費関連の補助科目を設定する
という対応が考えられます。

最後に

会計にも税務にも影響を与える交際費。
非常に重要で、内容をよく確認しないと判断できないものであるうえに、
その後の経理、税務処理まで注意を払わないといけません。

でも、交際費の損金不算入制度がなければそもそもこのような複雑でミスを誘うことは起こりません
この制度の創設はかなり歴史が古く、時代に合わせて形を少しずつ変えながら存続してきました。
しかし、大きく見直してはどうか、と思っている方は多いと思います。

弊所ではクラウド会計システム(マネーフォワード及びfreee)のみを使っています。
理由は、いろいろな理由で「動きやすい」からです。

しかし、クラウドサービス、サブスクリプション型のサービスの利用をためらう一因として、
「いつの間にか仕様が変わってる、料金が変わっていく」こともあるのも現実。

今回はクラウド会計のメリット・デメリットについて、弊所の独断と偏見に基づいて簡単にご紹介し、
これからクラウド会計に乗り換えようとされている方の後押しとなれば幸いです。

・クラウド会計のメリットとデメリット

 

 

クラウド会計のメリットとデメリット

クラウド会計のメリット

いくつかメリットがありますが、クライアント側にとってのメリットだと思われる点をご紹介します。

①自社で帳簿を付けていなくても、いつでも帳簿が見れる
中小企業の場合には、自社内に経理担当者はいても、帳簿の作成は外部の会計事務所に委託している会社も多いと思います。
弊所にご相談に来られるお客様の声で多いものの一つが「今の会計事務所は試算表を出してほしいといってもしばらく出してくれない」
というもの。
お客様のご意見なのでどれくらいで遅いのかはまちまちですが、よく聞かれるご意見です。

クラウド会計の場合には、端末を問わず帳簿確認ができますので、一度試算表の見方を教われば、
自社でもいつでもどこでも試算表の確認、印刷等が可能です。

(この場合、試算表の対象月までの帳簿記帳ができていなければ別の課題です)

②資料の提供が楽
会計事務所へ帳簿記帳を委託している場合でも、帳簿のチェックのみを依頼している場合でも、
会計の基となる資料との突き合わせながらの確認作業が必要になります。

その場合、従来ならば、通帳のコピーから領収書まで紙で印刷orPDF等を揃えて提出する必要があるかと思います。
その点クラウド会計であれば、銀行データ等は自動取り込み、細かい仕訳の領収書は画像データが仕訳にくっついる、
という具合で、会計事務所とクライアントの双方の手間が劇的に減ります。

会計事務所とクライアントとの取り決めなどにもよると思いますが、資料のやり取りが減ることは間違いないでしょう。

③乗り換えやすい
自社のステージや要望が変わってきたため、会計事務所や顧問税理士を変更したくなった時、
そのことをつたることは物理的、心理的なハードルになることもあります。

特に、(よくないことですが)申告書はもらっているが、帳簿(総勘定元帳など)をもらっていない場合です。
そのようなときでも、クラウド会計システムであれば、いつでも帳簿にアクセスが可能なため、
ダウンロードしておけばいいし、自社で契約していれば帳簿はすべて自社のモノですので、安心です。

また、新しい会計事務所にとっても、帳簿を見てみないとニーズにあったサービスが提供できるか不明なところがありますが、
このようなクラウド会計システムであれば、メンバーに一定期間招待してもらえれば、
契約締結前に詳細な検討や見積もりが可能になります。

どうしても経済的問題に目が行きがちですが、総じて、トータルコストが下がる、というのがメリットといえるでしょう

クラウド会計のデメリット

一方で当然デメリットもあります。これもクライアント側に絞ってご紹介します。

①料金の改定、複雑化が進みやすい

従来のスタンドアロン型(PCにインストールして、そのPCやネットワークのみで使えるもの)に比べて、
クラウド会計ソフトは、軸足が「会計」に置かれておらず、「バックオフィスの効率化」などに置かれています。

この軸足の違いから、会計ソフト自体の使いやすさや安定性のみならず、他のシステムとの連携などに力を入れているように見えます。

そのため、料金がどんどん変わっていったり、対応するシステムが増減することによって、契約形態がわかりにくかったりします。

②インターネットブラウザを使用するためちょっと遅かったり、システム不具合がある
これはクラウド会計黎明期から言われていた点ですが、インストール型に比べて、動きが遅いです。
また、年末や3月末、5月末など、ほぼすべての会社が忙しくなる時には特に、サーバーやらなんやらのシステム不都合で
サービスが止まることがしばしばあります。

③使い勝手が変わる

クラウド会計のメリットである自動仕訳等の機能について、金融機関等の問題なのか、システムベンダー側の問題なのかわかりませんが、
自動連携がなくなることがあります。

2022年にも楽天銀行とfreeeの自動連携がなくなるという知らせを受け、楽天銀行やfreeeからの撤退や不満が増えています。

自動連携のメリットをうたってユーザーを取り込み、その後自動連携ができなくなるのは非常に困ります。
クラウド会計を推進した担当者も立場がないことでしょう。
次に乗り換えた後は二度と同じサービスを使うことがなくなると思います。

このような点は、「変わらないことが効率的だという会計システムの側面」が理解されていないように思えます。

クラウド会計のデメリットを打開する方法

では、なぜそれでもクラウド会計を使うのか、また、デメリットに対してはどのように対処したらいいか、を弊所の例を通してご紹介します。

①それでもメリットの方が大きい

料金改定、自動連携の一部停止、機能不全など従来型にはなかった多々ある問題ですが、それを上回るメリットがあるから弊所では使っています。
例えば、料金改定といっても月1000円アップしたところで、従業員さんや会計事務所の作業はもっと削減されているからです。

また、自動連携の一部停止があっても、csvからの簡単な取り込みでの対応も可能です。

機能不全に対しても、余裕をもって対応していれば、数日使えなくなっても平気です。

②デメリットには慣れ!期待せず、準備しておく

また、デメリットに対しては、上記のような具体的な対応のほか、心の準備と依存しない体制、バックオフィス作りが重要です。

他のクラウドサービス等を見ても、うまく使いこなしている企業を見ても、

「それぞれのシステムの使いやすいところを使いやすいように使う」

ことが前提になっています。

クラウドシステムは変わるもの
一つのクラウドシステムに依存しすぎないこと
これからは常に変わることができる仕事の仕方が大事

という心がけ、具体的な準備が重要だと考えられます。